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今回紹介いたしますのはこちら。

「上野さんは不器用」第7巻 tugeneko先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。



さて、丸1年ぶりの最新刊となる本作。
上野さんと田中のすれ違い放題な日常を描いていく本作ですが、最近は少しずつ過去のお話を交えたりもしまして。
一層二人の関係が気になってしまうのです!



田中が部室にやってくると、何やら上野さんが一人盛り上がっておりました。
手でいろいろなところを触ったり叩いたりすると、それぞれ違った様々な音が鳴り響き……
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ひとしきり音楽をかき鳴らした後、ポーズを決めてシャウトする上野さん。
その姿を見た田中は、そっと扉を閉めて立ち去ろうとするのですが……
勿論それは上野さんが許しません!
すかさず田中を呼び止め、今の行為は創作ダンスではなく、演奏である!と、今回の発明の説明を始めるのでした。
その名も「ガギグンテ」。
手のひらのセンサーに接触したものから音声データを作成、手首部分のスピーカから音が出る、という、割とありそうな面白グッズです。
ですがそこは上野さん、ただの面白グッズではありません。
本来は接触面を火葬楽器として演奏をしたり、センサーで認識した文字を読み上げたりと、様々な用途に使える高性能アイテムなのです。
と、そこで上野さんはおもむろにアイマスクを田中に渡してきました。
素直に装着する田中ですが、これも上野さんの発明家何かのようで、一度つけると外れません!!
真っ暗の視界の中で戸惑う田中ですが、上野さんは構わず田中に語り掛けて行きます。
田中、静かに。
いいか、よく聞けよ。
そんな上野さんの言葉のあと少し経つと、どこからともなく「ピンポーン」という音が聞こえてきました。
今のはどこを触った音なのか当ててみろ、という上野さん。
どうやら音当てクイズをさせられるようです!
正解すれば商品はガギグンテ。
ただし正解しない限り目隠しのアイマスクを外してもらえない、という正解を強制された闇のゲームなのですが……!

ともかくこう言った突発イベントに付き合わなければ解放されないのはいつもの事。
田中は暗闇の中、音の下方向にそろそろと歩いて行きます。
途中椅子にぶつかったりもしながら、音のしたあたりにある机やら椅子やら本やら、タモンやらを触っていく田中。
そうやっていくと、やがて「ポンピーン」となる場所を発見しました。
部長、これでしょ!と声をあげる田中ですが……
上野さんはたっぷりとためを作ってから、不正解!と一声!!
そして、耳腐り族かこいつは、ヒントが欲しいか、と田中をあおってまいりました。
勿論早いところ正解したい田中は二つ返事でヒントを所望。
珍しく上野さんは素直にもう一度音を鳴らす、という大ヒントを与えてくれるのですが……
なんとこの音を奏でる場所とは、
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上野さんのお胸だったのです!!
流石上野さん、田中の方から自発的に胸を触らせようと綿密な作戦を打ち建てていたのです!!
……なんかもう、やらせようとしていることがヘンタイのアレな気がしますが……
そんな上野さんの意図など(例によって)全く気が付かない田中ですが、今ヒントとしてもう一度ならした音が、最初に音が鳴った一から動いていることには気が付きました。
音が出る位置が移動している……!
それもヒントだと言う上野さんの言葉も手伝って、田中はピンときました。
部長それ……自分の体触って音出してません?
ヒントはここまで。
それ以来、上野さんはまったくしゃべらなくなってしまいました。
こうなるとまた、手探りで上野さんを探すしかありません。
フラフラうろうろと上野さんを探す田中。
上野さんはその様子をほくそ笑みながら鑑賞しておりました。
この赤子の如きヨチ具合よ、指針なく彷徨う暗闇の中、我が胸部が奏でた音色を手探るがいい……!
そんな謎のご満悦タイムを満喫する上野さんですが、ご満悦過ぎて少しばかり注意が散漫になってしまったようです。
ついガギグンテで机に触れてしまい、音を立ててしまったのです。
その音を聞き逃さない田中!!
すかさず、そこだ!!という叫びとともに上野さんに跳びかかり……
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正解のお胸にタッチしたのです!!
これです、今度こそ正解でしょ!と叫ぶ田中ですが、上野さんも負けじと叫びます。
不正解!!と。
普通に嘘をつきやがった上野さんですが、じゃあどこなんだろうと上野さんのあちこちを触れて行く田中。
一向にそれっぽい音は出ず……
田中はやっぱりここですよ、と再び上野さんのお胸を触ります。
連打します。
青海の音が鳴り響きまくる中、硬直してしまっている上野さんに気が付かず、田中はさらに触り続け……こう言いました。
ここ以外ないですよ、絶対ここ!
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この肩甲骨のとこ!!
…………その言葉の意味を理解するまで、少しかかりました。
上野さんはたまらず、背中じゃねーわ!!と絶叫し……
田中の、じゃあどこを触ってたんだ、という疑問と、上野さんのやり場のない怒りだけを残し、ゲームは幕を閉じるのでした……




と言うわけで、今巻も通常営業の本作。
今巻では個性豊かなサブキャラクターたちの活躍もあるものの、田中と上野さんの二人が活躍するお話がメインに据えられている印象です。
紹介したお話の他にも、様々な発明品で、自然な流れ(だと上野さんが思っている)で田中の劣情を催させ、その結果自分を意識させようと言う不器用と言いますか、アレな上野さんの奮闘がたっぷりと収録されております!!
空間に物体を固定できる糊やら、自動膝枕耳かき機やら、相手との身体能力の差を埋めるスポーツウェアやらで、実に様々な角度で田中にアプローチ!!
そして、虚しく空回りしていく様がコミカルに描かれていくのです!!

サブキャラクターの皆さんですが、活躍の度合いはともかくとしまして、東西南北の皆さんはそれぞれ一度ずつ登場!!
花森さんや大きい方の下の妹、よもぎも登場し、にぎやかに本作を彩ってくれます!!
そして過去編では今とは違う関係の二人がみられたり、そのころの部長たちの活躍も見られたりと、見どころいっぱいの内容になっているのです!!

そして今巻も、前巻に続いて限定版が発売!!
白泉社さん系の雑誌で活躍する先生のみならず、バラエティ豊かな先生方が11人参加し、思い思いの上野さんワールドを描いていく「上野本2」がついておりまして、こちらも必見なのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!