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今回紹介いたしますのはこちら。

「GANTZ:E」第1巻 原作・奥浩哉先生 作画・花月仁先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


花月先生は奥先生のアシスタントを経て、14年に別冊漫画ゴラクにて「ささひと」で連載デビューした漫画家さんです。
その後17年にeヤンマガで「ゼウスの手」を連載、そして20年よりヤングジャンプで本作を月一連載と、様々な雑誌で活躍をされております。

そんな花月先生が師匠である奥先生とタッグを組んで描くのは、久しぶりとなる「GANTZ」スピンp付シリーズの新作です。
小説での発表となった「GANTZ:MINUS」「GANTZ:EXA」、女性主人公が活躍する「GANTZ:G」といったスピンオフが今まで発表されてきましたが、「E」が付く本作はどんな舞台なのかといいますと……?




とある田舎の農村。
その村に暮らす半兵衛は、母親からそろそろ嫁を貰う頃ではないか、と尋ねられていました。
片田舎の農民としては目を見張るほどのがっしりとした長身の半兵衛、母親に当てはある、と答えるのです。

半兵衛は村の中で、献花する二人の少年を仲裁しようとしていた一人の女性に声をかけました。
お春、ちょいとええか?
そう半兵衛が声をかけますと、急に何だい、気色悪い、とお春は半兵衛のもとにやってきます。
半兵衛はお春を床に座らせると、ぽつぽつと話し始めます。
俺もお前も十七じゃ、お前俺の事なんでも判るよな?
上背あるやつ好きじゃろ?
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俺と夫婦さなってくれ。
……突然の告白に、驚いた様子のお春。
半兵衛の顔を見て、それが冗談ではないことを察すると……
彼女は頬を染めながら顔を背け……そして、言うのです。
おら、想い人さおる、と。
……遠回しに袖にされたことに気が付く半兵衛。
内心ではさぞや驚いたか、落胆したか。
ですがそれをおくびにも出さず、そっか、そげな奴おったか、と笑いだしました。
だからと言って、素直に彼女への思いを断ち切れるわけではないようで。
どこのどいつじゃ、と尋ねてみますと……お春は少し間を開けて、答えます。
となりの村の、政吉。
話を聞けば、その政吉は半兵衛よりも背が高く、何を考えているかよくわからない男だ、とのこと。
お春は政吉と話したこともないのですが、昼も夜も彼のことを考えてしまっているというのです。
半兵衛は、とりあえずその思いがまだお春の一方通行に過ぎないことを知ると少し安心したようですが、政吉が喧嘩で十人をのしたことがある、ということを聞くとまた焦燥感が募ってきました。
半兵衛も腕っぷしには自信があるようで、それが彼のアイデンティティになっているようで。
突然お春に、将軍様を見たことがあるか、いつか将軍にあって、相撲を取ってみたい、などと言い出すのです。
それはおそらく、強さの象徴ともいえる将軍と相撲を取って、勝てば自分がこの国で一番強いことがわかる、というような考えからきた言葉なのでしょう。
そんなことを言えるほど自分は強いんだ、というお春へのアピールでもあるのかもしれません。
ですがお春は全くそのあたりにピンとくることはなく、相変わらず変なことばかり言う、とあきれ顔をするばかりなのでした。

