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今回紹介いたしますのはこちら。

「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」第14巻 長田悠幸先生・町田一八先生  

スクウェア・エニックスさんのビッグガンガンコミックスより刊行です。




さて、タピオカズの前座の座もかかったBTL一次予選に挑んだ紫織たち。
大本命のBLACK BUSの演奏はとんでもない盛り上がりを見せて会場は大盛り上がり。
ですが紫織たちもまた、最高の演奏を見せつけたのでした!




タピオカズのツアーは名古屋から始まります。
初日の箱は、2000人収容の「JEEP NAGOYA」。
今まで紫織たちがライブをしていた場所の規模とは比較にならないほどの大きさで、これはさすがに緊張しないはずもありません。
当のタピオカズはと言いますと、報道陣に囲まれてのインタビューの真っ最中。
緊張なんて微塵も感じさせない様子で、リラックス……どころか、二日酔いで頭が痛いやら、朝食バイキングを食べ過ぎて苦しいだとか、うとうとしていたりだとか……まるで日常そのもののテンションなのです。
インタビューではこんな質問もありました。
「なんで無名の若手を呼んだのか?」。
イキの良いバンドとガチでやりあいたい、そんだけっスね、とあっさり答え、ついでに無名とか年齢とか関係なく全力で若い芽を摘み取ったろうと思います!と小粋な(?)ジョークも交える余裕ぶりなのでした。
そしてその後報道陣から投げかけられた質問は……

緊張に包まれる控室に。思いがけない人物が訪ねてきました。
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以前シオリエクスペリエンスを取材してくれた、小松記者です。
BTL予選は仕事の都合でどうしても来られなかったそうですが、今日は「シオエク」の大一番は見逃せない!と駆けつけてくれたのです。
心強い応援は来てくれましたが、だからといって緊張が消えてなくなるはずもありません。
紫織と、こう言った大一番には強い光岡、そして別の意味でこう言った場面に強いプリンス以外は皆いてもたってもいられず、フラフラと控室を出て行ってしまうのでした。

台場はトイレに来ていました。
とはいえ行き場もなく、とりあえず来てみただけ、しかもきょう5回目なので、当然何も出るわけがありません。
するとそこに、タピオカズのボーカルが入ってきました。
そしてまっすぐ個室に入っていき……ものすごい息尾で何かを掃くような声をあげるではありませんか!!
百戦錬磨のタピオカズでも、本番前はえずいてしまうほど緊張するのか。
そんなことを考えているうちに、個室のドアは開いて中からボーカルが姿を現します。
が、出てくるなり、やっとすっきりした、やっぱテキーラショット20杯はキツイわ、とすがすがしい顔をするではありませんか!
緊張ではなく、ただの二日酔い……?
流石としか言いようのない大物ぶりに脱帽の台場なのですが、そんな彼の横で用を足し始めたボーカルは、こんな声をかけてきたのです。
いつから突っ立ってんの?もしかしてキンチョーして全然でねーパターン?
ま、別に気にするこたねんじゃね?
プロと違って、アマチュアなんだからよ。

川崎は、自分のキーボードを引いて心を落ち着けようとしていました。
自分の大切な宝物を全部売り払って、30万円の大枚をはたいて買った、新しい宝物。
高い買い物ではありますが、高いものを使えばモチベーションは上がりますし、うまくなった気にもなれる。
無理して買った価値はあった、と愛用のキーボードに触れる川崎なのですが……
そこに、タピオカズのギターが居合わせておりまして、こんなことを言うのです。
まぁ楽器は値段じゃないんだけどね。
安くたっていい音でるし、高けりゃいいってもんじゃないよね。
……では、彼の使っているギターは何なのでしょう。
ギターは眠そうに、こう答えるのです。
340万。
今度500万のギター買うんだ。いやー、楽器は値段じゃないよー。

