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今回紹介いたしますのはこちら。

「電人N」第4巻 原作・蔵石ユウ先生 漫画・イナベカズ先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。


さて、世界中にその活動範囲を広げてしまったN。
現在のNは自らの両親の部分を切り離してしまった、欲望のままに動き回る危険極まりない状態。
以前のN以上に何をしでかすかわからない今のNが、世界中にその行動範囲を広げたと言うことは……!!



あれ以来、世界は様変わりしてしまいました。
表向きは今までと一切変わらない、平和な世界、のように見えます。
ですがその実、Nが入りこむ隙、つまり電波が入ることの出来る場所では、常にNの監視の目が働いている状態になってしまっていました。
その監視の目が届く場所で、Nの機嫌を損ねるような発言や行動をすれば即座に処分。
それも日本だけではなく、世界中が同じ状況に陥ってしまったのです……!

両親を失ったNですが、彼の目的はあくまで神崎みさきです。
彼女がトップアイドルになる、ということが彼の目的であるのは間違いないのですが、両親を失った彼の求めるものは変わってしまっていました。
神崎あかりを悲しませたくない、彼女をトップアイドルに「してあげたい」。
そう思っていたはずなのに、今のNは神崎あかりは自分の求める完璧なトップアイドルにならなければならない、自分を失望させる存在であってはならない、という完全なる独りよがりな欲望を暴走させているのです。
そしてNは、あかりの所属するアイドルグループ、レッフェの超大規模ドームイベントの開催を強制します。
観客はNが選んだ人物に強制的にチケットを送りつけると言う方式で超満員。
もし断ったり来なかったりすればもちろん……
そのイベントに箔をつけるためなのでしょう、各国の首脳なども呼びつけたようです。
そして本番を前に、アカリ本人にもプレッシャーをかけて行きます。
ドームでやるようなチャンスをものにできるかどうかでアイドルとしての価値が決まるんだ、わかってるよね?
僕は怒ると自制が効かなくなるんだ、くれぐれも僕を失望させないでくれよ。
あかりは平身低頭し、精一杯頑張ります、よろしくお願いします、と答えるしかありません。
深々と頭を下げたあかり……
その表情は、苦悩と……何かの決意めいたものを感じさせるのでした。

そしていよいよその時がやってきました。
ド派手な演出とともに現れるレッフェの面々。
客席からは割れんばかりの感性が轟きます。
音楽に乗って、早速一曲目が始まるのですが……
ノリにノっているように見える客たちのほぼすべてが、心の中に筆舌に尽くしがたい不満を抱えています。
例えば真面目そうなスーツに眼鏡の伯父さんは、こんなことを思っていました。
くそ、なんで俺が。
オーディオに高級車1台買えるだけの金額をつぎ込み、市民が件にも参加するクラシック一筋のこの俺が、なんでこんな……
情けないやら悔しいやら、本来ならば抑えきれない怒りをどこかにぶつけたいくらいでしょう。
ですが、観客席にはNが監視のためにはなった陸上ドローンが配置されており、監視の目を光らせています。
滅多なことは口に出せませんし、下手をすればノッていないそぶりを見せたり、不満そうな顔を浮かべたりしただけで処分されてしまいかねません。
ここは……夢中な客を演じ、やり過ごすしかないでしょう。
この場を乗り切れば、とりあえず日常に戻ることができるのですから。

