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今回紹介いたしますのはこちら。

「僕は君を太らせたい」第4巻 原作・茸本朗先生 漫画・横山ひろと先生 

小学館さんのビッグコミックスより刊行です。


さて、野食、それも毒のあるものを食べることが感染症に効果があることがわかってきた前巻。
木野たちは感染症で終わりつつあるかに見えた世界に希望めいたものを見出したのですが……?



食材を様々ゲットしながら、旅を続けてきた木野たち。
今日はその道すがら、きれいに咲くパンジーに出くわしました。
奇麗ですね、心が現れる、と笑顔になるエリなのですが、同じように顔をほころばせるのぞみはちょっと違う視点でその花を見ていたようです。
のぞみは迷うことなく
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パンジーを引っこ抜いて……!!
しかも一輪や二輪ではありません。
その場に生えているものすべてを根こそぎむしりつくすではありませんか!!
なんでそんなことをするんだ、とのぞみの肩をつかむエリなのですが、のぞみは「食べられるから」と平気な顔。
エディブルフラワー、いわゆる食べることのできる花の一種だということの様です。
よくよく見るとこの辺りにはそのたぐいの花が生えています。
ホウセンカや、見るからにキャベツっぽいハボタンなどなど、のぞみたちはそれらをどんどんむしり取っていくのでした。
エリも負けじと(?)つつじの花を発見。
つつじといえば花を吸って蜜を楽しんだ、という方も少なくはないでしょう。
なのですが、そこはすっかり強毒性の植物を見つけるキャラになりつつあるエリの面目躍如でしょうか。
そのつつじはレンゲツツジという品種で、かなり強い毒をもっているのだそうです。

のぞみの父親は園芸好きで、よくのぞみにあれこれと教えてくれたのだそうで。
おかげでのぞみは野草に対して造詣が深くなったのです。
ちなみにお父さんは育てる園芸植物好きで、お母さんが食べる野草好きなせいで、お父さんが育てていたものをお母さんが勝手に料理してしまったりするなど、トラブルも絶えなかったらしいですが!

そんな思い出話をしておりますと、今度はチョウセンアサガオが目に入っています。
これも毒を持つことで有名で、園芸でよく植えられているうえに蕾がオクラに似ていることから、中毒事故が多発しているのだとか。
それものぞみはお父さんから教わったとのことで……一層行方のしれないお父さんに会いたくなってしまうのでした。

と、そうしていると以前お世話になった鷲尾診療所にたどりつきました。
あれからまた見つかった感染症に効果のある食べ物を報告しようとしたのですが、以前とは違ってこの診療所、多くの人が詰めかけてにぎやかになっています。
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どうやら高所では病気の進行が遅くなるというう情報が広がったことから、多くの人がここに詰め掛けてきたようです。
が、そうなるとやはり薬品なども不足してきます。
今もまさに麻酔薬がなくなってしまい、運び込まれた男性の骨折の処置に難儀しているようです。
そこでのぞみがある提案をしました、
その提案に乗り、木野は麻酔の代わりになるあるものを提供できたのです。
チョウセンアサガオ、を。
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チョウセンアサガオのエキスを脱脂綿にしみこませ、鼻に詰めることで麻酔代わりにしようというわけです!!
骨折していた男性もどうやら植物に詳しいようで、チョウセンアサガオが麻酔の代わりになることを知っている様子。
なんでも昔家で育てていたとか……
そんな男性の話を聞いて、木野はある可能性に思い当たりました。
鷲尾に患者さんの名字を聞いてみると、なんと……!!

その患者さん、まさかのビンゴでのぞみのお父さんでした!!
野草の知識もあったおかげで今まで生き延びることができていたのでしょうか。
ともかくこれで、一同の旅の目的は一通り果たす事ができました。
これでエリの病気を治すことに集中できる、かと思われたのですが……
そんな時だったのです。
木野が
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口から血を吐き、倒れたのは!!


というわけで、とうとうクライマックスを迎える本作。
突然倒れてしまった木野なのですが、その症状は今まで世界を苦しめてきた感染症とは違っているように見えます。
感染の証である首筋のあざもなく、何よりも口から血を吐いている……
もしかすると、これは感染症が変異して凶悪化したものなのかもしれない……?
本作は今まで、木野さえいれば何とかなるという感じで物語が進んでまいりました。
実際食に関しては、木野がいればどうにかなるという絶対的な信頼感があり、そのおかげで過酷なはずなのにのんびりとした雰囲気で旅ができていたわけです。
そんな絶対の支えで会った木野が倒れてしまい……
ここでとうとう、今まで守られてきただけ(あと突っ込み役)だったエリが立ち上がる時が来たのです!!
その怒涛のクライマックスからエンディングまで一気に進んでいくエリの決死の行動の数々は必見ですよ!!

残念ながら今巻で完結となってしまった本作ですが、この最終巻でも魅惑の夜食の世界は広がっております。
感染症対策という話の流れ上、毒のある食材が増えているのがこの巻の特徴でしょうか。
ヒガンバナにベニテングタケ、ヒキガエルにヤマカガシ等々、毒たっぷりのものをどうやって食べるかということをたっぷりと描いてくれるのです!!
そのほかにもテレビ番組などでメジャーになった感のある(?)セミやヒトデなど、通常の野食もばっちり収録!!
最後の最後まで、奥深く地球ほど広い野食の世界を見せてくれますよ!!

ちなみに木野とエリの関係も、最後の最後で……!
こちらもお楽しみに!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!