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今回紹介いたしますのはこちら。

「アカイリンゴ」第1巻 ムラタコウジ先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。



さて、現在も「高嶺のハナさん」を好評連載中のムラタ先生が、同時に手掛けられている本作。
「てのひらにアイを!」から、エロコメ系の作品をメインに手掛けられてきたムラタ先生ですが、本作もその路線ではあるようです。
ですが、今回の作品は今までの作品とは違い、実際の世界とはちょっぴり異なった点のあるparallelワールド的な世界でのお話となっておりまして。
この世界では、あるものが禁止されていて……?


ニュースで芸能人が逮捕されたと言う事件が報道されています。
その罪状は、10年間にわたって禁止されている行為を繰り返していた、というもの。
この世界では、あることが禁止されているのです。
そのある事とは……「性行為」。
今から15年前、男性木を助成機に挿入することは不平等であり、男尊女卑や性犯罪の根源である、という機運が高まり、性行為等取締法が制定、性行為が禁止になりました。
そんな中で、「セトリ」を目指して猛勉強をしている少年がいます。
成績学年1位をひた走る彼は犬田光。
彼は異常なほどに性行為への憎悪を募らす母と、セトリ……厚生労働省性行為取締官の幹部である父の間に生まれた少年です。
光も性行為なんて人間をやめたバカのすることだ、という考えを持っているのですが、かといって異性に興味がないわけではなく、大人気女優の宇宙美空、通称ウチュラの大ファンだったりする、普通の男子でもあるのです。
とはいえその主義は徹底しているようで、男女の関係なんてテレビ越しでちょうどいい、などと完あげていたのですが……

光が通学のバスの中で調べ物をしていますと、黒髪の美少女が話しかけてきました。
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うんこマン犬田光じゃん、と何やらお下品なあだ名で話しかけてくる彼女は水瀬優。
隣の家が一緒で、保育園から高校の今までずっと同じ学校と言う、絵に描いた様な幼馴染です。
このあだ名も、光が子供の頃悠の家のリビングで漏らしてしまった、という幼馴染ならではのエピソードから来たものなのです。
顔を合わせばこんな憎まれ口めいた会話しかしない二人ですが、泣いsンデはお互いのことを悪くは思っていない様子。
毎週金曜日の夜にネット電話で繋がって勉強会をしている二人、そのかいもあってか、優も毎回成績は学年2位。
光は彼女の優秀さをしっかり認めていまして、一緒に勉強するうえで良いパートナーになるし、将来的には優のような人間と人工授精するのも悪くない、などと考えていました。

そんな日の放課後、屋上で友人とゆったり時間を過ごしていた光。
その友人、志場番太は、成績はとんでもなく悪いのですが、さっぱりした気持ちのいい性格が気に入っていて、光の数少ない友人の一人なのです。
そのシバですが、突然光にこんなことをカミングアウトしてきます!
俺、ついに彼女とやっちまった!
キス!!
この世界でキスと言うのはやはり大分ショッキングな出来事のようです。
性行為が禁止されている以上、体の触れ合いは当然その先にステップアップしかねない行為として警戒されているのでしょう。
光はびっくりするのですが、そんな光をあざ笑うかのように、シバは丁度そこにやって来た彼女とキスを交わし始めるのです!!
キスは校則で禁止されてるし、性行為へのゲートウェイだ!と口を三角にして注意する光なのですが、シバは全く動じず。
将来セトリになるとか言ってるけど、知りもしないで批判するなよ。
シバがそう言いますと、彼女さんも同調し、犬田君のそう言うところダサいよ、声をあげるのです。
そんな二人は、光を「楽しいところ」に行かないかと誘ってきました。
今の流れからして、当然スキンシップを激しく行う何かなのでしょう。
普段の光ならば行かないでしょうが、そんな光の性格を良くしているシバは、光の負けず嫌いな部分を刺激する物言いをすることでまんまと誘いを受けさせることに成功したのでした!

