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今回紹介いたしますのはこちら。

「SHY(シャイ)」第4巻 実樹ぶきみ先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、遠くロシアの地でアマラリルクの一員、ツィベタと戦うことになったテルとペペシャ。
ツィベタの正体に戸惑いを感じるなか、戦いの時は容赦なく近づいていて……!!



ロシアでの戦いを終えたテルは、日本でいつもの日常に戻りつつありました。
その日はコンビニのイートインコーナーで、お友達の惟子とお茶をしながら世間話をしています。
話題に上がっていたのは、最近増えていると言うひったくりのこと。
まだ犯人は捕まっていないようで、テルはヒーローとして名に課すべきなのか迷っているようです。
とはいってもただのひったくり相手ですから、それは警察の仕事泣きもしますが……
割り切れないテルなのですが、とりあえずそれは置いておきまして、2人は駅方面に向かって歩いてみようと言うことになるのでした。
と、そんな時でした。
コンビニの店内で、棚にぶつかってしまって商品をばらまいてしまう人物と出会います。
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やってしもたわ、と商品を拾い上げようとする彼女。
テルと惟子はそれを手伝ってあげるのですが……
なんだか彼女、妙におっとりした雰囲気の上、初めてのことばかりや、と呟いてみたり、駅まではどっちです?と尋ねてきたりなど、頼りない印象です。
心配になったのでしょうか、テルと惟子は彼女を駅まで送って行くことにしたようです。

彼女は天王寺曖。
今日子の街に来たばかりで、右も左もわからなかった、とのこと。
言葉づかいからして関西方面から来たであろう曖。一体何しにこの街に来たのでしょうか?
旅行の様なものだ、というふわふわした答えを返す曖ですが……
この辺りに旅行に来る人なんてそうそういません。
なんだか事情がありそうな気がする曖ですが、そんな彼女の方から二人は何をしに行くのか、と質問が投げかけられます。
惟子はカラオケでも行こうと思って、と答えるのですが、そこで曖から返ってきたのは思い盛らない答えだったのです!
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からおけって何やの?
……にわかには信じられないその言葉。
あのほら、みんなで歌う、巨躯を入れたら流れてくる……とこっちもふわふわした説明になってしまった二人。
曖はピンと来る様子はなく、なんや楽しそうやねぇ、うらやましいわあ、とにっこりするのでした。
ちなみにテルの方はカラオケは苦手とのことでして、じゃあ違うところにしようかという事に。
ゲームセンターかデパートでも覗いてみるか、と考え込む惟子なのですが、そこにも曖はこんなことを言ってくるのです。
げーむせんたーってけったいな名前やなあ、何するとこなん?
……これはもしかすると曖……いわゆるお嬢様と言うやつなのでしょうか!?
一気に興味がわいてきた惟子、曖に話を聞くことにしたのでした!!

曖によれば、彼女の家は「ちょっと変わっている」とのことで、あまり友達と遊んだりさせてもらえなかったのだそうです。
世間知らずで恥ずかしい、と顔を赤くする彼女ですが……
そんな彼女に、テルと惟子はお誘いをかけてみました。
もし時間があるんでしたら、一緒に私たちと街を回ってみませんか?
そんな誘いを、曖はぺこりと頭を下げ、ほ、ほんならよろしくお願いします、と受け入れてくれたのでした!

参人で街を歩き、ゲームセンターに行ってみたり、嫌がるテルを引っ張ってカラオケボックスに行ったり。
すっかり楽しんだのですが、曖の門限的なものはいつなのかが気になる時間になってきました。
ところが、何時までとかは特にないねんけど……と曖がまたよくわからない答えを返すのです。
と、その時です。
俄かに絹を裂くような悲鳴が響き渡ったのは!!
なんと、件のひったくりが現れたのです!
通りがかりのおばあさんから荷物をひったくったその犯人、まっすぐ走り続け……曲がり角で参人に鉢合わせする形になりました。
こっちに向かってくる、止めなきゃ!
テルはそう考えるのですが……ここで変身してしまえば、曖に自分がヒーローであることがばれてしまいます。
迷ってしまうテルですが、そこでその気持ちを振り払います。
そうじゃない、みんなが危ないんだ、私がやらなきゃ!
そう決心して、転心輪を打ち鳴らそうとするテルなのですが……
そんな彼女を、曖が止めたのです。
さがっとき、近づくとケガするで。
そう言うと、曖は独りひったくりの前に立ちはだかります!!
ひったくりはナイフを取り出し、どけ!と三人を脅してくるのですが……
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曖は手にしていた荷物から木刀を持ち出し、ひったくりと一撃で弾き飛ばしたのです!!
空中に待ったひったくられた荷物はしっかりキャッチ。
ついでにそのままひったくりの上にドンと腰を掛け……
瞬く間ひったくりを捕えてしまうのでした!!

見事な手並ではありましたが、刃物を持った暴漢の前に立ちはだかるなんて危険すぎます。
怪我をしてないかと心配するテルなのですが、曖はテルさんこそ前に出ようとしたやろ、あかんよ、と返してくるのです。
曖は、自分は護身術習ってたからよかったけど……と言うものの、突然の出来事にショックは受けていたようで、めまいがしてきてしまったとのこと。
病院に行った方がいいか、と惟子が尋ねるのですが、語気を強めてあかん!と断る曖。
そして曖、また驚くことを言いだします。
誰から伝わるかわからんから。
さっき旅とか言うたんは嘘。
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ほんまはうち、家出中やねん。




というわけで、意外な出会いが待っていた今巻。
彼女との出会いが、シャイの新たな戦いの幕開けとなる……のでしょうか?
ともかく世間知らず具合、隠し持っている腕っぷし、家出をしていると言う事情……どれをとっても普通ではない曖、今後のお話に密接に絡んでくることは間違いないでしょう!!

そんな新章の幕開けが収録されている今巻ですが、実は今巻の大半が前巻まで繰り広げられていたツィベタとの戦いの決着までのお話となっております。
ツィベタとペペシャ、その運命の戦いはどのような軌跡を描き、どのような結果を迎えるのか!?
激しい戦いと、ドラマチックな展開で目の離せないロシア編の決着も必見ですよ!!

さらに幕間的なエピソードや、巻末のおまけなども用意!
熱血も萌えも読ませるドラマも楽しめる一冊となっているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!