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今回紹介いたしますのはこちら。

「地獄楽」第8巻 賀来ゆうじ先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、仙薬を手に入れ、脱出のための船を奪取する為、てんせん様の本距離へ突入した画眉丸たち。
てんせん様に見つからないまま脱出するのがベストではありましたが、やはり物事はそううまくいかないもの。
てんせん様と遭遇してしまった一同は、決死の戦いに挑むことになったのでした。


画眉丸と杠の二人で挑む、てんせん様の一人、蘭。
不幸中の幸いと言ったところで、杠は蘭の相克のタオの持ち主。
杠の攻撃ならば、蘭に致命傷を与えることが可能です。
が、問題は杠のタオがそれほど強くなく、接近戦が得意ではない事。
杠が近接戦闘をしなくても良いよう、杠がタオを込めて投げた武器を、画眉丸が蹴り飛ばすなどしてタオを散らさずに勢いを増す、と言う手段も考えてはあったのですが……
何よりも大きな問題は、蘭の実力そのものが強大過ぎることでした。
あの画眉丸をもってしても太刀打ちできず、打ちのめされてしまいます。
さらに杠は腹部にがれきが突き刺さり、命にかかわる大ダメージを受けてしまうのです。
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このダメージは練っていた作戦に大きな影響を与えてしまうもの。
タオと言うのは生命そのもので、大怪我しているときに使えば命を縮めてしまいかねません。
だから、と画眉丸は相手のタオ次第では自分が杠を守る、と宣言していたのです。
結果として守り切れなくなってしまったわけですが……
その会話をしていた時、杠はこう返していました。
同じ忍びなのに、アンタと私は全然違うわね。
いざとなったら私は私の身しか守らない。
私は私の命が第一だもん、命懸けとかまっぴらよん。
……ですが杠は、蘭に打ちのめされようとしていた画眉丸を助け、いったんこの場から引こうと肩を貸すではありませんか!
何が彼女を変えたのか……そんなことを考える暇はありません。
とにかく逃げて改めて機をうかがおう、死にさえしなければどうにかなる、と離脱を図るのです。
しかし蘭はそれを許しません。
圧倒的な速度で二人に追いつくと、それでも杠を守ろうとする画眉丸の
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腹に深々と腕を突き刺しました!!
今までは、仙薬の材料にするために生け捕りにしようとしていた蘭ですが、画眉丸のあまりのしぶとさにしびれを切らし……もう、消してしまおうと決めてしまったのです……!

柱にたたきつけられ、その意識を失いつつある画眉丸。
……先ほどの杠と作戦を練っていた時の会話ですが、実はその先もありました。
自分の命が第一だと言う杠に、画眉丸はこう答えたのです。
儂も同じだ。
自分の命が最優先、死ぬ気はない。
ワシの目的は生きて妻に会う事。
命を懸けるつもりなど毛頭ない。
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だから、命以外は全て懸ける。
もはやその命を失うだけの状態だったはずの画眉丸は、むくりと立ち上がります。
……これが、画眉丸の用意していた第二の手でした。
信念も、道理も、常識も……人間であることも捨てる……!!
画眉丸は、ムーダンの触手を懐に隠し持っていたのです。
これを使えば、自発的に「花化」できる、と。
花化すると言うことは、ともすれば理性を失った化け物になる可能性も大きい危険な賭けです。
実際、花化して意識を保てていたのは、亜左兄弟の兄、弔兵衛だけ。
ですが、何故弔兵衛が完全な花化をせずに再生能力を得たのか、その理由を画眉丸は掴んでいたのです。
鍵となるのは、「生きたい」と言う気持ちの強さ。
そしてその気持ちの強さを持てていたのは、弟の桐馬の存在があり、その存在のために死ねないと覚悟していたから……!
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となれば、画眉丸がその力を得ることなど、できないはずがないのです!!




と言うわけで、弔兵衛と同じようにてんせん様に近い存在となった画眉丸。
ですがもちろんこれでてんせん様と対等になったわけではありません。
花化は刻々と進み、タオを使えば使うほどその侵食は進んでいくでしょう。
さらに、蘭は相克のタオの持ち主。
いくら再生力が増していても、攻撃を食らえば消耗するうえ、丹田に一発もらえば死んでしまうでしょう。
そして頼みの綱である蘭の相克、杠も大きなダメージを負っていて……
依然戦局は不利なのはうごきません。
果たして画眉丸たちはこの絶望の状況を打破することができるのでしょうか!?
蘭との対決は、最終局面へ突入していくのです!!

そして後半では、巌鉄斎、付知、桐馬のチームの戦いが描かれます。
遭遇したてんせん様は、桃花と菊花のコンビ。
さらにそこには、彼らと協力関係を結ぶ約束をした弔兵衛が!!
亜左兄弟がここでそろうと言うことは……桐馬と弔兵衛はその硬い絆から、絶対に敵対することはあり得ません。
ただでさえ厳しい戦いを強いられるVSてんせん様、まさか桐馬まで寝返っての2VS4となるのか、それとも……!?
こちらも見逃せないバトルとなっています!!

そんなどんどんと厳しくなっていく戦局を少しでも和らげようとしたのでしょうか、今巻のおまけはほっこりするものばかり。
各話の合間ではヌルガイの奮闘する様が描かれ、カバー下の本体では本編では描かれなかっためいと佐切のにっこりしてしまうやり取りが収録!
この後の彼女達がどうなってしまうのか想像するとちょっぴり怖くもなりますが、とりあえずはここでほっこり成分を補給しておきましょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!