井鈴と目黒は外の空気を吸いに出たようです。
建物の影で、刻々と迫って来るその時を、とんでもない緊張の中で待っていたのですが……
そこにタピオカズのベースが現れます。
そしてあんまり気負わなくていいよ、と言いながら、二人に会場の出入り口のあたりを見るように促してきました。
すると会場からぞろぞろ外に出て行く観客たちが見えるのです。
シオエクたちの演奏が始まるまであと20分ほどだと言うのに……!
ベースは言います。
時間つぶしに行くんだろう、俺らの出番まで。
無名の前座にはあんまし興味ないんじゃねーかな。
誰も見てねーから、気楽にやりな。

中々帰ってこない一同に心配し始める紫織と小松。
すると小松は、先ほどの記者会見でこんなことがあったと言うことを教えてくれました。
小松がタピオカズに投げかけた質問。
このタピオカズのホームで、若手バンドに盛り上がりで負けたらどうしますか?
その質問に、タピオカズのリーダーはこう答えたのです。
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次のライブの出番を、大トリにしてあげますよ!
とうぜんジョークだと受け取った一同は大爆笑に包まれるのですが……
小松はその答えに、震えていたのです。
皆なら、もしや……と!
でもこうしてライブ前になっても戻ってこない様子を見ると、勘違いだったのかもしれない……
小松がそう首をかしげておりますと、ちょうど外に出て行った皆が帰ってきたのです!!
勘違いじゃないっすよ小松さん。
タピオカズさんは大先輩だし世話になって感謝してるけど、それとこれとは話が別だ。
……あのタピオカズの面々の告げてきた様々な言葉。
それは一同の心を折るどころか、さらにさらに燃え上がらせていたのです!!
なめられたまんまじゃ終われねえ。
その玉座、ぶんどってやろーぜ本田先生!!
奏握りこぶしを作る目黒に……紫織はこう答えました。
昔から父に言われてました。
「もらえるものはネジでももらえ」。
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こんな素晴らしいものもらわなかったらバチが当たります!!
元より光岡も「てっぺん」しか目指していませんし、プリンスも登り詰められるところまで登れるなら登ろうと言う性格。
一同は、ここでジャイアントキリングを巻き起こす決意を固めるのです!!
円陣を組み、拳を合わせて気合を込める一同!!
そしてそんな様子を、ジミはにやつきながら眺めるのです。
ちゃんとわかってるじゃねえか。
英雄を崇める「英雄主義(ヒロイズム)」なんていらねぇ。
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「利己主義(エゴイズム)」だけありゃあいい!


と言うわけで、タピオカズライブの帯同編が始まる今巻。
タピオカズに、観客に舐められてしまっている紫織たちは、タピオカズに一泡吹かせ、そしてあわよくばライブの大トリを奪い取ってやろうと気合を入れなおします!!
確かに圧倒的人気と、その人気を支える確かな実力があるタピオカズですから、その牙城を崩すのは難しいでしょう。
ですが、あのBTL一次予選で会場を大いに震わせた紫織たちならば、もしかしたら……と思わずにはいられません!!
燃え上がる紫織たちは、タピオカズを伝説への踏み台にすることができるのでしょうか?
それとも……!!

そして今巻では、近頃は小休止していた「The 27 Clib」の方にも動きが現れます!!
カート・コバーンがすでに参加しているこの「27」ですが、ついに二人目の参加者が現れるのです!!
果たしてその人物は……?!
音楽に詳しくない方でもきっと知っている、あの大物が参戦し、世界に大きなうねりを起こすした準備が着々と進んでいく……
そんな「27」側のストーリーからも目が離せません!!

さらにこのBTLの予選を勝ち抜いた「先」も準備が整い始めます。
BTLの予選を勝ち抜き、そして各国の頂点に上り詰めた後。
そこで用意されている舞台はとんでもない伝説の名前を冠していて……!?
どんどんと整っていく舞台。
あとは紫織がそこに追いつくだけ!!
盛り上がらないはずのない本作、これからも目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!