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今回紹介いたしますのはこちら。

「侵略好意」第2巻 犬背九二郎先生 

小学館さんの裏少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、ぼっちの女子高生・イソラが突然現れた宇宙人・エゴさんと一緒に、宇宙生物退治をすることになってしまった前巻。
イソラは生まれて初めて自分と友達になってくれたエゴさんのために、とんでもない行動も平気で行って宇宙生物を倒していくのですが……?



イソラは宇宙生物から同級生を助けることに成功します。
ですが相変わらずのぼっち気質といいますか、イソラ特有のコミュニケーションが空回りしてしまい、イソラが目標としていたその同級生と「友達になる」ことはできずじまいでした。
イソラのショックはエゴさんや、同じく宇宙生物に規制されている寄生仲間(?)のクラスメイト、アキヲの想像以上に大きかったようで。
イソラはうなだれっぱなし、家に帰ってもベッドにあおむけに倒れ込んだまま動かない始末なのです。
イソラの負の感情が強まると、寄生している身であるエゴさんの長子も悪くなってしまうようで。
このままではいけない、と頭をひねり始めます。
そこでまずイソラの主食(?)であるコーンフレークのメロンソーダ崖を用意してみました。
ですがイソラは見向きもしません。
エゴさんは今度はイソラの携帯電話を弄り始め、「女子」「元気が出るもの」で検索。
趣味のものや、友達や家族との思い出の品、と出てきましたが……イソラにそう言ったものなんてあったでしょうか……?
エゴさんはいろいろと考え、イソラのお父さんの写真とお骨、ぬいぐるみやゲームなどいろいろイソラの周りに並べてみるのですが……やはりイソラは復活しないのです。
そこでエゴさんは最後の手段に出ました。
携帯のアプリでアキヲにメッセージを送り、女子高生の元気になるものを以下の住所に持ってこい、と命令したのです!

その後イソラはほんの少しだけ回復したようで、エゴさんと対戦ゲームをし始めます。
エゴさんはわざと負けてイソラのテンションを上げようとしますが、イソラのテンションはまったく上がらず、ぼーっと虚空を見続けているまま。
ついでにゲームでも手加減なしに普通に負けてしまいますし、なかなかうまいこと行きません。
疲れたなら糖分を取れとコーンフレークを食べさせ、菓子も今日くらい好きなだけ食べろ、と口元に運んでも表情は変わらず。
どうすればいつもの様に戻るんだ、と困り果てていたところ……
ようやくアキヲがやってきました。
宇宙生物の情報を教えるから、と条件を持ち掛けられたため、それならばと渋々やって来たアキヲとその相棒のチモ。
ですがエゴさんは、それは嘘だとあっさり手のひらを返し、二人を部屋に招き入れます。
そこで素直にイソラを復活させるために力を貸してほしい、とカミングアウト。
それでアキヲも、女子高生の好きなものを持ってこさせられた理由を理解したようです。
で、アキヲは何をもってきたのでしょう。
彼女が手から下げてきたビニール袋の中に入っていたのは……
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ニラ、キャベツ、豚モツ……
モツ鍋の材料でした。
……しばらくの沈黙。
そしてエゴさんはこう言いました。
女子高生に詳しいわけではないが、これが正解でない事だけはわかる。
アキヲも正直を言って、わかっている様子。
図星を突かれたと言うような表情を浮かべた後、私だって友達多い方じゃないし、女子高生の好きなものなんてわかんないよ、と漏らすのでした。

ベッドの上で大の字になっていたイソラの鼻に、ふわりと料理の匂いが届きました。
自分がいないのにこの家で料理の匂いがすると言うことは……エゴさんが何かしているのだろうか。
エゴさんの姿を探し、リビングにやってきますと……
そこでは、切って煮るだけなのに時間を掛け過ぎじゃないか、調味料も入れ過ぎのように見える、キミあまり料理したことないな、とエゴさんにダメ出しされまくっているアキヲと、それをフォローしようとしているチモ、そしてぐつぐつと心地いい音を立てている鍋が机に集っております。
まさかアキヲがいるとは夢にも思っていなかったイソラは、一気に目が覚めたようです!
ぶわっと冷や汗が吹き出し、アキヲさん、なんでうちに!?と震えながら質問を投げかけます。
アキヲもなんといっていいのか分からないのか、えと、お邪魔してます、ごめん、勝手に台所使って、ととりあえず挨拶と謝罪をするのです。
するとイソラ、鍋を指して言いました。
それ、食べていい?
勿論その為に作ったのですから、断るはずもありません。
おもむろに鍋を口に運ぶイソラなのですが、どうしたことでしょう、今度はボロボロと涙をこぼし始めたではありませんか!
エゴさんは、やはり不味いか、無理して食べるなよ、と声をかけるのですが……イソラから涙とともに出てきたのは、
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おいしいよぉ、という言葉でした。
誰かが私のために作ってくれたゴハンなんていつぶりだろ、おいしい!おいしい!
そう言ってもりもりと鍋を口に運んでいくイソラ。
……エゴさんは、自分もイソラのためにコーンフレークメロンソーダを作ったのに何が違うんだ、と内心納得いかないようですが……
イソラは、皆で食べようよ、鍋ってそう言うものなんだよね?とアキヲたちにも鍋をすすめます。
皆で話になって一つの鍋をつつく。
その光景を見ると、初めてだよこう言うの、とまたイソラは涙がこぼれてきてしまい……
ちなみに鍋の味の方ですが、実際は塩辛くて食べられたものではありませんでした。
だと言うのに、イソラはさらにおいしいおいしいと食べ続けています。
そんな彼女を見て、アキヲの胸には何か今までとは違う感情がわいてきたようで……

