今回紹介いたしますのはこちら。
「チェンソーマン」第8巻 藤本タツキ先生
集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。
さて、デンジを狙って各国の刺客たちが続々と姿を現してきた本作。
他人に変身できるアメリカの三兄弟、人を人形化して操るドイツのサンタクロース、殴り合い最強の中国のクァンシ、呪いの悪魔を操るロシアのトーリカとその師匠……
デンジ達は護衛とともに刺客たちを迎え撃つのですが……!?
デンジ達と各国の刺客たちが入り混じって戦う大混戦。
誰がデンジを手にするのか一向に読めない戦いになって……いたのですが、突如としてその戦いは異様な展開を迎えることとなります。
正体を現した、トーリカの師匠。
彼女は密かにつながりのあった人物とともに、トーリカすらも利用してとんでもないことをしでかしたのです。
クァンシとその女達、トーリカ、そしてデンジと護衛達。
そんな人物が一つのデパートに集まって戦っている間に、彼女は「地獄の悪魔」と契約してこんなことを願ったのです!
このデパートにいるすべての生物を地獄へ導いて下さい。
デンジ達デパートの中にいるものからすると、突然周囲が何一つ見通せないほどの闇に包まれた、陽に見えました。
ですが、岸辺や吉田たち、デパートの外にいた者達は、にわかには理解しがたい光景を見ていたのです。
そのデパートに迫る、巨大な手。
そしてその手が握られたかと思うと……デパートの中にいた者達は、全く別の場所にいたのです!!
それは小さな花も咲く野原でした。
ですがあまりに異様なのは、
まったく状況が理解できないアキですが、とりあえずそばにいたデンジ……が死んでいたので、チェンソーをふかして蘇らせました。
デンジは息を吹き返すものの、どうやら血液が足りないようで頭からほんの少しチェーンソーが出るだけで変身ができません。
デンジがそばにいて、目の前には今まで戦っていたクァンシがいる。
アキはすぐにクァンシに向かって権を構えるのですが……
流石のクァンシもこのまま戦おうとは思わないようです。
一時休戦だ、魔人たちの様子がおかしい。
アキやクァンシたちにとっては、全く見覚えのないこの場所。
ですが……クァンシの女達も、暴力の魔人も、天使の悪魔も。
皆ここに来た瞬間から、強烈な恐怖や悪寒を現しています。
彼らはこの場所に、この匂いに覚えがあるのです。
……ここは、地獄。
何かの悪魔の力で、地獄に落とされたんだ。
天使の悪魔がそう呟くと、クァンシの女達もうなされるように言いだします。
クァンシさま、頭オカシクなりそうです。
ずっと見られています、ワタシ達、ヤバい悪魔に見られています。
ここからずっと先に、銃の悪魔なんかよりずっとずっとヤバい、根源的恐怖の名前を持つ悪魔たちが私達を見ています。
彼らは超越者です、一度も死を経験していない悪魔たち。
私達は、彼らに敵意を向けられた瞬間死にます。
クァンシ様……自殺の許可を……!
悪魔は地獄で死ぬと地上に転生し、地上で死ぬと地獄に落ちる。
そのサイクルを一度も経験していない、「根源的恐怖」の「超越者」……
銃の悪魔「なんか」よりもやばいと言う彼らは、地上にいる銃の悪魔が少なくとも一度は地獄で殺されていると言うことを考えると……数秒上陸しただけでその土地の人間を万単位で殺す力のある銃の悪魔以上の強さを持っている、という事なのでしょうか……!
クァンシは女たちを落ち着かせようとするのですが、すぐに女達は涙を流しながら叫ぶのです。
あ!
ああー!
終わっちゃった!
終わった!終わった!
来た!来ちゃった!
闇の悪魔……
……空を覆う扉の一つが開き、そして何か黒い液体がひと塊、べちゃりと落下しました。
そしてその何かは、人の形に変化します。
アキやクァンシ、護衛達は戦うために構えるのですが……パワーを含めた魔人たちは何もできないほど怯えています。
……これは、幻なのでしょうか。
緊張感などと言う言葉では表せないほどのプレッシャーが襲う中……
ゲコ、と蛙が一鳴きすると
その場にいた者たち全員の両腕が音もなく切り取られ、宙に舞ったのです……!!!あまりの出来事に唖然とするほかない一同。
そんな中で冷静さを保っていたのは、師匠にあることを施されていたトーリカだけです。
トーリカは両腕を失いながらも闇の悪魔に跪き、話しかけ始めます。
契約通りチェンソーの心臓を持ってきました。
私にどうか……
マキマを殺せる力をください。…………これが……トーリカの師匠の本当の、目的……!?
闇の悪魔は、その力を与えるのでしょうか。
そして超越者たる闇の悪魔の力を得た資格を前に、マキマはどう出るのでしょうか。
……両腕を断たれ、地獄に落とされてしまい、その上目の前には闇の悪魔がたたずむデンジ達は、この場から生きて出ることができるのでしょうか……
というわけで、今巻もまたまたとんでもない事態となってしまう本作!
様々な勢力が争い合うめちゃくちゃなシリーズかと思われた本作だったのですが、まさかここでそれ以上のちょうめちゃくちゃな展開になるとは、誰一人予想できなかったことでしょう!!
突然地獄に落とされただけでなく、突然目の前に当初の最終ボスと思われていた銃の悪魔以上の力を持つ超越者が現れてしまう……
そればかりか、その超越者の力を使ってマキマを狙う……
まさしく予想外の展開としか言いようのないこの状況、果たしてどんな結末を迎えるのでしょうか!?
両腕を失ってしまった地獄行きメンバー、両腕を奪われただけで闇の悪魔が見逃してくれるとは思えません。
だからと言って、魔人たちが戦わずして死を選ぶような相手に太刀打ちできるとは思えません。
やはりここでカギを握るのは、ここでも特別な存在として扱われているデンジ……なのでしょうか。
それとも、また別の存在なのでしょうか!?
この後、地獄での戦いはまたまたとんでもない展開に!!
そしてそのとんでもない展開のまま、刺客編の完結までなだれ込むのです!!!
単行本の終わりでキリのいいところまで描かれることの多い今巻ですが、この第8巻もそうなりました。
そして……第9巻もそうなりそうです。
ド級の展開が連続し、圧巻としか言いようのない驚きを与えてくれたこの第8巻、第9巻ではさらにさらにとんでもない展開が待っているようです……!!
連載が続くにつれ衝撃は増していき、そのあまりの衝撃のために完結までもそう遠くはなさそうに感じてしまう本作ですが……
とにかくこの第8巻の衝撃、その目でご確認ください!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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