ab0
今回紹介いたしますのはこちら。

「AGRAVITY BOYS(アグラビティ ボーイズ)」第2巻 中村充志先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、第2の地球を求めて宇宙に飛び立った4人組、通称アグラビティボーイズ。
20年かけるはずの冒険が数日で終わり、目的の星であるα・ジャンブローについてしまったのですが、同時に地球人類も終わってしまっていました。
4人は最後の人類の生き残りとして、あーでもないこーでもないと奮闘しながら何やかんや楽しく過ごしていくのでした!




もうすぐ「船」が来る。
ゲラルトは突然そんなことを言いだしました。
あまりに突然だったため、その時いっしょに暇つぶしをしていたサガとババはきょとんとしてしまいます。
とりあえず詳しく聞いてみますと、1時間後くらいにこの星に宇宙船がやってくるとのことで、その宇宙船はおそらく地球のものだ、というではありませんか。
マジで!?とものすごい勢いで驚くサガとババですが、ゲラルトは至って冷静。
最初にアンテナを設置した日にもう反応があったために心の準備がとっくに完了していたようなのです。
今まで話していなかったのは、ぬか喜びをさせないため、ある程度確信が持てるようになるまで黙っていようと決めていたからなのですが……
4人はこの少し前に立て続けにちょっとした(?)トラブルに巻き込まれておりまして、そのせいで教えるタイミングがなかったとのこと。
そう言われると確かにその通りなのですが……問題はそこではありません。
地球からの宇宙船ならば、もう着くと言うのがそもそもおかしいのです!
4人がこの星に来た時は偶然に偶然が重なり、数日で到着してしまったのですが……実際にはコールドスリープを使用しながらの20年の長旅の予定でした。
そう、仮に他の宇宙船がこの星を目指しても、辿り着くのは20年後の筈なのです。
その疑問に対して、ゲラルトはまたあっさり返答。
俺たちが地球を出発してからもう20年たってる、と!!
ここでの生活の日々を加えても1カ月ほどしか経っておりませんが……4人が呑み込まれたブラックホールの超重力の作用で時間の流れが遅くなり、結局20年近くたってしまっていた、という事らしいです。
そしてそれを説明した後、ゲラルトは切り出しました。
それらは些末なことにすぎない。
重要なのは、新しい船と接触する言う事。
そしてそこには、新たな乗組員がいる……!!
そう、「女子」がいる……!!!!

