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今回紹介いたしますのはこちら。

「スキップとローファー」第4巻 高松美咲先生 

講談社さんのアフタヌーンKCより刊行です。


さて、いつも明るくポジティブなみつみが、いつの間にかクラスの皆を変えていく本作。
そんな中、みつみが自分でも気がつかないながら気になっている男子、聡介が様々な問題をひそかに抱えていることがわかってきます。
聡介の幼馴染であり、彼の弱みを握っている梨々華も姿を現し、何やらちょっぴり暗雲が立ち込め始め田中、季節は文化祭間近となって行くのでした。



文化祭です。
みつみたちのクラスは、なんとミュージカル!!
しかも演目は、かの大名作「サウンド・オブ・ミュージック」!!
何故ミュージカルをやることになったかと言いますと、文化祭クラス代表である浅野さんが、中学の時にこの高校の文化祭を見て、その本気度やクオリティの高さを見てこの学校に入ろうと思ったんだそうで。
そして、クラス演劇でミュージカルをやるのがずっと夢だったのだそうです。
めんどくさい仕事とかは全部自分でやる、とまで言った浅野さんの熱意を受け、クラスの皆は一致団結!
大変だろうけどきっといい舞台になる、みつみはそう確信するのでした!

……と言う話を聞いた、聡介の昔からの友人。クリス。
いや、イベントごとに対するモチベーション高すぎだろ!と突っ込まずにはいられませんでした。
その点は聡介も同意で、ミュージカルに即決した時は密かに驚いていたようです。
で、クリスが気になるのは聡介がなにをやるか、です。
もしかして、キャスト!?
クリスは大声を張り上げてしまいました。
彼の過去のコトを考えると、演者には本来絶対なりたくはないはず。
断れない空気……と言うわけではなかったのですが、高校で聡介は「お願いされると何でもへらへら引き受けてしまうヤツ」というキャラに思われているのではないか、と思い当たってしまいまして。
クラスの皆の、みんなでやれば恥ずかしくないからやろうぜ!という流れに乗ってしまったのでした。
気にしすぎじゃないか、とクリスが言うように、断ることも十分できたはず。
そんなキャラとか気にしてたらいつか無理が来るんじゃないか、「友達」と言える存在も作れないんじゃないか?
聡介もつかれるし、気を使われている方も一線引かれてるなって気づくぞ。
クリスは聡介にそう忠告するのです。
確かに聡介が内心では断りたがっていたのを気付いた様子のクラスメイトもいました。
ですが正直を言えば、聡介は子役時代のことをいろいろとつつかれても面倒ですので、一線引かれていても構わないとすら考えていまして。
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梨々華にもこれ以上迷惑を掛けたくないし、そう言うのが秘密主義だからとちゃんと友達ができないなら俺はそれでいい。
聡介は表情一つ変えずそう言ってのけるのでした。
……クリスト別れる前に、梨々華に文化祭のことは言うなよ、とだけ付け加えて!

