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今回紹介いたしますのはこちら。

「鬼滅の刃」第22巻 吾峠呼世晴先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。



さて、無惨との最終決戦が幕を開けた前巻。
ですが無惨はあまりにも強く、柱数名がかりでも足止めすることすら難しく……?



無惨の攻撃は早く、長く、鋭いだけではありません。
絣でもして傷がつけば、そこから人間には猛毒となる血液を注入されてしまい、それだけで死に至ってしまうのです。
幸い思いがけない援軍のおかげで、毒のせいですぐさま死んでしまうことはなくなりましたが、それでもその毒によって体力は奪われてしまうでしょうし、無惨の攻撃をまともにくらえば一撃で絶命すると言う切れ味は変わりません。
さらに無惨は人間の息をはるかに超越した体力で、ひたすら攻撃を繰り出し続けます。
参戦している柱達はギリギリのところで攻撃を避け続けるのですが……伊黒はそんな中で、ひときわ大きな苛立ちを感じていました。
俺が誰よりも戦果を挙げていない、もっと有効な攻撃を与えることができれば……
命の危機に瀕した時、生物は爆発的な力を発揮する。
かんざし一本で座敷牢の分厚い格子を破ることができると俺は知ってる。
そして時透、お前は死ぬ間際に白刀を赫くし、刀の色に関わらず刃は赫くすることができるのだと証明した。
カラスの報告から推察するなら、あの瞬間時透ができたことは、強く刀を握りしめるのみ。
強い衝撃を受け、刀の温度が上がったのではないだろうか。
刃を赤く染めるのは、死の淵に己を追い詰めてこそ発揮される……
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万力の握力……!!
伊黒の刀は、赫く染まっていました。
彼の執念と、思いのたまものでしょう。
鬼狩りの到達点の一つといえる赫い刀身は、きっと無惨に大きな打撃を与えることができるでしょう。
ですが、待望のはずの赫い刀身への変化を果たした瞬間、伊黒の脳内によぎったのは「しくじった」という思いでした。
刀身を変化させることに注力しすぎたため、伊黒の意識が飛びかけてしまったのです。
全ての力を握力に回してしまったため、酸欠になり、意識を失いかけてしまった伊黒。
その以上に気が付いた不死川は、大声で伊黒の名前を呼び、危険が迫っていることを知らせます。
ここで伊黒が倒れれば、的が減ることで一人当たりへの無惨の攻撃が激しくなってしまいます。
伊黒は必死に己を鼓舞し、回避しようとするものの、手以外に力が入らず……
そこに冨岡が駆けつけ、伊黒を襲う攻撃を弾こうと試みました!
ですがギリギリのところで間に合わず、無惨の攻撃が無情に振り下ろされた……のですが、伊黒は宙に舞っていました。
無惨はすかさずそこに追撃を放つのですが、伊黒の体は何かに引っ張られるように動き、その攻撃を回避するのです。
さらに気が付けば、
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無惨の右腕が切り離されていました!
凄まじい再生速度故、切りつけてもそのそばから再生して切り落とすことができなかった無惨の体。
だと言うのに、なぜ切断できているのでしょうか……?
無惨は腕を再生させつつ、その原因を探っていました。
悲鳴嶼の鉄球ではない、不死川の刀ではこのようには切れない、冨岡は伊黒の助太刀に入っていた。
伊黒の刀は赫くなってはいたが、それで射程がのびるわけではないから、攻撃が届いたはずはないし、空中での回避の様子もおかしかった。
と、そんなことを考えていた無惨なのですが、今度は左の腕が切り落とされます!!
切れ味の悪い刃物で無理やり切り落としたかのような切り跡。
それを見て、無惨は確信しました。
姿は見えないが、いる。
珠世の術で姿を隠している何かが……三人!
動き回っている微かな気配を探り、無惨はその気配に向けて攻撃を振るいます。
すると
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伊之助、善逸、カナヲの三人が姿を現したではありませんか!!
どうやら珠世の術の込められた札を貼ることで、姿を消して戦っていたようです!!
その攻撃で札は切り裂かれてしまいましたが、歩だのストックはまだまだたくさんあるようです。
お前の攻撃なんざ……といつもの容姿で強がる伊之助なのですが、そこにすぐさま無惨の攻撃が襲い掛かる……のですが、その時でした!!

伊黒の赫刀による攻撃が、無惨の右腕を落としたのは!!
無惨はすぐに腕を再生させましたが、その速度は今までに比べて明らかに遅くなっています。
赫い刀身の刀での攻撃は確実に無惨に効果がある……!
直後に動いたのは悲鳴嶼でした。
伊黒の攻撃によるダメージと、実力は柱に劣るものの、姿を消すことで柱並の活躍をすることができる三人の登場により、わずかながら生まれた余裕。
その一瞬で、悲鳴嶼は自らの武器、鉄球と斧を激しくぶつけ合ったのです!!
何度も何度もぶつけると、その熱によって武器は赫く染まり……!!
この方法では長く赫い刀身を保つことはできないでしょう。
ですが、今までの攻撃ではほぼダメージを与えられないのですから、選択の余地はありません!
赫く染まった鉄球は、無惨の胸元を深くえぐり……そのダメージが小さくない事は、無惨の浮かべる苛立ちの表情からも明らかです!!
そして、不死川も動きました。
冨岡に声をかけ、二人の刀を力強くぶつけ合うことで、二人の刀身を赫く染めたのです!!
……夜明けまで残り1時間3分。
頭数がふえ、有効打となる赫い刀を持つ者も増えた。
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余裕余裕、糞味噌にしてやらァアア!!
不死川の口から、強がりではあるのでしょうが、そんな言葉が出てくるほどの光明が差してきたのでした!!



というわけで、太刀打ちできないかに見えた無惨との戦いに、光明が差し始めた今巻。
ですが戦いはまだどう転ぶかはわかりません。
なんといっても相手は、全ての凶事の根源である鬼舞辻無惨。
まだまだどんな隠し玉を持っているかわかりません。
いかに人数が増えようとも、いかに赫刀が増えようとも、決して油断してはならないのです!!
そして、前巻で死の淵に立たされてしまった炭治郎の行く末も気になるところ。
毒によって瀕死にはなってしまいましたが、そのもうろうとした意識の中で縁壱の過去を垣間見ていました。
その過去の映像が、炭治郎に何ももたらさないはずがありません。
炭治郎は蘇り、無惨にもう一度立ち向かってくれる……はずですが、この戦いで炭治郎がどれだけ活躍できるのかはわかりません。
そしてそんな中、あの人物に大きな変化が訪れます。
戦いへの影響は未知数としか言えませんが、物語においてはかなり大きな影響を及ぼすその変化、ますます事態を急転させていきそうです!!
……戦いの決着は間近。
戦う者達のみならず、読者の皆様もまた、一瞬も目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!