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今回紹介いたしますのはこちら。

「ポンコツちゃん検証中」第6巻 福地翼先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、巨大隕石から地球を救うため、一日ひとつ与えられる超能力からふさわしい能力を探すことになった夢咲さんと水戸くん。
超能力精査も二人の関係も順調に進んでいく中、水戸くんに思いを寄せ、夢咲さんに憧れている少女の雨坂さんの登場などもあり、何だかちょっぴり波乱の予感もあるようなないような……?



今日は日曜日。
今回2人は、人前でばれずに能力を使う検証も兼ね、繁華街にやってきました。
気になる本日の能力はと言いますと……「肩書きスロットの能力」とのこと。
名前だけ聞いても全くその内容が予想できませんが……まあとにかく使ってみることにしましょう。
夢咲さんが能力を発動すると、その能力を振るった先である水戸くんの体がぴかっと光るのですが……
とりあえず水戸くん、強くなったり弱くなったり、そう言った体調の変化は全く感じられないようです。
が、夢咲さんから見るとそうではありませんでした!
水戸くんのおでこに「友達」と表示されたウィンドウが開いているのですから!!
それに気づくと同時に、夢咲さんの手によくわからないスイッチのついたリモコンが現れます。
見てみればそのリモコン、スタートとストップのボタン、そして「兄」「恋人」「友達」「弟」などと言った、関係性が記されたウィンドウがついております。
「肩書きスロット」という名前とこのウィンドウを見た水戸くん、ここでこの能力の仕組みが何となく把握できたようです。
スロットマシンのような方式で肩書きを選択すると、能力の対象をその肩書き通りの関係性に変化させられる、という事なのでしょう!
いろいろ面白そうな能力ではありますが、対隕石としては役に立たないような……
ですが水戸くんはちゃんと子の能力にも使い道を見出しています。
で目の中にある「子分」と言う肩書き。
隕石でパニックになり、暴徒と化してしまった人々がいても、これで子分にできれば簡単にコントロールできる、というわけです。

では早速チャレンジしてみましょう。
スタートボタンを押すと廻り始めるスロット。
「子分」の目を狙って……ストップボタンを押す夢咲さん!
出たのは「兄」の目でした。
意外と難しい、と残念がる夢咲さんに、水戸くんは
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もっとちゃんと狙って押せ舞落!と、名前の呼び捨てで呼びかけてくるではありませんか!!
いきなり下の名前予備にドッキリしてしまう夢咲さんですが、今の水戸くんは彼女の「兄」。
兄からすれば妹を呼び捨てするのはごく自然ですから、照れるもクソもありません。
いつも以上に近づくことにも当然抵抗はないわけで、ずんずん近づいてくる水戸くんに、夢咲さんはドギマギしながら、水戸くん近い、と漏らすものの……水戸くんはといいますと、誰が「水戸くん」だ、お兄ちゃんとよべ!と迫ってくるのです!
近いて、お、お、お兄ちゃん。
そう呼ぶのもやっぱり恥ずかしく、顔を真っ赤にしながらなんとかそう絞り出す夢咲さん……
水戸くんは夢咲さんの兄になってもやっぱりいい人でして、「妹」が心配なようです。
顔が赤いぞ、風邪か?とおでことおでこをくっつけちゃったりもしてきまして……!!
もう耐えられません!
慌てて再びスロットを回した夢咲さん!!
今度出たのは何と「弟」!!
お姉ちゃーん、と抱き着いてくる水戸くん!
しかも、帰ったら一緒にお風呂入ろう、とか言いだしますし……
水戸くんの本性はこんな甘えんぼだったりするのでしょうか……!!
周囲を通る人々に見られまくってしまい、恥ずかしがる夢咲さん、最初はみんな見てるから離れなさいと諫めようとするものの、弟の水戸君がお姉ちゃんの匂い好き、などと言いながらくんくんやり出したのでもう溜まりません。
またまたスロットを回すものの、今度出た出目は「夫」!!
おまけに夫の水戸くん、舞落の匂いが好きだよ、肩書きが変わっても匂いを嗅ぎ続けまして……!!