気が付けば四人は舵手で船の着陸予想箇所へと向かいました。
クリスにも連絡を入れましたが、彼は今ちょっと用足し中。
クリスの到着を待つわけもない三人、クリスはあとで合流するから大丈夫とダッシュ!
その最中に3人ははしゃぎまくりです!!
どんな女の子がいいか、おっぱいがとても大きい女の子がいい、パイロットスーツがぱんっぱんでぴっちぴちの女の子がいい!などと、欲望むき出しのままダッシュを続けました!
ほどなく宇宙船の下に到着……したのですが、三人の心の準備ができる前に、中から一人の人影が現れます!!
出てきたのは……
ab1
遂に俺は成し遂げたぜ、人類初のα・ジャンブロー到達の偉業を成し遂げたんだ!!と高笑いするグリスロウ・クラコフスキーと言う「男」だとのです!!
3人のテンションはあからさまにダウン……
グリスロウと目が合うと、物凄く小さな会釈をするにとどまるのでした……
人類初の筈が先客がいるうえ、おまけに遠く離れた星で地球人同士が再会と言う劇的であるはずのシーンにもかかわらず、テンションがひどく低い三人に戸惑いまくるグリスロウ!
「人類初の偉業を成し遂げた」ってやつは俺らもやったよ、と笑う三人、次の人行こう!と戸惑うグリスロウをスルーしちゃうのです!!
そして今度姿を現したのは……三名。
興奮しまくるサガたちなのですが……
ab2
やっぱりみんな男でした。
テンションは再びすとんと落ちまして、うぃーす、と軽い挨拶をするだけ……
片道20年かけた地球外惑星で最初の出会いのテンションがこれ!?とグリスロウは突っ込むのですが、サガたちは依然低いテンションのまま。
ちゃんと感動してるから大丈夫、とてきとーに返事を済ましてしまうのでした。
と、そこでだしぬけにグリスロウが叫びました。
思いだした、てめえら、「アグラビティボーイズ」だ!!
なんだかんだ優秀ではあったサガたち四人、自由連合の中でも最強のエリート集団だと噂されておりまして、その名は地球中に知れ渡っていた様子!
その為敵視するものも少なくありませんで、グリスロウもアグラビティボーイズのことは目障りに思っていたのです……!
そんなことは知らないサガたちの視線が注がれるのは、宇宙船から出てくる最後の人影でした。
うっすらと見えるそのシルエット、今までの4人とは違って見るからに女性的!!
三人はすかさずその人影に、ナンパめいた言葉を口走りながら駆け寄るのです!!
はじめまして、と丁寧な口調で出迎えてくれたその人影は
ab3
リータさん。
女性……タイプのアンドロイドT-50型の、リータさんでした……
またもテンションが急落する三人、その様子をみて戸惑うリータは、気分を害されたら申し訳ないですと謝り始めるのですが、勿論彼女は悪くありません。
当然3人はリータを責めることはしませんでした。
が、女子がいるって言いだしたのはゲラルトだろう、いやその可能性を提示しただけでお前らも浮かれてただろう、などと言い争いを始めてしまい……
その騒動を見て、グリスロウは全てを悟ってしまうのです。
グリスロウは大爆笑しながら、お前たち、女がいると思ってたわけだ!残念でした!!と完全に馬鹿にしてきやがりまして……!!
図星を突かれたサガたちは、カタカタ震えながら、ぜんぜん思ってねーし、俺たち女なんて別に何とも思ってねーし、今は仕事が大変で恋愛とか全然興味ないし!と赤らわまに強がりだとわかる良いわけを並べることしかできません……
そこで今度はにやりと笑うグリスロウ。
あのアグラビティボーイズが女恋しさに不抜けてやがる。
これなら特に警戒せずとも、出遅れたα・ジャンブローの掌握を達成できる、とほくそ笑むのです……が!!
そこにクリスがやってきました。
遅れてごめん、とにこやかにやって来たクリスを見て……今度はグリスロウが固まります。
ab4
え?女子おるやん、え?
いや、えっ、かわ、えっ、え??
固まり続けるグリスロウに、クリスはあの素敵な笑顔で語りかけました。
クリス・アーウィットです、よろしくね!
……トクン、と高鳴るグリスロウ。
見つけたよ、運命……
…………こうして、また一人の男がα・ジャンブローの魔力(?)によって、ポンコツ化していくのでした……




と言うわけで、新キャラクターが一挙に登場する今巻。
レギュラーメンバーの4人だけではお話の広がりに限界があるだけに、ここでのライバル的キャラの登場はお話のバリエーションを一気に広げてくれるはず!
この初登場のお話ではグリスロウのアレっぷりばかりがクローズアップされておりますが、他のメンバーもそれぞれ違った魅力や面白さを持っております!
その様子もこの後描かれていきますのでお楽しみに……!

そして今まで事実上のレギュラーであり、お話を作っていた張本人と言える高次存在の人は今巻も活躍してくれるわけですが、こんな面白い新キャラを見逃すはずがありません!!
今までの高次存在に弄ばれるサガたちという構図に、グリスロウ達も強制的に混ぜこまれ、ドタバタとバカバカしさは一層アップ!!
今巻では登場そうそう、高次存在の差し金で、サガたちVSグリスロウたちの対抗戦が行われることになっちゃいます!!
勿論そこはいい性格をしてらっしゃる高次存在さん、まともな勝負であるはずがなく……
一体どんな戦いなのか?
その勝敗は?
本作とは思えない(失礼!)しっかりと納得できる理由あってのドラマチックなラストも待っている対抗戦編も見逃せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!