生徒会の一員であるみつみは、生徒会としての仕事を忙しくこなしておりました。
目が回るほどたくさんの仕事を抱えwてしまっているみつみですが、気持ちの方は充実しているようです。
とはいえ生徒会の仕事だけではなく、みんなと一緒にクラスの出し物の方にも尽力したい、とも考えていまして。
浅野さんに、何か手伝えることはないかと尋ねるのです。
すると浅野さん、台本がどうしても少し長くなってしまっているため、どこを削るべきかという会議を明日の朝するから、みつみからも意見を聞かせてくれ、とのこと。
脚本を最後にもう一回見返してみて欲しい、と手渡される本は、いちクラスの劇としてはかなりボリューミーなものでした。
さらに一度通しでやってみた舞台の動画も手渡されます。
これをこれから明日の朝までに読み返し、動画も見るのは大変そう……
浅野さんも、忙しいならいいよと言ってくれたのですが、みつみはわたしも参加したかったから、と明日の朝か昼なら行けると思うとサムズアップ!
そうは言ってはみたものの、昨日も生徒会の仕事を持ち帰って家でも遅くまで仕事をしていたため、さすがのみつみも疲れがたまってきています。
そんな疲れのせいでしょうか、教室で作っている看板に躓いてころんでしまいました。
が、そこで
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タイミングよく聡介が現れてみつみをキャッチ。
突然の接触にドキドキしてしまうみつみですが、すぐにせっかく作っている看板を壊しかけて申し訳ない、と顔を青くします。
赤くなったり青くなったり、そして何よりなんだか目にクマがあるような気もしますし……
聡介はみつみに、疲れているんじゃないか、休んだらどうか、と問いかけるのです。
仕事もらいすぎじゃないかなあ、他の人にフルと化した方がいいんじゃないかなあ、と心配する聡介に、大丈夫大丈夫と空元気を張るみつみ。
楽しくてやってるからいいんだ、頼りにされるのは嬉しいし、こんな大イベントはせっかくだから目一杯やってみたい!
そう言って、みつみはいつものように気を吐くのでした。
……ですがそんなみつみを見て、聡介は子役時代の自分を思い出していました。
クリスにも言われたのですが、昔は誰よりも楽しそうだった、というその頃。
一生懸命演技を頑張った子供時代の聡介。
お母さんの下に戻り、見てた?と尋ねると……
お母さんは笑顔で、すっごく上手だったよ、頑張ったね、とほほ笑んでくれる。
何でこんな場面を思い出すんだ?
聡介は心の中でそう呟くのでした。

翌朝。
みつみはものすごい勢いで教室に滑り込んできました。
昨晩も他の仕事に終われ、たっぷり働いた後動画を見ながらさらに作業していたのですが、あえなく寝落ち……
あげくの果てに遅刻ギリギリになってしまい、話し合いに参加することすらできませんでした。
浅野さんたちは忙しかったならしょうがないと言ってくれたのですが、みつみはやってしまったと後悔しきり。
せめて今からでも、と昼休みなどを使って必死に動画を見るのですが……

夢中で動画を見ている時に、友達に誘われてお昼を食べに向かうことになったみつみ。
ちょうどその逆方向から聡介が歩いてきていたのですが……聡介はその道すがら、浅野さんたちがみつみのことを少し悪く言っていることに気付いてしまいました。
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見ていないなら急いでくることなかったのに、などと言っている浅野さんたち。
そして何も知らないみつみが、その浅野さんたちの方に走って行くのにも気が付き……
その時、聡介はふとなぜあの時、自分の子供の時のことを思い出したのか、突然理解しました。
ちょうどその頃、みつみは浅野さんたちの後ろを通りがかり……
出来ないなら最初から引き受けないでほしい、やる気が空回りしてるよね。
そんな言葉を、呆然と聞いているみつみ……
彼女を見て、聡介は思うのです。
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わかった、なんで思い出したのか。
転びそうで、傷つきそうで。
まだ小さな子供みたいに。




というわけで、頑張り過ぎたあまり空回りしてしまったみつみ。
自分でもやってしまったとは思っていたでしょうが、それを友人たちが陰口で言うところを見てしまうのは精神的にくるものがあるはず。
いつも元気でポジティブなみつみですが、ここにきて初めて挫折の様なものを味わってしまうのでしょうか……?
ここでカギを握るのはやはり聡介でしょう。
みつみの現在の状況に気が付いている聡介がどういう行動に出るか……
それによって、みつみの立ち直るまでの時間が変わってきそうです!!

そして物語はいよいよ文化祭本番へ!!
一大イベントである文化祭、当然当たり前に終わるはずがありません。
クラスの発表はもちろんのこと、聡介がどうしても心に引っかかってしまう演劇部の発表や、いくら秘密にしていてもどこからか嗅ぎつけてやってきそうな梨々華、そして……
様々な不安が見え隠れする文化祭ですが、大変そうだと言うのはみつみも十分わかっていること!
きっと乗り越えられる、と信じたいのですが……!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!