三人がやって来たのは、何年も前にゴーストタウンになったと言う円山町の薄汚れたビルでした。
シバはこわもての門番の様な男性に話を通し、そのビルの中に入って行きます。
中にはライブハウスのような空間が広がっていました。
シバはせっかく来たんだから犬田も踊ろうぜ、と誘うのですが……光が周りを見回してみますと、なんと……そこかしこで男女がキスをしているではありませんか!
光にとってはあまりにも刺激的すぎるこの場所。
戸惑っているうちにシバ達を見失ってしまいます。
慌てて彼らを探していますと、踊っている女性にぶつかってと荒れてしまう光。
ぶつかってしまった女性は、屈みこんで光に大丈夫かと声をかけるのですが……
なんという事なのでしょう。
その女性、
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光が大ファンの「ウチュラ」その人……にしか見えないのです!
手を差し伸べてくれるウチュラですが、自分はウチュラの衣ファンだから、こんなところで手を繋ぐのは違う気がする、とその手を取るのを断って立ち上がる光。
すると彼女は、そっか、じゃあ気をつけてね、と言い残して人々の中に消えて行きました。
……本当に彼女はウチュラなのでしょうか……?
ぽかんとしながら、ドラマ楽しみですって伝えればよかったか、いやそんなのウザいか、とつぶやく光……
と、そこで正気に戻り、そんなことより志場はどこだ、と再びあたりを注意深く見まわすのです。
しばらくするとようやく志場とその彼女を見つけるのですが、彼らは会場の片隅にある部屋の中に入って行くところでした。
「VIP ROOM」と書いてあるその部屋、光は構わず扉を開いて中に入ります。
するとそこでは、思いがけない光景が広がっていたのです。
何組もの男女が、禁止されているはずの性行為を行っている……!!
現実のこととは思えない光景を見た光は、固まってしまいました。
しかもさらに驚くべきことに……
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ウチュラが体格のいい男と絡み合っているではありませんか!!
そこでひかりは驚くべき行動に出ます。
体格のいい男の前に立ち、こう言い放ったのです!
おい、今すぐウチュラからその北イン手を放せ、セク中野郎が!!
……VIPルームは一気に騒然となりました。
その体格のいい男は、ボクシング6階級制覇の経歴を持ち、同時に凄まじい性欲を持っている男!!
そんな男の行為を邪魔するなんて……命を捨てるようなモノだ、とVIPルーム内の客たちはざわめくのです。
実際、男は青筋を立てながらこう言うのです。
俺は睡眠とセックスを邪魔されるのが何より嫌いなんだ。
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殺す。



というわけで、性行為が禁じられた世界で、自分の知らない世界と鉢合わせしてしまった光。
この後、彼はとりあえず難を逃れることになるのですが……
それはあくまでも体の話。
紹介した部分でも、その後に起きる出来事でも、今回の件で彼が見た様々なモノは、彼の心に大きな変化をもたらしてしまうようです。
そして変化は光の心だけにはとどまりません。
光の変化は周りの人々にも変化を与え始め、さらにまさかの人物が光の生活圏内に介入してき始め……!!
厳しい教育のもと、性行為は恥ずべき行為だと刷り込まれ続けてきた光。
そんな彼に訪れることになるこの変化は、彼を法の下に禁じられた行為へと突き落としてしまうのでしょうか。
そして、その先にあるのは本当に破滅なのでしょうか……?
禁じられた果実を目の前に差し出された光。
彼が選ぶものは果たして……
ムラタ先生ならではのコミカルな雰囲気をアクセント程度に盛り込んで読み味を軽くしつつも、禁じられたエロスへの誘惑と言うインモラルな雰囲気をあくまでシリアス(風味)に描いていく、本作はそんなムラタ先生の新境地への挑戦でもあるのです!!
注目されがちなサービスシーンのみならず、そのドラマも必見の本作、今後の展開が非常に楽しみですね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!