今回紹介いたしますのはこちら。
「地獄楽」第9巻 賀来ゆうじ先生
集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。
さて、てんせん様との決戦が進行する本作。
多大な犠牲を払いながらもてんせん様を撃退することのできた画眉丸たちでしたが、別行動をとっていた巌鉄斎チームやヌルガイチーム、佐切とめいもそれぞれてんせん様と遭遇してしまっていて……?
巌鉄斎達が総力を注ぎ込んだ激戦を、ヌルガイと士遠が命を削るようなギリギリの戦いをしているなか、佐切達は仙薬を求めてやって来た先でてんせん様に遭遇していました。
ですがそこにいたのは、この煉丹宮に本来いるはずの蓮ではなく、桂花だったのです。
本来いるはずのない二人が目の前にいると言うのに、桂花は顔を隠すように本を目の前に広げ、こう言うのです。
先に行っとくけど、僕は争う気はない。
ここで留守番してろって言われただけだし。
だから邪魔しないなら僕も何もしない。
邪魔するなら潰す。
とりあえずすぐに戦闘になることはなさそうです。
そこでめいは蓮がどうしたのかと聞きますと、ついさっき出て行った、僕はこれを任された、と答える桂花。
これと言うのは一体何なのか、と佐切が顔を覗き込みながら訪ねようとするのですが、桂花はその回り込む方向に向き直り、決してその顔を見せようとしません。
めいによれば桂花は凄い人見知りで、最近は一層すごくなってしまっている、のだそうです。
そこで桂花が守っているものがなんなのかはめいが教えてくれました。
「明目法」と呼ばれる儀式で、タオの宿るものを媒体にして運命の吉凶を見るもの、とか。
この儀式を使うと、霊符を通して、別の場所の今の姿を見ることができる……!!
それによって、一同がここに来ることをあらかじめ知っていたと言うわけです。
ですがそれは逆を言えば、明目法を破壊すれば佐切達の動きが読まれることもないと言う事。
佐切は刀に手をかけるのですが……
その瞬間、何かに押しつぶされるかのようなすさまじい圧力が襲ってきたではないですか!!
どうやらこれが桂花の力のようです。
凄まじい圧力が襲う中、それでも何とか顔をあげる佐切。
動けるの、凄いね、
でも、
蓮の言いつけだし、戦う気なら潰すよ。そう言って、桂花はとうとうその顔を見せるのです!
ですがそこで佐切は思いもよらない事を言い始めます。
戦うつもりはありません、まずは詫びを言わせてください。
島への侵入、その後の振る舞いを含め、無知とはいえ私たちにも非がある。
それを詫びます。
ですが、はらわたが煮えくり返る思いもあります。
効けば人間を招き入れるよう仕向けたのもあなた達、ともすればこの争いは自業自得です。
……自業自得で済ますには、失ったものがお互い多すぎてはいませんか。
ですから戦いを止めに来ました、これ以上の殺し合いは無駄です。
そう言うと……佐切を襲っていた圧力は消え失せました。どうやら経過に戦う気がないと言うのは本当のようです。
そして彼からすると、佐切達がこの島を出るのも勝手にどうぞと言う感じの様で……
ところが、桂花はとんでもないことを言い始めます。
もう意味ないと思うけど、生きて倭国に帰っても。
……一体どういう意味なのでしょうか。
桂花は本を閉じると、空いた手をパンと一回叩きます。
すると周囲が真っ暗になりました。
これは明かりが消えたとか、一瞬でワープした、とかそう言うものではありません。
桂花の力によって、タオで幻……現在の本宮の地下の様子を映し出しているのです。
その幻では、蓮が道士とともに船出の準備をしている様子が見えます。
蓮が船で向かう先。
それは……倭国です。
船に積み込んでいるのは、人間を丹にする酒種を仕込んだ極楽蝶の卵。
それを日本で羽化させ、国中にばら撒く……!!
やがて日本中の人々は花化し、それが大きな一つになると言います。
それは
そこから、蓮の求める完璧な譚が精製される…………!!
そんな光景まで幻で見せられた佐切は、そのおぞましさに吐き気を覚える佐切。
桂花は再び本をひろげ、帰っても花になるだけ、意味ないだろ、と淡々と告げるのでした……
と言うわけで、まさかの展開が待ち受けていた今巻。
てんせん様との対決と言う山場を迎えていた本作ですが、ここに来てそのてんせん様がとんでもない行動をしようとしていることが発覚。
仙薬を入手して、島から逃げ出すだけでは済まない事態になっていることがわかるのです!
このまま蓮が船出をしてしまえば、全ては終わり。
ですが他の仲間たちは今もなお命を賭して戦っている最中ですし、蓮を止めに向かえばこの桂花も黙っていないかもしれません。
佐切達は蓮の凶行を止めることができるのでしょうか……?
そして、巌鉄斎達VS菊花&桃花戦、ヌルガイ達VS朱槿の決戦が相次いで決着。
巌鉄斎達はそのメンバーの戦闘要員の多さ、そして相克のタオの持ち主がいることから、勝ち目が見えないわけではありません。
ですがヌルガイと士遠は、実質戦えるのは士遠だけ。
それも、相克のタオを持っていないと言う絶体絶命の会敵なのです!!
勿論逃げようとしても素直に逃がしてくれるはずもなく……
この大ピンチを潜り抜けることはできるのでしょうか!?
さらに忘れてはいけないのが、追加組の来襲です。
危険極まりない浅エ門達も注意しなければならない所ですが、さらに危険な匂いのする人物がいることも発覚し……!!
ますます混沌としてくる勢力図、最後に笑うのは誰なのか?
今後の展開からますます目が離せなくなりそうです!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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