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今回紹介いたしますのはこちら。

「ギジン」第1巻 原作・七月鏡一先生 作画・朝日曼耀先生 

小学館さんのサンデーうぇぶり少年サンデーコミックスより刊行です。


七月先生は90年に少年サンデー原作大賞で大賞を受賞し、デビューした漫画原作者さんです。
藤原芳秀先生とのタッグで描かれた「ジーザス」「闇のイージス」などが代表作ですが、「バーチャファイター」などのゲーム原作の作品や、「幻魔大戦Rebirth」と言ったスピンオフ系の作品まで、非常に幅広い活動をされております。

朝日先生は11年ごろから活躍されている漫画家さんです。
当初は別名義で活動しつつ、並行してこちらの名義でBL漫画を執筆されていました、
その後現在の名義に統一し、16年から富沢義彦先生原作の「戦国新選組」を連載されるなど、活躍されております。

そんなお二人がタッグを組んだ本作。
本作は今も昔も人気のジャンル、パニックホラーとなっております。
得体のしれない怪物に襲われる、という王道的な組み立てとなっているのですが、やはり一風変わった作品となっておりまして……?



蜘蛛の背中から生えている、キノコの様なもの。
それは所謂、冬虫夏草というものです。
草太はそれをまじまじと見つめていました。
彼の横に座り込んで話を聞いているのは、友人の霧子です。
切子からすれば冬虫夏草など、気持ちの悪いもの、でしかないのですが……
草太にとっては非常に貴重で、興味深いものです。
特に天然物は、中国などでは漢方薬としてキロ何百万で取引される者なんだ、とキリコに開設してあげます。
すると値段を聞いた霧子はとたんに目を輝かせ、売れるの!?と笑顔になるのです。
現金な霧子にちょっぴり引いてしまう草太ですが、流石に一つだけ持っていってもなかなか売れません。
純粋に生物学としてのky穂実があるだけなんだ、と詳しい説明をし始めます。
寄生された虫は必至に免疫物質を分泌し、菌はその物質をたっぷり吸う。
だから薬効があると言われてるんだ……
そう熱っぽく語る草太に、生物オタク、と心の中で突っ込んでしまう霧子ですが、決して彼のことが嫌いと言うわけではありません。
現に、草太がそう言ったものを見つけた時に持って帰るためのシャーレを持っているのですから。
シャーレに冬虫夏草をしまう草太。
そんな時、キリコは異様なものに気緒がついてしまいました。
冬虫夏草、天然物はレアだ、と草太は言っていたはず。
だと言うのに、今校庭を見ると
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無数の冬虫夏草が転がっていたのです……!!
あれは何だったんだろう、でもあれを全部拾っておけば売れたかな、などと話しながら家に変える二人。
その途中、二人の会話は「特区」についての話題となっていました。
「特区」と言うのは、国民の多くが「なんのためのものか」かがよくわかっていないのですが、ともかく幾度となく伸びている工期に様々な批判が浴びせられている、区画のことです。
特区には霧子の父親も関わっていて、他人事ではないのですが……
そんなことを話していますと、不意に霧子の鼻に嫌なにおいが感じられました。
その匂いは、彼女が子供のころから感じるもので、霧子にしか感じられない、かんきつ類が腐ったような甘ったるい匂いです。
霧子はむかしから、どうにもこの匂いが好きになれないのです。

その後それぞれ家に帰った二人ですが、霧子はあの冬虫夏草の入ったシャーレを持ったままだったことに気が付きます。
まあ慌てて私に果なければならないものでもありませんし……
そのまま、何事もなく翌日を迎えました。
ですが朝から家の中はちょっと異様な感じ。
父が朝から、何やら特区に関しての仕事が上手く行かず、その仕事に関しての電話で声を荒げていたのです。
父はそのせいで毎日帰りが遅く、明日に迫った霧子の誕生日も一緒に祝うことはできなさそうです。
霧子はそんな父の忙しさを知っていますから、どうしても一緒に祝って欲しいと言うわがままを言うことはありません。
一緒に祝ってくれなくても、霧子は両親に深い感謝を抱いているのです。
実は霧子、8年前にこの家に引き取ってもらっていたのです。
今の両親は、霧子の実の父の従兄弟。
ある理由で行く場所の亡くなった霧子を今の両親が引き取ってくれ、大事に育ててくれていたのです。

学校に向かう霧子。
その日は朝から、あの臭いが鼻について離れません。
昨日より濃い、どこから?
電車のホームであたりを見回す霧子ですが……
その匂いは、
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霧子のすぐ後ろからやって来ていたのです!!
見るからに異様な風貌の男!
霧子の臭いを嗅いだかと思うと、男が霧子に襲い掛かりました!!
必死に逃れようとする霧子ですが、あたりの人々は事態の異様さが今ひとつわかっていないのか、誰も助けようとしてくれないのです。
ですがそこで、草太が駆けつけてくれました!!
男に鞄を投げつけ、テオレ込んだところに何度も鞄で殴りつける草太!!
そこでようやく周りの人も助けてくれ、男を一緒に抑え込んでくれるのです!
草太は霧子に早く逃げるように指示。
霧子も大人しくその場から逃げるのですが……
男は草太たちをふっとば氏、立ち上がるのです。
その顔は、
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ますます人間離れして……

霧子はそのまま、自宅に逃げ帰りました。
とにかくお母さんに事情を説明して助けを求めようとしたのですが……
そこに待っていたのは、
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母親の頭を片手で握りつぶす、先ほどの男を彷彿させる、奇怪なモノだったのです……!!




と言うわけで、突然現れた怪物によって、恐怖のどん底に叩き落とされた霧子。
まだ子の紹介した第一話では明言されてこそいませんが、最初の冬虫夏草が示すように、本作の怪物は「菌」です。
菌が霧子に、そして人間に襲い掛かる、そんなパニックホラーとなっているのです。
ですが本作、ただ単純に菌が人間をゾンビ的に怪物化して襲っていく、というお話にはならないようです。
この後すぐに「菌」の目的は霧子であることが発覚。
新たな登場人物とともに、霧子は生きるため、母の仇を討つための戦いに挑むことになります。
そして、菌自体にも驚くべき事実が秘められていたことも発覚!
単なるモンスターパニックものでも、モンスターと戦うバトルものでもない、予想不可能の物語へと突き進んでいき……
今後の展開が楽しみでなりませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!