その後もなかなか狙った出目は出せません。
「父親」は大きくなったな、と高い高いしてきますし、「師匠」は手取り足取り謎の指導をしてきます。
「好敵手」、また「弟」、そして一層ドキドキさせられる「恋人」と、一向に気の休まらない時間が続きます。
そうしてついに出たのが……「他人」の目でした。
他人の目が出ますと、今までどんな目が出ても発生していた気がするスキンシップが即座に止まり……
そして、水戸くんは後ろを振り返ってどこかに行ってしまうのです。
水戸くんどこへ?水戸くん!!と夢咲さんは呼びかけるのですが……
振り返った水戸くんの口から出てきたのは、
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誰だあんた、という冷たい言葉でした。
……その言葉に思わず固まってしまう夢咲さん。
冷静に考えれば、「他人」なわけですから、今の水戸くんは夢咲さんのことを知らないのです。
知らない人からいきなり呼び止められ、さらにコミュニケーションが得意ではない彼がこう言う反応をするのは当然と言えば当然でしょう。
しかし頭ではわかっていても、夢咲さんの中にはモヤモヤが残ってしまいます。
なんやろこの気持ち、もとの関係に戻っただけやのに、ぽっかり穴があいた様な……
自分が思っている以上にショックが大きかったのかもしれません。
夢咲さんは後ろにあった自転車に気付かずにぶつかってしまい、そのまま並べて止めてあった自転車をドミノ倒しのようにたくさん倒してしまったのです。
ごめんなさい、直しますんで、と言いながら自転車を直す夢咲さん。
ですがその頭の中は今の出来事で一杯です。
これは能力で一時的にそうなっとるだけやん。
なのに、なんで……
なんで……
夢咲さんの瞳からは、抑えきれないkなった涙が零れ落ちてしまいます。
ジン転写を直すこともできず、ただ泣き続ける夢咲さん……
ですがその時、隣から物音が聞こえます。
その者音の方に視線を移すと、そこには
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依然「他人」のままの水戸くんがいて、自転車を直してくれているではありませんか!
ここは駐輪禁止なんだ、あんたは悪くない。
だから泣くな。
知り合いでもない、助けを求められたわけでもない。
それでも困っている人に迷いなく力を貸してくれる水戸くん。
夢咲さんはそんな水戸くんを見て、思うのです。
他人の水戸くんは、何も変わらず水戸くんで……
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私の中の水戸くんの肩書は、いつだって「凄い人」なのだ。



というわけで、なんだかほっこ利してしまうエピソードを収録した今巻。
水戸くんと夢咲さんの関係性が徐々に近づいて行くのが本作の見どころの一つではありますが、そうして二人のもともと持っていた気持ちや、心根が垣間見えるエピソードも忘れてはいけない所です!
こう言った直接的でないイベントでも二人の関係が近づいて行くのがわかるわけですね!!

そしてその他にも、通常の能力検証、そしてあのアブキャラの意外な過去がわかるお話など見逃せないお話が満載。
特に、今回紹介はしませんでしたが、第6巻の6割近くを使って繰り広げられる体育祭編も見逃してはなりません!
体育祭に全力で挑むのはもちろんとしまして、そこに神様から時折課されるミッションが与えられてしまうのです!
さらにそこに雨坂さんの想いなども絡んできまして、見どころ満載の内容になっているのです!!

そんな数々のお話に加え、今回は巻末の描き下ろしおまけ漫画がなんと12Pという大ボリュームで収録!!
本編とは全く関係なく、超能力すら登場しないおまけ漫画ですが、水戸くんと夢咲さん、そして雨坂さんの可愛らしさがたっぷり堪能できる必見の作品となっております!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!