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今回紹介いたしますのはこちら。

「ガンニバル」第7巻 二宮正明先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


さて、いよいよ後藤家に警察隊とともに乗り込んでいくことになった大悟。
子供をさらい、食らうという許されてはならない鬼畜の所業を止めることはできるのでしょうか……?



祭を前にして、後藤家一族郎党が一堂に会していた後藤家本家。
そこに重装備の警察隊が押しかけました。
警察にいい印象を持っていない、どころか、敵としてしか見ていない後藤家は、猟銃を携えて彼らを迎えます!
まさに一触即発といった状況ですが、ここまで来たからには警察側ももう引く気はありません!
まず、後藤家の猟銃をすべて提出させます。
意外にも警察の要求通り、後藤家は申請している猟銃42丁、すべてをあっさり提出してきました。
面倒なことになるかもしれない、と覚悟を決めていた警察ですが、後藤家はおかみの言うことには従わなければならない、と心にもないことを言うのです。
そのあとに、
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その気になれば奪い返すことは簡単だ、と不気味な自信にあふれた言葉をつけ足して。
やっぱり怖いわアンタら、と警察は言うのですが、それでもなお引きません!
他に隠し持っている銃はないか探せ、本家の周りに固まる後藤一族の家全部だ!
徹底的に調べあげろ!!

後藤一族の目が光る中、警察隊は丹念に家々を調べていきます。
変化が起きたのは、全23世帯中14世帯目の事でした。
この家にも何もなかった、という部下の言葉を受けた金丸が、ある一部の床を踏みながら、この下も調べたか、と言い出したのです。
この床だけ踏み込んだ感じが他と違うし、よく見ると切れ目の様なものがある。
そう言った瞬間です。
やめろ。
誰かはわかりませんが……後藤家の中の誰かからそんな声が聞こえてきました。
何をだ、と金丸が尋ね返しても、答えるものはもちろんいません。
答えなければ調べるだけ。
何が隠されてるか確かめないとなぁ。
なんだこれは、どうするんだ、どうやって開けるんだ?
技と苛立たせるような口調で、床板をガリガリとひっかく金丸。
すると……
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後藤家の一人が、こうだ、と自ら開けて見せたではありませんか!
自分で直接確かめてみろ。
後藤家の一人のその言葉を聞いて……金丸はにやりと笑い、中に入っていったのです。

……金丸が地下室に消えて行く間に、後藤家の面々は疑いの目を恵介に向け始めました。
警察の連中が大挙して押し寄せてきているにもかかわらず、妙に落ち着き払っている恵介。
よりによって今日と言うタイミングで警察が押し寄せてくる。
これはつまり、内部に警察を手引きしているものがいるのではないか?
そしてそれは……恵介ではないのか?
そんな疑いが沸き上がって来たわけです。
ですが恵介はそんな状況においても冷静なまま。
落ち着き払ったままこう言いました。
アホが、焦って何になる。
今後藤家には
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隠すものなんて無いだろうが。
……金丸の入った地下室はもぬけの殻。
何もない地下室ですが……それならば何のために隠したのでしょうか。
後藤家の男は、これは昔教育のために使っていた「折檻部屋」で、後藤家の恥部だったから隠したんだ、と説明します。
昔使っていたにしては、微かに糞尿の臭いがするのは気のせいか……と漏らす金丸ですが、意外にも空振りに終わった悔しさの様なものは見せません。
そのまま金丸は、何もないわ、次に行こう、と部下たちに声をかけるのです。
……その態度を見て、男は違和感を感じました。
子供がここにいると踏んできたんじゃあないのか。
だとしたら本当の狙いは何なのか?
確信もなく今踏み込んで、警戒心を高めてもいいことはないはず。
……いや、それ自体が、警戒を集めることが目的だとすれば……!!
男はとうとう気が付きました。
阿川はどこだ。
そう尋ねた時には……

大悟は署長と二人で後藤家のひとり、さぶの家に来ていました。
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子供たちは警察が踏み込む前にあの地下からうつされて監禁されている。
その監禁されている家は、さぶの家だ。
そんな……恵介の情報をもとに!!




というわけで、後藤家と警察の全面対決が始まってしまう今巻。
後藤家が深く深く根を張っていた供花村の暗部に、とうとう大悟と警察たちが踏み込むことになりました。
全面対決になれば当然警察が有利……と言いたいところですが、相手はあの後藤家。
武装面では警察に引けを取らないどころか、下手をすれば警察以上の武器を備えているでしょう。
それよりなにより恐ろしいのは、その狂暴性。
何かスイッチが入れば、何をしでかすか全くわからない……
そんなところが、後藤家最大の恐ろしさなのかもしれません。
大悟が子供を見つければ、後藤家は言い逃れができなくなるでしょう。
そしてそうなれば、後藤家の箍は外れてしまい……!!
物語はクライマックスへ突入。
後藤家と警察の激突は、穏やかに済むことはあり得ません。
大悟は己の正義を貫き通すことができるのか。
恵介もまた自分の信じる道を貫けるのか。
警察は供花村の闇を一掃できるのか。
追い込まれた後藤家はどうするのか。
そして……「あの人」は。
祭りはまだ、始まってすらいないのです……!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!