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今回紹介いたしますのはこちら。

「上野さんは不器用」第8巻 tugeneko先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。


さて、上野さんの人類の限界を超えている気がする発明アイテムを使って、なんやらわちゃわ茶する日常を描いていく本作。
そのわちゃわちゃのほとんどは上野さんから田中へのわかりにくーいアプローチなのですが、超がついても足りないくらいの鈍感で、性欲的なものがほとんど感じられない田中はうんともすんとも言わないのです……!



教室への扉は鍵を閉めてしっかりロック。
窓の鍵も閉めて部屋は密室状態です。
上野さん、田中、山下さん、そして珍しく西原さんと言う面子で、施錠をしっかり指さし確認し、今度は天井から伸びた潜水服のヘルメットの様なものを装着。
ヘルメットの装着もしっかり確認すると、いよいよ新発明の実験です!
今回の発明品は、天井にくっついているさかさまの三角コーンの様な物体、「アケラコーン」。
人畜無害の謎分子を空気中にまくことにより、空間の「粘性」をコントロールできる、という代物です。
今一つピンと来ない発明ですが、その説明は後々してくれるとのこと。
とりあえず今は、装着しているヘルメットを絶対に外さない、ということの念押しだけにしまして、装置を起動させます。
……見た感じ何も変わりませんが……もうすでに装置は作動しています。
動こうとしますと、なぜか抵抗があって思うように手足が動かないのです。
まるで水の中にいるかのように……!
これこそがアケラコーンの機能!
空気の粘土をあげることで地上でも水中運動同然の効果が得られる、というわけなのです!
もちろんこれを依頼したのは西原さん。
メチャ負荷フォー!!と喜びの雄たけびをあげ、一心不乱にダンベル運動をしていることからもその満足度がうかがい知れると言うもの。
ちなみにこのヘルメットは、粘度の上がった空気で溺れてしまうのを防ぐためということで、ほんとに潜水服のヘルメットと同じ役割。
今回は試作段階なので有線の大型ヘルメットですが、いずれは無線小型化を実現させるとのこと。
ついでにこの空気の粘度レベル、最大まで上げるとほぼ動けなくなってしまうほど抵抗が強くなる、らしいのですが……まあそこまで上げることは基本的にないからよし……と言いかけたその時でした。
西原さんが、もうちょっと負荷のやつ上げよう!とスイッチを……押しっぱなしにして、瞬く間にパワーマックスにしてしまったのは!!
上野さんが止めようとしたときにはすでに手遅れ。
一応西原さんも考えなしにマックスにしたわけではなく、ボタンを押して粘度が強くなったため、ボタンを押した指が離れずマックスになってしまったとのこと。
ほとんど動けない、と入ってもじわじわなら動けますから、パワーアップボタンから指を離して、パワーダウンボタンを押せば大丈夫なはず。
早速西原さんはそれを試みようとするものの、この「粘度」と言うのが厄介でして。
動かないから、と力を思いきり込めてしまうと思ったよりも動いてしまうため、最終的にこの辺りまで動かす!ということを意識して動かないと、予想外の動きをしてしまうことになるのです。
結果、西原さんは操作リモコンを頬り投げてしまう形になりました。
ゆっくりと跳んでいくリモコンを、ゆっく例と追いかける西原さん。
田中も何とか力を振り絞ってリモコンを拾いに行くのですが……
卵をつかむくらい優しくつかむつもりで行け、と上野さんにアドバイスされたものの、いきなりそううまく動けるはずもなく。
下から掬うように手を持っていった田中ですが、その指先でリモコンをトスしてしまい、明後日の方向に飛んでいってしまうのです。
再ワシリモコンが飛んでいった方向は山下さんがいる方。
そっちにいくからうまいこと拾ってくれ、と上野さんが声をかけるものの……
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山下さんはその年度の前にすべてを、立つことすらも諦め、ゆっくりと地面に倒れようとしている所でした……
仕方なく上野さんがリモコンの下に向かうのですが、そこで西原さんのけたたましい声が響くのです!!
上野ちゃーん!
このまま行くと、
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田中に乳揉まれる!!
西原さんがリモコンを拾おうとしてゆっくり倒れこんでいく先に、リモコンを拾おうとしていた田中の手が……!!
田中も手を下ろそうとするものの間に合わず、その手はしっかり(?)西原さんのお胸を収めてしまいました!!
揉んどるー!しかもまだ揉み始めだから、ここからさらに揉まれるぞー!!
謎にテンションの高い西原さんですが、そのテンションのあまりさらにとんでもないことを口走ります。
上野ちゃんすまん、田中に乳揉ませてしまって。
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上野ちゃんの乳を差し置いて私の乳を勝手に揉ませてしまってすまーん!!
しかし誤解しないでほしい、これは不可抗力であって、田中がこの獅子腹の右乳を揉むために偶然を装い手を出したのではない!
それだけは信じて欲しい!
田中も釈明しろ、偶然手元にある乳を揉んでいるだけだと、本心でなくともいうんだ!!
謂れなき咎を押し付けられそうになってしまう田中、なんで僕が嘘ついてるみたいな感じ影うんですか!?と流石にちょっぴり慌てます。
不可抗力なのは間違いありませんし、上野さんも一連の流れを見ていたのでわかっているのですが……
それでも西原さんは言うのです。
ほら田中もお礼を言え、ありがとう上野ちゃん!
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人の乳揉みながら言い訳してる男の話を信じてくれてありがとう!!


というわけで、今回もただただドタバタするだけで、上野さんと田中の間に進展のない今巻。
その他のお話も相変わらずドタバタ続きです!
邪心をもって着脱させようとすると動かすことのできないおパンティ「ボーダーランジェ」。
人間を猫化(見た目以外)する「ネコセボーン」。
夢の中を見られるばかりか、その夢に介入できる「ダースーヌム」……
どれも上野さんが田中の気を引くため(?)に発明品を作り、結局どうにもならないアレコレが収録されているのです!
この他にも様々なお話が収録されているのですが、今巻は今までにないタイプのお話も収録されています。
田中どころか上野さんすら登場せず、あろうことか田中以外の男子生徒が3名も登場するめちゃくちゃイレギュラーなお話「体育館裏にて」や、まさかの田中の妹の一人みずなのノーパン主義を裁判で改めさせようとする「インナーライザー」、各部活の部長ズが3名ほど集まってダンスの授業の対策をする「エアダンサーティーン」などなど、いつもと違った味わいのお話が繰り広げられるのです!!

部長ズの可愛さもさることながら、今巻もやっぱり上野さんの空回りぶりは安心のクオリティ。
山下さんのセリフが年々減っているような気もしますが、それはそれでキャラがより立ってきたと言えるでしょう!!
欲望ゼロにもほどがある田中が上野さんの気持ちに気付く日は来るのか?来ないのか?
そんなことより今巻も科学部のあれこれを楽しみましょう!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!