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今回紹介いたしますのはこちら。

「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」第3巻 遠藤達哉先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、国家の危機を未然に防ぐためのミッションをこなうロイド。
その為に必要な「家族」でしたが、偽装家族になったのがよりによって暗殺者のヨルと超能力者のアーニャ、というとんでもない力の持ち主ばかり!
心が読めるアーニャ以外はお互いの裏の顔を知らないこの家族、果たして重大なミッションをクリアすることができるのでしょうか!?



ミッションを達成するための一番確実な方法。
それは、アーニャをトップクラスの生成優秀者にすることです。
優秀な成績を修めたり、目覚ましい功績を修めたものに与えられる星(ステラ)。
それを8つ手にすることで「皇帝の学徒(インペリアル・スカラー)」となり、そのインペリアル・スカラーとその親が参加する懇親会でターゲットと接触する……
それが唯一、用心深いターゲットと確実に接触できる方法なのです。
ですが……アーニャの成績は惨憺たるもの。
入学テストはその超能力で、周囲の大人の思考を読んで無事(?)カンニングが成功したのですが、学校が始まってからは当然周りは生徒ばかりなわけで。
しかも今はまだ学校が始まったばかりで、誰が何の科目が得意かもわからず……
焦ったロイドは、アーニャに本格的に勉強させようとしだしました。
ですがアーニャの方は、時間が経てば皆の得意科目がわかってカンニングが成功する、そうなれば満点間違いなし、と全く焦っていないのです。
ちなみにロイドにかかれば、裏工作をして成績を改ざんすることも可能だったりします。
ですがそこは優秀なスパイであるロイド、改ざんしてもそれほど不審に思われないよう、アーニャの基礎知識を底上げしていく必要があると考えていました。
不自然な改ざんがあれば、クラスメイトから疎まれてしまうかもしれない。
そうなれば学園生活にも支障が出て、登校拒否にでもなったら困る、と。
その考えを読んだアーニャ……過去のトラウマがよみがえってきました。
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天真爛漫でありながら小ズルいところもあるアーニャですが、過去はその能力ゆえに周囲の人に気味悪がられてしまったこともあるようです。
その事を思い出してしゅんとしてしまうアーニャなのですが……
それを見てロイド、猛勉強させたためにしょげてしまったのかと勘違い。
計画上、アーニャをめげさせてしまっては何にもなりません。
ステラを取る方法は他にもある!と思い立ちまして、いろいろ他のジャンルにも挑戦してみることにしたのでした。

ですが、美術はダメ、音楽のセンスもなさそう、運動神経もまるで無し、と今のところ何も見込みがありそうなものを見出せず……
それでもロイドは、千里の道も一歩からだ、得意な科目を見つけてやろう、と長い目で見ようとするのです。
……とはいえ、上から暗に告げられた制限時間は4か月。
悠長なことを言っていてもいいのか、という焦りも当然あるのです。
アーニャはそれも読み取り……
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ちち、アーニャがんばる!と良い顔で決めて見せるのでした!

翌日。
ロイドはステラを獲得するための、もう一つの方法を取ろうと病院にやってきていました。
勉強、スポーツ、芸術……それ以外のもう一つの手段、それは「社会貢献」です!
社会貢献をするだけならば、組織の力を使って「やらせ」をすることも不可能ではないでしょう。
ですがばれるリスクを考えれば、真っ当に社会貢献をしてもらう方がはるかにいいでしょうし……
何よりこの病院でボランティアに励み、そう言う奉仕の心、社会貢献の精神を学ばせるだけでも大きな価値があるでしょう!
まあ問題は、アーニャがボランティア的な行動も苦手だと言う事なんですが……!
掃除をしようとすれば花瓶を割って逆に散らかしてしまい、図書室の整理をしようと思えば本に夢中になってしまい、かと思えば手術の手伝いをしたいと勝手に手術室に行こうとしたり……
結果看護婦さんにこっぴどく怒られてしまい、帰ってくれと三下り半を突き付けられてしまう始末。
ロイドはこれもダメとなればどうすれば、と肩を落とし、流石のアーニャもへこまざるを得なかったのですが……
その時のことです。
リハビルのプールに誤って落ちた少年が溺れ、助けを求める声がアーニャに届いたのは!!
どうやら少年は溺水反応という、子供が溺れた時に起こりやすい、反応できずに静かに溺れてしまう状態になってしまったようで……周囲の誰も気づいていない様子。
アーニャはすぐにロイドにプールで誰かが溺れている、と報告しようとしたものの、そんなことをすればかつてのように、なんでそんなことがわかったのかと気味悪がられてしまうかもしれない、という考えもよぎります。
ですが助けを求める声はどんどんと苦しそうになっていき……
アーニャは一瞬戸惑い、そして……
アーニャ、ぼらんてぃあへたくそだし、
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すいえいせんしゅになってほしゲットするからプールでれんしゅうしてくる!と言い残し、プールへとダッシュするのでした!!!
プールたのしいなー、と棒読みで叫びながらリハビリプールにやって来たアーニャ!
止めに来た係員の静止を振り切り、プールを見回すと……
いまにも途切れそうな少年の心の声と、微かに水面に沸き立つ泡を発見します!!
いよいよ迷っている時間はありません。
アーニャは少年が沈んでいる場所に一も二もなく飛び込んだのです!!
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……ですが、運動神経が壊滅的なうえ、実際はまだ4~5歳のアーニャが飛び込んだところで、溺れた少年を助け上げられるはずもなく……!!
そのまま、アーニャも……!!



と言うわけで、またまたとんでもないことが起きてしまう今巻。
ステラを手にするため、奮闘するアーニャでしたが、その奮闘は空回り。
ですがスパイアニメで培われた彼女の中の正義の心か、もともと持ち合わせていたやさしさか、自分のことも考えずに少年を助けに向かってしまったのです。
その行動は素晴らしかったのですが……このままアーニャも溺れてしまうのでしょうか!?
怒涛の結末をその目でご確認ください!!

このお話以外でも見どころは満天!
前巻のラストで登場した、ヨルの弟であり、スパイには容赦ない責め苦を与える秘密警察であるユーリの訪問編のクライマックスも必見です!
ヨルのことが好きで好きでたまらないユーリですが、ヨルの裏の顔を知らないと言うのも一つのポイントでしょう!
ヨルの事を任せるに足る人物かどうか厳しい目で探ろうとするユーリ、そんなユーリにロイドは……?
秘密だらけの家族に、さらなる秘密を持ち、秘密を知らない親族が参加し、物語は一層ドタバタが加速するのです!
そしてその他、ヨルの悩む様子を描くエピソードに、アーニャがステラ獲得のため学校で奮闘するお話、第3巻へのつなぎとなるお話などなど盛りだくさん!!
さらに週刊少年ジャンプへの出張版も掲載誌、今巻も大充実の一冊なのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!