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今回紹介いたしますのはこちら。

「地獄楽」第11巻 賀来ゆうじ先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、殊現やシジャと言った曲者ぞろいの第二陣が参戦し、戦局が混迷していく本作。
てんせんですら翻弄される彼らの参戦は、画眉丸たちの運命にどんな変化をもたらすのでしょうか……?



相容れることはないかと思われていた、浅エ門達と画眉丸達。
そんななか瀕死だったてんせん、チュジンがその身を巨大な怪物、盤古へと変えました。
強大且つ、人を花に変える細かな丹をまき散らす盤古、一刻も早く倒さなければ全滅してしまいかねません。
だと言うのに浅エ門達は、
ですがそんな緊張状態は、ある人物の言葉で一気に毛色が変わってきました。
それは、浅エ門達のリーダー格である殊現……ではなく、その横でやる気なさげな表情を浮かべているばかりだった十禾の口から発されたものです。
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あの化け物を退治する、かつこの場の全員が生きて帰れる、場合によっちゃ自由の身?もアリよ?的な、いい案を思いついたのよ。
それには面子がいる。
特に、あの忍びの子はね。

傍から見るとまるで信用できなさそうな十禾ですが、浅エ門達からのの信頼は厚い様子。
今まで佐切の言葉に全く聞く耳を持たなかった浅エ門達が、あっさりと協力も辞さない、という雰囲気になって行きます。
そこでまず、現在の状況を整理してくれたのは弔兵衛でした。
今この場内は、盤古が全てを侵食していて、ここは盤古の体内の様なもの。
丹の欠片が漂っていて、細かくなって口や鼻から入り、この場にいる全員が危ない。
タイムリミットは朝まで。
朝になると、盤古は満開になり、タオの乱れが激しくなり、全員が花になってしまう……
朝までにあの巨大な盤古を倒さなければならないわけです。
そして盤古を倒すためには当然、てんせんと同じように丹田を破壊する必要があるのですが、なんと盤古は火水木金土、5種の丹田が場内の方々に散らばっていて、あげくにその全てを同時に破壊しなければならないと言うのです。
その為に一同が協力しなければならない、ということなのですが……
第一陣の面々は、ここに至るまでに様々な戦いを潜り抜けてきているわけで、皆満身創痍。
それに加え、個性や主張の強すぎる一同が素直に協力体制を取れるとは到底思えません。
実際弔兵衛は一向にまとまろうとしない一同にしびれを切らし始めたようで、下らねえ、と口を開いた、その時でした。
竈神たちがその場に現れ、問答無用で襲い掛かってきたのは!!
もはやこの島は盤古の体内、この場にいる者は「体内に侵入した異物」も同然。
竈神たちを使い、一同を消し去ろうとしているようです!
すかさず一同は体勢を整えまして、竈神を迎え討ちます。
幸か不幸か、戦いに入ることで人間同士の言い争いは中断となりまして、ここでようやく協力する話を再開することができました。
先ほどの話、問題は丹田の数だけではありません、タオが一定以上大きくないと、丹田の破壊には至らない!
佐切が戦いの最中にそう叫びますと、戦いの真っ最中だと言うのに座ってくつろいでいる十禾がいい指摘だ、とのんびり答えます。
そして、ヌルガイが化け物の邪魔もあるぞ、と更に指摘したところで、そこで忍者の彼が必要なの、と補足するのです。
彼なら花の妖なんて……と、十かが言いかけたところに、猛烈な炎が燃え上がります!!
そして、竈神たちは一瞬で炭となってしまうのです!!
ほらね。
十禾がそう言うとともに、舞い上がった煙の中から……画眉丸が姿を現すのです。
……が。
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その姿は、花に侵食されきっていて……!!
無事か、と佐切に声をかけてくる画眉丸ですが、画眉丸の方が膝から崩れ落ちてしまいます。
丹の力を制御して自分の力としていた画眉丸と弔兵衛、その力はやはりもろ刃の剣と言わざるを得なかったようです。
こんな状態で画眉丸は戦えるのでしょうか?
十禾は口には出さないものの、こいつは計算外、と顔を曇らせ……そして、その場に何も言わずたたずんでいた石隠衆に視線をやりました。
十禾が何を完あげているかは読み切れませんが、どうも毛色はよくありません。
士道はため息をつきつつ、皆疲弊してる上、画眉丸までこんな状態では、とこの作戦の見直しも視野に入れなければとでも言いたげに口を開くのですが、その言葉を弔兵衛が遮ります。
くだらねえ。
この身なんざ関係ねえ。
そう言って、画眉丸にこう声をかけるのです。
よおチビ忍、いつぞやはえらく世話になったな。
その様子、てめぇにもあったか、失うものが。
……問われるまでもありません。
画眉丸はわずかな躊躇すらなく返しました。
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ある、この身がどうなろうと構わん。
何を失っても、守るべきものが。
その思いは、弔兵衛もよく知る想いです。
だとよ、こう言うバカは使えるぜ、と弔兵衛が言うと、同じように大事なものを得た士道もうなずき……
状況は決して良くはありません。
ですが、自分の身を呈してでも戦い抜いて、そして生きて帰ろうと言う画眉丸の意思を見れば、子の作戦にも一抹の希望が見えたようにも感じられ……
作戦の見通しがついたところで、十禾はいまだ納得しきっていない浅エ門威鈴に、この状況じゃ殊現の身が心配だろ、と最後の一押し。
一応はこの作戦を受け入れさせることができました。
チームとしてまとまったところで、作戦の詳細を……士道の方から説明することに。
ではその作戦は、と指導を中心に話し合おうとしたところで……彼らは動いたのです。
相手を仕留める時は気配なく、予備動作もなく、息するが如く、日常の所作の様に
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全員の意識の隙をつくべし。
全員がようやくまとまり、盤古を倒すためにまとまったその瞬間。
完全なる意識の隙を付き、石隠衆がその牙をむいたのです!!!




というわけで、またも新たな展開を迎える本作。
盤古を倒さなければ、程なく全滅してしまう。
そんな大ピンチに追い込まれたものの、だからこそいったんとはいえ浅エ門達と画眉丸達が手を組むことができたのです。
と、そんなタイミングで牙をむく石隠衆!
一同の中で最も己の命を失うことも辞さずに使命を果たさんとする彼らは、その危険さだけならばてんせんたちを越えるかもしれません。
画眉丸達も達人ぞろいですから、この不意打ちで全滅するようなことはないでしょうが……
この攻撃は、石隠衆との全面対決に入るきっかけになるのは間違いないでしょう。
ということは、画眉丸に異様な執着を見せるシジャが動かないはずもなく……!!
単身怒りのまま暴れまわる殊現、てんせん、竈神、シジャを含む石隠衆。
そんな危険な存在が跋扈する中で、盤古の5つの丹田を同時に破壊しなければならないと言う、あまりにも困難なこの作戦、達成することはできるのでしょうか。
ですが達成できない事は、イコール全滅につながるわけで……
未だその目的を読み切れない十禾の存在もあり、これからの展開もまだまだ見逃すことのできない本作。
これからまだまだ盛り上がって行きそうですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!