gg0
今回紹介いたしますのはこちら。

「ゴールデンゴールド」第7巻 堀尾省太先生 

講談社さんのモーニングKCより刊行です。


さて、突如としてカネノカミとヒトノカミとの3体に分裂したフクノカミ。
3体総出で寧島の発展を加速させていく……かと思いきや、なんとカネノカミとヒトノカミが対立を始めます。
寧島内での意見の違う者達の対立、さらに寧島にはフクを見ることのできる草田の存在と、発展していく一方に見えた寧島の背景には奇妙な歪みが見え始めて……!?



琉花が見たことがないほどにぎわっている商店街。
夜になっても一軒もシャッターが下りず、道は地元の人や観光客でごった返している……
琉花はそんな光景を見て、これが形になったばーちゃんの夢化、と何とも言えない感情を抱くのです。
が、そんな感傷に浸っている場合ではなくなってしまいました。
クラスメイトが琉花に気がついて話しかけてきたのですが、一緒にいたクラスメイトのご両親は、ばーちゃんが凄いやり手だ、とそちらの方に話題を振ってくるのです。
それも何と答えていいかわからず、何となく答えていた琉花なのですが、そうこうしている間に近くのお店のおばちゃんも琉花に気付いて声をかけてくるのです。
ちょっとそこの社長令嬢、サービスするから新メニュー味見してって。
gg1
……今までにないほどもてはやされて気恥ずかしくなる琉花、逃げるようにその場を去るのでした。

そんなにぎわう商店街の仲の一軒の飲み屋に、黒蓮がいました。
依然は女性一人で飲み屋に来ていると言うことで、過疎の進みつつあった寧島では特に人目についていづらさを感じることもあった黒蓮。
ですが今やこの飲み屋もお客さんがたくさん入っておりまして、女性の一人飲みだからと言って特別注目されることも亡くなっていたのです。
気軽に外食できる現状、寧島に来たばかりのことを考えると大分居心地が良くなっているわけですが……
様々な事情を知る黒蓮は、複雑な感情を抱かずにはいられないのでした。

いい気分で酔いが回った黒蓮。
酔い覚ましがてら遠回りをしまして、開業間近の寧モールの前にやってきました。
今まで建物を覆っていた幕も取れて、いよいよ開業ムードが高まって来るモール。
周りの民家と比べるとその大きさはより強調される様で、このモールの影響力を嫌でも感じさせます。
これだけ大きな建物を建てたとなれば、この辺りで問題になっていた空き家のほとんどを片付けることができたでしょう。
経済面以外にもそれだけの影響があれば、それは行政も寧強会と連携するのもうなずけるところです。
ですがこれだけ大きな建物ですから、潰したのは空き家だけではないはず。
そこの反発もあるのではないか……などと考えながら寧モールを眺めていた黒蓮なのですが、そんな彼女の耳に奇妙な物音が聞こえてきました。
音の方を見ますと、なんと
gg2
カネノカミが、ヒトノカミを金属のポールで殴りつけているではありませんか!!
あまりの衝撃に、モールの壁にたたきつけられるヒトノカミ。
ヒトノカミもやられるままではなく、叩きつけられてへこんだ体を再生させると、壁を蹴ってカネノカミへと跳びかかります!
それをポールで迎え撃って串刺しにしようとするカネノカミですが、ヒトノカミはそれでもかまわずカネノカミにくらい付き、そのこめかみあたりを噛み千切りました!!
カネノカミはすかさずポールで横殴りにしてヒトノカミをふっとばしますと、すかさずダッシュで間合いを詰め、ヒトノカミを何度も何度も殴りつけるのです!!
こうなると勝負は一方的に。
ヒトノカミはもはや殴られるままで棒立ちになってしまい……カネノカミは止めとばかりに思いっきりポールを振り……!!
凄まじい威力の一撃にまたも宙を舞うヒトノカミ。
ヒトノカミのふっとばされた体は、狙ったかのように黒蓮の方へと跳んできました!!
黒蓮は避ける間もなく、ヒトノカミに衝突してしまう……かと思われたその瞬間です。
そこにフクノカミが割り込んできて、黒蓮に衝突する寸前のヒトノカミを植込みの上に落としたのでした!!
そしてフクノカミは、
gg3
その身を呈してヒトノカミをかばおうと、カネノカミとの間に割って入ります。
フクノカミとヒトノカミはしばらく見つめ合い……
カネノカミは……結局フクノカミにポールを叩きつけました!
あえなくふっとばされるフクノカミですが、彼がふっとばされる間にヒトノカミはその場を逃げ出すことに成功。
一応は彼の目的であろう、ヒトノカミの救助を成功させるのです。
カネノカミは去って行ったヒトノカミを追いかけて行きます。
……黒蓮は、フクノカミに恐る恐る、大丈夫……?と問いかけるのですが……
フクノカミは一回黒蓮の顔を見つめた後、カネノカミたちを追いかけて行くのでした。

黒蓮は、一連の事件を酒巻に話すことにしました。
電話よりも現場を見ながら話を聞きたい、と酒巻は黒蓮の下に向かうことにしたのですが……
そんな酒巻の方にも、気になる出来事が起こっていたのです。
なんと、寧島に「カジノ計画」があると言う噂がたち始め……
gg4
市議会議員やら、過去土地転がしで荒稼ぎしたダーティーな不動産屋などが寧島をターゲットとして動き始める、という……!!
これは寧島の発展を加速させはするでしょうが、治安などの面では悪い影響を与えてしまうでしょう。
これはフクノカミではなく、カネノカミやヒトノカミの動き……?
果たして三体のカミ、それぞれは何をどうしようとしているのでしょうか?
その三体に翻弄される形になりつつある寧島、その行く末は……!?




と言うわけで、今までとはまた違った様相となってきた今巻。
フクノカミによって発展していく中、変わりゆくばーちゃんを止める、というのが琉花の最大の目的だったはず。
ですが寧島の発展を進めていたフクノカミと、そこから分裂した二体のカミが争ってしまうと言う、おそらくフクノカミにとってはイレギュラーなはずの展開となってしまうのです!
そのイレギュラーはさらにイレギュラーを生み、今巻のクライマックスでは本作開始当初ではだれも予想しなかったであろうとんでもない展開に……!!

そんなイレギュラーな展開で鍵となって行くのが、琉花たちはもちろんとして……草田です。
フクに見放されたと言っていた彼、ここでカミの対立の故か、事件の真っただ中に食い込みかねない状態になるのです!!
彼の動向がまた寧島に大きなうねりを生み、カミ同士の対立に波紋を起こすことは間違いなさそう。
草田の今後の動きには注目せざるを得ません!!

さらに島民にやって来た「フク」による変化が描かれたり、琉花と及川の関係もちょっぴり変わっていったりと、島の小さな変化もしっかりと描写。
寧島全体の大きな動きはもちろん、それらの出来事も見逃せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!