一晩立っても、半兵衛の心のもやもやは晴れませんでした。
午前の野良仕事を終えると、昼を済ませて村を出ていく半兵衛。
目指すのは……そう、隣村です。
隣村で村人を見つけると、政吉を知ってるか、家はどこか、と尋ねます。
隣村でも有名な美形であるらしい政吉、尋ねた村人もすぐに思い当たり、彼の家を教えてくれました。
早速尋ねるのですが、政吉本人は留守。
近くの田んぼで作業をしている男に、政吉はどこに行っているのかを聞いてみますと、そこの山に行った、と教えてくれました。
半兵衛が山に分け入っていくと……竹林の中に、その男はいました。
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農民であるはずの政吉は、腰に刀を帯びています。
そして、次々に並び立つ竹を切り落としていくではありませんか!
その刀さばきは、とても農民のそれとは思えません。
思わず目を奪われてしまった半兵衛。
政吉もそんな半兵衛に気付いたようですが……特に何の声も上げず、一瞥しただけでその場を離れて行こうとします。
半兵衛も何も言わず……政吉の後をついて行きました。
やがてぽつぽつと雨が降り始め、気付けば土砂降りの大雨になっています。
それでも何も言わずついてくる半兵衛に業を煮やしたのでしょうか、政吉はとうとうふりかえり、なんじゃお前、と尋ねてきました。
半兵衛はと言いますと、なぜかそこで、百姓が刀なんぞ差して、とこのタイミングで言うべきことではないようなセリフを言うのです。
まともに相手するべき相手ではないと考えたのでしょう。政吉は無視を決め込んで歩き始めるのですが、一度会話をしたことで班弁の中できっかけが生まれたようです。
侍のまねごとか?
のう、俺と相撲さとらんか!?
俺とおまえ。どっちもどっちの大男じゃ。
どっちが強いか一丁勝負しねえか?
そう話しかける間も、政吉は振り返らず小走りで先に進んでいます。
半兵衛は実力行使とばかりに全力で追いかけ、政吉に向かって手を伸ばすのですが……
政吉は振り向きざまに、刀の鞘で半兵衛の腹を一突きしたのです!!
普通の輩ならばこの一撃で悶絶していたところでしょう。
ですが半兵衛も腕に覚えがあるだけに、その一撃をこらえ、政吉の襟をつかみます!!
振り払おうとする政吉ですが、半兵衛はそのまま政吉喉運手を回して持ち上げ、さばおりのように締めあげようとしました。
政吉は何とかそれを振り払って地面に降りると、班弁の顔面を拳で殴りつけて……
殴り合い、取っ組み合いの大げんかとなった二人の戦い。
ですがその戦いは思いもよらない形で終わることになります。
誰かあ!おきぬが、おきぬが!!
近くで遊んでいたらしい子供たちが助けを求める声をあげました。
どうやらこの俄かに降り出した大雨で増水した川に、子供たちの一人が落ちてしまったようなのです。
川の流れは急で、子供はもちろんのこと、大人でも到底まともに泳げるとは思えません。
だと言うのに、政吉は一瞬も迷うことなく、濁流へと飛び込むではありませんか!!
流れが速すぎる、とそれを止めようとする半兵衛なのですが、政吉が飛び込んだのを見ると、すぐさま自分も後を追って飛び込んでいきました!
ですがやはり流れは急で、政吉も半兵衛もまともに泳ぐことはできません。
それでも力を振り絞り、子供を捕まえて持ち上げる政吉!
半兵衛はそれをとっさに受け取り、
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全力でもって放り投げ、岸へと上げたのでした!!
二人の決死の行動で、こどもは助かりました。
ですがその行動はやはり「決死」そのものとなってしまい……
力を使い果たした二人は、そのまま濁流に呑み込まれ、意識を失ってしまうのです……


こうして二人は死にました。
……そのはずだったのですが……気付けば二人は、びしょ濡れのまま見慣れない寺社の中にいました。
その寺の中には、何人かのやくざものやサムライらしき者達、子供たちまで、見知らぬ人々が十数人立っています。
そして、
その部屋の中央には
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得体のしれない、黒い球が置いてあるのです……!!



というわけで、まさかの江戸時代を舞台にした「GANTZ」となる本作。
連載開始当初はタイトルが伏せられて始まったため、奥先生原作の漫画で、時代劇ってどんなものなんだろう……と読み進めて行くと、1話の最後で「GANTZ」だった!となる仕掛けになっていたのですが、流石に単行本にまとめる時にはその手法は使えません。
その為リアルタイムに読んでいた方のサプライズ感は薄れてしまっているのですが、それでも江戸時代でのGANTZ、というだけでインパクトは十分!
GANTZらしい幕開けとなった本作ですが、この後GANTZらしく最初の戦いに投じられることとなります。
本編を知っている皆さんからすると、やはり気になるのは江戸時代においてルールどうなるか、でしょう。
ラジオ体操の曲が買っていたところはどうなるのか、舐め切った口調だった指令之くy長はどうなるのか、武器はどうなるのか、戦う星人は何で、そもそも「星人」なのか?
この後、ヒロインとなりそうなキャラクターが登場しつつ、早速戦いは開幕!!
いつだれが死んでもおかしくない、「GANTZ」の醍醐味はそのままの物語が繰り広げられるのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!