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今回紹介いたしますのはこちら。

「大親友」第2巻 大島永遠先生 

少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。


さて、様々なトラブルを経て、徐々に「友達」になって行く陽奈と紗月。
このまま順調に二人へ「親友」へとステップアップ……とはいかないようで……?




多少強引ではあるものの、自分をグイグイと引っ張っていってくれる紗月。
陽奈は最初こそ彼女のことが嫌いでなりませんでしたが、いつしかそんな彼女に轢かれ始めていました。
そんな心境の変化もあってか、陽奈は6月の終わり、紗月たちとともに正式な水泳部員となりました。
泳ぎが達者ではない陽奈に対しての紗月の指導は何故だがとっても厳しいですが、そんな練習にもやりがいを感じるようになった陽奈。
毎日が充実して、楽しくなって来た……と、思い始めたその時に事件は起こったのです。
4月頃にほんのちょっとしたトラブルがあり、気まずくなってしまったクラスメイトの栗林さんが、陽奈に声をかけてきたのです。
なんでも彼女、陽奈にお願いがあるとのこと。
これをきっかけに気まずさを解消できればいいと思ったのでしょう、陽奈は積極的にそのお願いを聞いてみますと、栗林さんは陽奈と紗月が仲がいい、ということを確認してきました。
照れくささもありまして、仲いいっていうか、普通に友達かな?と答える陽奈。
すると栗林さんは、それならば、とこんなお願いをしてきたのです。
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私、前から北瀬さんと仲良くなりたくて、紹介してもらいたいんだけど……
……紹介、と言われてもピンときません。
なにせ栗林さん、紗月とも同じクラスですし、席も近いですし、紹介も何も自分から不通に話しかければいいはずですから。
詳しく聞いてみますと、栗林さんはスポーツが得意ではきはきしている紗月はかっこいいから憧れていて、夏休みに入って会えなくなる前に、一緒に遊べるように仲を取り持ってもらえたらいいと思った、とのこと。
あの紗月と率先してお友達になりたいとは、世の中にはいろいろな人がいるもんだ、と内心驚く陽奈ですが、断る理由なんてありません。
自分もクリリンこと栗林さんと仲良くなれるかも、と考え、そのお願いを受け入れるのでした!!

早速放課後、栗林さんを交えて三人で帰ろうと紗月に持ちかけました。
紗月はあっさりと受け入れてくれるのですが、そこでちょっと予想外なことが起きました。
栗林さん、紗月に
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コンビニとか、ちょっと寄り道しない、紗月!と思い切って名前の呼び捨てで寄り道を持ち掛けたのです。
しかもそれだけならまだしも、何故か栗林さんは紗月と二人で帰っていってしまい……
なぜか取り残されてしまった陽奈、表面では普通にまた明日、とお別れするのですが……
心の中には何か違うと言う思いが巡ってしまうのでした!

その後もなんだか変なことになってしまいます。
どんどんと紗月にアプローチを仕掛け、放課後付き合ってくれとお願いしていく栗林さん。
今日は陽奈と約束があるから、と紗月が断ろうとすることもあるのですが、陽奈はここで変に気を利かせて、別に急ぎの用事じゃないから大丈夫だよ、と自分の約束を後回しにしてしまうのです。
すっかり一人で放課後を過ごすようになってしまった陽奈、心の中に悶々が湧いてきます。
栗林さんは「私達」ではなく、「紗月」と仲良くなりたかったんだ、うん、わかってた。
じゃあ、この気持ちは何だろう……

紗月が陽奈に話しかけようとしても、狙っているわけではないのでしょうが、それに割って入るように紗月に話しかけてくる栗林さん。
またまた一人になってしまう陽奈、栗林さんに対する印象が変わってきました。
クールで物静かで、誰に対しても距離のある子だ、と思っていた栗林さん。
ですが紗月に対しては驚くくらいよくしゃべり、紗月から話しかけられると、他の人から話しかけられたときとはまるで違う明るい表情を浮かべるなど、とってもわかりやすい子だったのです。
栗林さんにとって、きっと紗月は特別なんだね。
そう考えますと、なぜか陽奈の胸はちくりと痛むのです。
その痛みに違和感を感じながらも、気を取り直そうとする陽奈。
もうすぐ夏休みだし、部活もあるし、そしたら紗月と二人で……
と、そこで気が付きました。紗月はいつの間にか自分の中で「嫌なヤツ」から「友達」になったけど、友達っていうのは平等でみんなで仲良くするべきもののはず。
ふたりでって何?頭の中ばぐってる、おかしくなってる!
そう自分を責めるものの、紗月との会話が減って寂しくなったと言う気持ちは確実に存在していて……
そんな時、陽奈は聞いてしまいました。
栗林さんが、水泳部に入ろうかな、紗月と一緒なら楽しそう、と紗月に離しているのを聞いてしまったのは。
その会話を聞いてしまって、陽奈はショックを受けます。
そして、へこんでしまっている自分にもショックを受けるのです。
栗林さんを歓迎したいのに、喜びたいのに、なんでモヤモヤしてしまうのか。
皆友達にこんな気持ち抱えたりするのだろうか……

陽奈は思い切って、一緒に水泳部に入った男子2人にこのことについて聞いてみました。
男子2人は別に友達に対してやきもちを焼くようなことはないとのこと。
嫉妬するってことは、独占欲、依存、執着心とか、相手のことを思って出る感情ではないものが出ていると言う事。
それを相手に押し付けることがあったら、
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それはもう単なる自分勝手だ。
……それを聞いた陽奈は……
だよね、とつぶやいてその場を立ち去り……人気のない廊下で、涙をこぼすのです。
初めて友達に抱いたこの感情は、
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自分勝手で、かっこ悪くて、苦しくて、痛い。




というわけで、歓迎すべき存在であるはずの、新しい友達を前に、嫉妬という感情を抱いてしまう陽奈。
ですが自分の感情が嫉妬だと自覚したことで、陽奈の気持ちと言いますか、心構えと言いますか、そう言ったものが変わったようで。
この後、陽奈と紗月、そして栗林さんの三人の関係に大きな変化が!
「親友」というのは、ただ仲良くキャッキャウフフするだけの関係ではないはず。
様々なトラブルを乗り越えてこそはぐくまれるはずですから……
このちょっとした黒い感情も、これからの関係を作る一つの思い出になって行くことでしょう。
三人の関係がどうなっていくか、皆様の目でご確認ください!

そしてその後は新シリーズに突入!
新キャラクターを交え、ちょっとした旅の様な事ををする新シリーズ、またも事件の予感!?
こちらも見逃せません!!
さらに巻末にはおまけ漫画も描き下ろしされているのですが、本編の最後部分も気になるシーンが描かれておりまして。
大親友になるであろう陽奈と紗月のこれからには何があるのか、このシーンがひとつまみ咥えられるだけでより一層気になってしまうのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!