イソラに元気が出てきたようですし、アキヲは帰ることにします。
また学校で、と家を出て行こうとしますと、本当に本当に来てくれてありがとう!モツ鍋すっごくおいしかった!とイソラは心からの感謝の言葉でアキヲを送り出すのです。
……アキヲはそこで立ち止まって振り返り、イソラにこう持ち掛けます。
今度またごはん食べながら今後の相談しない?
……イソラに対して、宇宙生物と戦っている者の一人、というだけではない感情が湧いてきた、その結果出てきた誘いの言葉なのでしょう。
イソラは興奮し、だったらせっかくだから出かけようよ!ショッピングモールとか!と更に盛っていき、これっておデェトでは?と一層興奮……!
アキヲも女同士でデートはないでしょ、と柔らかく突っ込みはするものの、イソラの誘いを断るようなことはせず……
ともかく作戦会議みたいなもの、場所決めたら連絡するから!と言い残して、今度こそアキヲは立ち去って行くのです。
アキヲが帰った後、
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イソラは友達とデートだ!と飛び跳ねて大喜び!
すっかり回復したイソラを見て、エゴさんは一安心するのですが……同時に、自分とアキヲの対応に何の違いがあったのか、イソラにとって自分は何なのか……と、そんな不安めいた思いもわいてきてしまうのでした。

そしてその日はやってきます。
イソラはアキヲと合流すると、作戦会議なんてそっちのけで、ここには結構大きいゲーセンがあるんだって!と早速遊びに連れて行きます。
勢いに負けてアキヲもそれについていくのですが……
やはりこのまま2人仲良くデートしておしまい、とはいかないようです。
人でごった返すショッピングモールの中、何やら一人の女子高生がポケットを弄り、中から
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宇宙生物と思しきものを放ちました。
これだけ人がいればお腹膨れるかな。
さ、行っておいで。
……そんな不穏な言葉とともに……!!




というわけで、新たな段階に進んでいく本作。
あくまで宇宙生物との戦いにおいて、利用する価値のある相手、程度にしか思っていなかったはずのアキヲの気持ちが。
そんなアキヲを友達だと勝手に思っていただけだったはずのイソラとの関係が。
そして、牙をむく新たな宇宙生物が……!
今巻で様々なものが次なるステップへと進んでいくのです!
そんな段階を踏む物語の中で描かれていく、新たな敵の恐ろしさや、その強力な敵を倒すための戦いと言ったバトル部分、徐々に本格的な「友達」となって行き始めた感のあるイソラとアキヲの交流部分。
さらに新たな謎や、新キャラクターの登場するドラマパートと、今回も盛りだくさんですよ!!

そして本作の最大の特徴かもしれない、イソラと言う主人公の異常さもしっかりと描かれていきます。
あまりにもひとりでい続けたため、というだけでは片づけられない彼女の様々な「異常」は、今巻でもしっかりと描かれていきます。
その異常さによって窮地を救われることもあるのですが、同時にイソラがいつ死んでしまってもおかしくない危険さもはらんでいて……?
彼女の異常さは、いわゆる普通の女子のそれへと変わることがあるのでしょうか。
替わるとしたらそれは、エゴさんの力か、アキヲの力か、それ以外の誰かの力なのか……?
そんな興味もつきませんね!!

……紹介させていただいた部分にあった、久しぶりに誰かに作ってもらったごはんをおいしい美味しいと食べているイソラのシーンに、なぜかぐっと来た方は自分だけではないはず……!
こう言ったシーンが減っていくのが「普通」への道なのかもしれませんが……こんなアレコレも見逃せません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!