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今回紹介いたしますのはこちら。

「ゆこさえ戦えば」第3巻 福井セイ先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。


さて、尋常ならざる魔力量と、驚くべき天然ぶりを併せ持つ少女、ゆこの日常を描いていく本作。
勝利者はいかなる願いも叶えられると言う悪魔と契約者の戦い、ディアブロイルに巻き込まれているにもかかわらず、ゆこはその有り余る才能を全く生かさず、ディアブロイルで知り合ったお友達(?)と楽しい毎日を送っていくのです!



ある夜のこと。
雀皇団のアジトに、這う這うの体で戻ってくる男がおりました。
中々の使い手であると言うその男、一方的にやられたものの、ギリギリのところで逃げ帰ってくることができたようで。
その男が言うには、自分が襲われた男のエネルギーはすさまじく……
その強さは、ゆこに匹敵する、というのでした!!

ゆこが目を覚ますと、すぐそばにギギラが立っておりました。
おはようの挨拶をするものの、返事はなし。
それどころか、ゆこにたいして全く反応すらしないのです。
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いつもなら嫌がる、ファーのような部分をモフモフ、をしてみても同じ。
きょとんとするゆこなのですが、ギギラは心の中で必死にアピールしていました。
これは敵の仕業だ、我の行動をここまで止めるなんて相当強力なやつだぞ!
近くに宿主がいるはずだから見つけ出して我を解放しろ!!
ゆこはうなずき、にやりとして……
わかった、その挑戦受けて立つ!とつぶやきました。
そして、

おもむろに作り出したこよりでギギラの鼻をこちょこちょやりながら、どこまで動かないかチャレンジでしょ!とちょっかいを出し始めたのです!!
突っ込むこともできないギギラは、心の中で一生懸命突っ込みながらその行為を傍観するしかないのですが、ゆこは自分の考えを一切曲げません。
私はこれされたら一発なんだけど、我慢強いね……と勝手に感心した後、今度はギギラの背中に飛び乗っておんぶ攻め、そしてそこからぶら下がったままブランブランするゆらゆら攻めを敢行!
勿論動けないギギラは何もすることができず、これが解けたらぶっ飛ばす、と誓うしかなかったのです!
ひとしきりいろいろしてみたものの、ギギラが動かないのがわかったゆこ。
するととうとう……負けたよ、それじゃ私の番ね、と自分が動きを止めるのでした……

何の時間なんだよとギギラの心のツッコミもむなしく、しばらく続いた動かないチャレンジ。
それはだしぬけに、そろそろ学校行かなくちゃとゆこから中断されました。
結局ギギラの異変に気が付かないまま、着替えて学校に向かうゆこなのですが……
街に出てみますと、街行く人々が皆動きを止めてしまっているではありませんか!!
ギギラは感覚で、自分以外のものも止まっていることに感づいていました。
流石に街に出て皆が動いていない事に気が付けば、これが普通ではないことに気が付くはずです!!
ギギラの思惑通り、諭子は街の異常に気が付き……そして、確信するのです!
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夢だ、と!!
夢で夢って気づいたのはじめて、とちょっと感動しながら、諭子はせっかくの夢の中を探査臆することにしたのでした。

この時を止める能力「時操(タイム)」を与えた悪魔の名はジュエル。
ですが本来この「タイム」は、限定した範囲を数秒間止める、程度の力しかありません。
だと言うのに、ジュエルが力を与えた少年、暦はその膨大極まりない魔力で、
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世界丸ごとを何時間も止めてしまっていたのです!!
子の使い方の方が美しいでしょう?
僕以外の全ての時が止まるなんて、これ以上美しい孤独はないよ。
そんな中二的な台詞をつぶやきながら、動きの止まった世界を堪能していた暦。
なのですが、その視界に速足で街を闊歩するゆこの姿が入ってまいりました。
暦もジュエルも驚きますが、ゆこの体から悪魔と繋がっている「魔緒」が伸びていることから、動いている少女も化け物級のエネルギーを持つ人間であることを予測!
もしかすると自分の最大のライバル、宿敵になりうる対象を見つけた暦は、一も二もなくゆこの前に降り立ちます!!
主人公と宿敵の邂逅。
バトル漫画には欠かせないそのシーンは、
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学校に遅刻してしまうかもしれないから夢から覚めようと、必死に自分の目を開こうとしている諭子の顔でどっちらけになってしまうのでした……


と言うわけで、ライバルが登場する今巻。
なのですが、ゆこのあまりのアレな顔に気勢が削がれてしまったのでしょうか、暦は大人しく諭子を見逃し、さらにその後何か仕掛けてくることもとりあえずはないのでした……
と、そんな結局いつもの調子でバトルにならない本作でしたが。この後いつものゆこの天然ぶりが発揮されまくる日常、それにゆこ大好きすぎる香住と雄牙がアレコレしちゃうお話というエピソードをはさみながら、だんだんとゆこ以外の戦いの機運が高まってくるお話も描かれていきます。
血を血で洗うはずのディアブロイルのルールを一切無視してのんびり過ごすゆこを問題視して動き始めるディアブロイル運営。
ゆこを仲間にできれば一気に勢力を拡大できると目論む雀皇団。
そして、ディアブロイルが加速してしまう出来事が巻き起こる、まさかの事件!!
様々な事件が巻き起こり、物語はクライマックスへ!?
悪魔たち、宿主たちは闘志を燃やしていくです!!
……そう、ゆこ以外は……!!

そんなゆこの物語が完結してしまう第4巻は20年3月発売!!
ゆこにお別れするのは名残惜しい限りですが、その日までは彼女達の楽しい日常を堪能していきましょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!