gj0
今回紹介いたしますのはこちら。

「餓獣」第3巻 小池ノクト先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。


さて、地下鉄線路内で、怪物に襲われてしまった志隈たち。
それぞれが脱出のために奮闘するも、勝手な行動をするもの、火事場泥棒のようなことをする悪辣な者など、どうしても一丸となることはできないようです。
そんな中志隈はこの怪物に視力がほとんどないと言う弱点を発見。
それを利用して何とか絶体絶命の危機を回避することができたのですが……



通気口で様子を見ていた、社長たち4人。
とりあえず怪物の脅威が迫っている感じはないのですが……
地下鉄が止まってから4時間が経過しようとしているのに未だ電源が復旧する様子はなく、トンネルに流入してきた水かさも上がってきています。
このまま救助を待ち続けるのもどうなのか……?
そろそろ思い切って動くべきなのか、と社長がトンネル内の様子を見つめながら思案していたその時でした。
水音を立てながら、それが姿を現したのは……!

一方、ギャルは雄大と逃げていた時のテンションはどこへやら、ひたすらスマホで音楽を聞いています。
ほどなくしてスマホの画面はふっと消えてしまいました。
バッテリー切れでしょう。
横に座っていた岸本は、そりゃずっと見てたら電池が切れるよ、電池は助かるための灯りに使った方がいいんじゃない?と真っ当な口出しをするのですが……
ギャルはおもむろに携帯バッテリーを取り出すと、スマホを充電、再び音楽をかけ始めるのです。
と、その時、ギャルの傍らで寝息を立てていた雄大が、寝言でおばあちゃんを呼びました。
雄大の目の前で、無惨に殺されてしまったおばあちゃん。
彼女はそんなおばあちゃんの様子がフラッシュバックしたのか、急に思い立って岸本にスマホの画面を見せつけながら声をかけてきました。
gj1
ねえ、これ覚えといて。
もし私があのバケモノに殺されそうになったらさ、これかけて。
冗談にしても笑えませんし、冗談とも思えないテンションでそう語りかけられた岸本、あっけにとられるばかり。
ギャルは意に介さず、私はこれを聞きながらだったら死んでもいい、ととんでもないことを言いだしました。
岸本は耐えきれず、助かることを考えようよ、と突っ込まざるを得ないのでした……

と、その時、社長が岸本を呼ぶ声が聞こえます。
慌てて社長のもとに駆け付ける岸本ですが、そこには予想だにしない光景が待っていたのです!!
なんと社長、すでに
gj2
やって来ていた救助のボートに乗り込んでいるではありませんか!!
しかもこのボート、あと二人……ギャルと雄大を乗せる余裕もあるとのこと。
バラバラになってしまった志隈と睦月のことは気にかかりますが、流石にその二人を乗せて行くことはできません。
とりあえず一旦駅まで戻って、すぐに増援を送って助ける、ということになりました。
助かる目が出てくると、俄然余裕が出てきます。
ギャルは例の音楽を演奏しているバンドのライブが今日あるようで、今からじゃ物販は無理だけど開演には間に合う、と生死をさまよったとは思えない事を呟いております。
社長は社長で、この後はしゃぶしゃぶの特上コースを食べに行って、その後日帰り温泉でジャグジーに行く、と岸本に厳命!
オレは帰って寝たいと文句を言う岸本に、こういう時はむしろ最後までやっておくべきなんだ、と謎の主張をするのでした。
助かるとなって気が緩んだ一同ですが、やはり雄大の顔色は優れません。
そんな彼を見過ごすことはできなかったのでしょう。
ギャルは雄大にメモを渡し、私の携帯番号教えてあげる、何かあったらいつでもかけていいよ、と声を掛けました。
社長と岸本もそれを見て、自分たち以外のことにようやく目が行った様子。
二人とも携帯番号を教えたり名刺を渡したりしまして、いつでも連絡をくれと雄大を励ますのでした。
……と、その時です。
トンネルの中にたまった水の中から、パイプの様なものが二本突き出ていました。
そしてそれは近づいてきて、ボートの下に潜り……
ボートを持ち上げようとするではありませんか!!
その衝撃で、雄大がボートから転落!!
すぐに追いかけてギャルも水の中に飛び込むのですが、まさにその瞬間
gj3
水の中からパイプの主が姿を現したのです!!
……怪物です。
どうやら、潜水服の様なものを身にまとった、怪物……!
地下鉄のトンネル内に怪物がいるなど夢にも思っていない救助員たちは、目の前に現れたものに唖然とするばかり。
その一瞬の隙をついて、怪物は救助員の一人の首を跳ねてしまうのです!!
ボートの餓えは一転して地獄に……!!
ギャルはとっさに雄大を抱え、壁まで泳ごう、とボートから離れることを選ぶのですが……
怪物は何と、再び潜水して雄大達の方へと向かってしまったではありませんか!!
このままでは二人が危ないと察知した岸本、すかさずオールで水面をかき回し、こっちに来いと必死に怪物の気を引こうとするのですが……
その時にはもう、怪物は二人に追いついてしまっていました。
壁際にたどり着き、雄大をそこからよじ登らせようとしていたギャル。
怪物の爪は、
gj4
無慈悲に彼女の左足を……!!!



と言うわけで、絶望が加速していく今巻。
救助が来たと喜んだのもつかの間、あっと言う間に新たな怪物が姿を現し、救助に来たヒトpたちごと絶望に呑み込んでしまいました。
そしてここに来て、主要キャラの一人だったギャルがとうとう……!?
果たして彼女は、そして雄大は怪物の魔手から逃れることができるのでしょうか?
社長と岸本は二人を助け、自らも助かる道を見出せるのでしょうか!?
緊迫の急展開が続きます!!

そして急展開が巻き起こるのは雄大達だけではありません。
この地下鉄の世界をわがもの顔で闊歩する怪物達の正体、それはまだ明らかにならないものの、きなくさい存在である事が示唆され始めます。
そしてドローンの男とともに地上を目指していた志隈は、これまた予想だにしない展開を迎えることに。
うだつの上がらない地味で根暗な男だったはずの彼が、徐々に本作の主役としての存在感を見せて行くことになるのです!!
さらに成田と出くわし、最悪の状況に陥っていた睦月の方にも、あまりにも悍ましく、ショッキングな事件が起こってしまい……
いつ何が起こり、誰がどうなってもおかしくない状況になってきた本作、いよいよ物語が本格的に動いてきたようです……!!
これから先も何が起きるかわからない本作から、目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!