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今回紹介いたしますのはこちら。

「可愛そうにね、元気くん」第3巻 古宮海先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、思いを寄せている女子・八千緑さんをモデルにしたキャラクターがいたぶられる同人誌を描いている元気。
その事が八千緑さんの弟である励一に知られてしまい、追い詰められてしまったのですが、そこで守が……!?




守の助力もあって、励一の目論見を何とか防ぐことのできた元気。
ですがしようとしていたことやその手段はともかくとして、励一の姉を想う気持ちを目の当たりにした元気は、その愛情を否定することはできませんでした。
何故なら、実の姉を愛していると言う歪んだ愛情と、自分の愛する女性を痛めつけたいと言う歪んだ愛情、それは何かを愛しているという点では同じ。
どちらかを否定するということは、もう片方も否定することになってしまうのですから。
そして元気は決意します。
全てを八千緑さんに打ち明けることを!!

八千緑さんが向かったと言う神社へやって来た元気。
ですが神社はいま、祭りの真っ最中。
この人ゴミの中で八千緑さんを見つけるのは至難の業です。
そして元気の中にはこんな考えがよぎります。
……もし、見つけられたら。
もう二度と、うっかり手をつなげることなんてないんだろうな。
祀り、八千緑さんと回ってみたかったな……
そう呟いた瞬間のことでした。
背後から元気の首筋に、冷たいラムネの瓶が押し当てられたのは!!
思わず声を上げてしまった元気。
押し当ててきたのは、守でした。
元気の反応に大喜びする守なのですが、問題はその後ろです。
八千緑さんが、守と一緒にいたのです。
……いざ彼女の前に立つと、どうしても言葉が出てきません。
話があって……と言いだそうとするものの、どうしても言い出せない元気。
彼女の顔を見れば見るほど、考えていた言葉が喉から出てこなくなってしまうのです。
元気がまごまごとしておりますと、そこで守がじれったくなって口をはさんできました。
せっかくのお祭りなのに、何辛気臭い顔してんの!?
そう言って彼女は二人を強引に……かたぬきへと連れて行くのでした!!

三人合わせて400円しか持っていなかったため、これで一攫千金を狙おうと言う腹積もりの様子。
ですがこう言うものは基本的に客側に不利になっているもの。
もともと不器用な八千緑さんは、簡単な図柄でもすぐに失敗してしまい、しょんぼりしてしまっています。
二つ目に手を伸ばすものの、やはり細かいところに手を伸ばすのは緊張するようで……
ふと目が合った元気に、ここ取れる?と尋ねてくるのです。
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元気は、任せてとそれを了承し……しっかりと仕上げて見せるのでした。
が、そこは屋台ゲーム。
ここが書けてるから駄目だな、といちゃもんをつけられ、結局失敗になってしまいました。
やはり型抜きで路銀を稼ぐなど無理なのでしょう。
……その常識を超えたもの以外には!!
守は最高難易度に近い土星を見事に作り上げ、なんと3000円をゲット!!
まともに何も食べられないようなお金が、一気に贅沢に遊べるお金に替わったのでした!!

守と楽しそうにしている八千緑さん。
八千緑さんが楽しそうでよかった、と元気は胸をなでおろすのですが……
だからこそ、これ以上黙っているわけにはいきません。
元気は……創コミのあと、電話で酷いこと言ってごめん、と頭を下げました。
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つまんないとか迷惑とかすこしも思ったことない、全部嘘なんだ、俺はずっと八千緑さんといて楽しかった。
傷つけてごめんなさい。
そう謝りますと、八千緑さんは嬉しそうに微笑んで、よかった、本当は今も無理して一緒にいてくれるのかなって不安だったから、と許すどころか自分が悪いかのような言葉で返してくれます。
そして、私、廣田君の子と友達って思ってていいんだよね?と確認してきて……
……ここしかないでしょう。
元気は、ここでハッキリと言うのです。
ごめん、多分それは無理だ。
俺、もう一つ謝らなきゃいけないことがあるんだ。
……その先を言うのは、さすがに言葉がつまってしまいます。
辛そうな表情を浮かべる元気を見て、八千緑さんはそっと手を取り、大丈夫だよ、とまた優しく微笑んでくれます。
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八千緑さんは、何があっても今みたいに困った顔で笑って、大丈夫だよって言ってくれようとしてるのかもしれない。
そんな優しい子をずっとだましてたんだおれは。
そばにいる資格なんてない。
八千緑さんの笑顔は、元気の背中の最期の一押しをしました。
元気はとうとう、
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あの同人誌を、八千緑さんに差し出して……!!

と言うわけで、いよいよ秘密を打ち明けてしまった元気。
普通の人ならば、自分をモデルにこんな漫画を描いている人を受け入れること、許すことなどできないでしょう。
心の広い人であっても、距離を取ってしまうのも無理はありません。
では、八千緑さんは……?
この後物語は新展開へ。
この運命の告白から、思いがけないストーリーが紡がれていくことになります!!
勿論すんなりと物語が終わりに向かうはずもなく。
最近ではむしろ元気をサポートする側に回っていた傾向にある守が、再びその牙を……?
さらに励一もこのままで終わるとは思えません。
八千緑さんに一番近い菅家尾だからこそ、今後も彼女の行動になんらかのアクションを起こしていくはず。
まだまだ一波乱も二波乱もありそうな本作から、依然目が離せません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!