客側も命懸けなこのライブ、言うまでもなくレッフェの面々も命懸けです。
ですがやはり彼女達も、最初はトップアイドルを夢見てこの世界に身を投じた少女達。
かりそめのものとはわかっていても、超満員のドームでライブとなれば、胸のときめきを感じてしまうのも無理はありません。
その嬉しさと恐怖が同時に襲い掛かってくるわけで……メンバーにはとんでもない緊張が襲い掛かってくるわけです。
最初にその緊張を出してしまったのは、かすみでした。
緊張のため、次は自分のパートだ、と直前になるまで気付けなかったかすみ。
慌ててマイクを構えようとしたところ、手からマイクがすっぽ抜けてしまったのです!!
メンバーの視線が一気にマイクにあつまります。
こんなミスをしてしまえば、Nがどんな反応に出るかわかりません!!
ぞっとする一同……ですが、そのマイクを
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みさきが空中でキャッチし、自然にみさきに手渡したのです!!
演出の一環と取れなくもない一連の流れ。
Nも見逃してくれたようで……観客たちはピンチを何とか逃れたことに安心したのもあってか、大盛り上がりです!!
ですが、観客たちはもちろん、テレビの前で見ていたかすみの両親、そして中継を街頭ビジョンで見ている世界中の人々……そして、舞台上にいるみさき達も、この状況が危険である事に気が付いていました。
皆緊張しすぎている。
大きな舞台で、大勢のお客さんを前にライブをするのも初めてですし、なによりも命がかかっているのですから仕方のないこととはいえ……
何か大きなミスでもすれば、Nがどう出るかわかったものではありません。
しかしみさき達が悩む暇もなく、音楽は続きます。
全員でのコーラスのパートに入るのですが、そこでメンバーの一人が歌詞を間違えてしまったのです!!
……全員の目が、そのメンバーに注がれます。
絶望するそのメンバーですが……
なんとか歌詞を修正して歌い続け、リカバリーすることができました。
ほっと息をついた
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その瞬間でした。
天井から鉄パイプの様なものが落下し、彼女の体を貫いたのは……!!
そして彼女は、何かを言いかけた後……血を吐いて絶命してしまいます。
んな惨劇を間近で見てしまった別のメンバーは、とうとう耐えきれなくなり、マイクを捨てて絶叫し、うずくまってしまうのです!!
……直後、そのメンバーの頭部に鉄パイプが突き刺さります。
考えるまでもなく、即死でしょう。
もうこうなってしまってはどうにもなりません。
巻き起こった惨劇を前に、他のメンバーも次々に叫び、うろたえ、絶句して……
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あっという間に、レッフェのメンバーは半分の5人になってしまうのでした……!!
このままでは誰も生き延びることができないかもしれません。
絶望と地に彩られた悪夢のライブ。
そんな中でわずかの光明となったのは……ほかならぬ岬でした。
皆目をつぶって、次は新曲だよ、とマンチックな曲だからね、落ち着いて情景を浮かべながら聞いて下さい!!
そう言って、自然に観客たちにこの光景を見続けなくていいように、歓声を上げなくていいように誘導したのです!!
……こんな時でも、顔を絶やさないみさき。
どうしてこんな時でも笑っていられるのか?
生き残ったメンバーは様々な思いとともにそんな考えが浮かび、困惑してしまうのですが……
これもすべて、彼女の決意によって何とか持ちこたえた結果なのです。
その証拠に……死んでしまったメンバーとのデュオパートに差し掛かったみさき。
みさきはそっとその亡骸の手を取ってマイクを自分の方へ差し出させ、自分のマイクを相手に向けて伸ばします。
その時の彼女の顔は……
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笑顔で、笑顔なのにとめどない涙が溢れ出ていたのですから……



というわけで、クライマックスを迎える本作。
人類の命運がかかったと言っても過言ではないドームライブ。
その矢面に立たされているレッフェとみさきですが……
このまま無事ライブを終えたところで、また次の、さらに大規模なライブが用意されるだけではないでしょうか。
終わることの無い地獄が続くだけ……とはもちろんなりません。
ここまで登場していない、かつて一度はNを封じることに成功したスドー。
彼らと彼らの仲間たちが、密かに裏で動いていて……!?

そんな、レッフェ、N、スドーたちの思惑が錯綜するドームライブ。
しかしどんな作戦があったとしても、それまでの間にNに暴れられてしまえば台無しです。
やはり人類の運命は、いまだみさきに握られていると言っても過言ではありません。
最終決戦と言ってもいいドームライブ。
血潮の舞うこのライブを、みさきは最後までやり遂げられるのでしょうか?
そしてNを無力化することはできるのでしょうか!?
最悪の電人Nが作りだしたディストピア、その結末は……!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!