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今回紹介いたしますのはこちら。

「君が死ぬまであと100日」第1巻 右腹先生 

集英社さんのマーガレットコミックスより刊行です。


右腹先生は18年にジャンプSQの増刊でデビューした漫画家さんです。
初連載作が本作で、初単行本は本作と、同日に「恋する天使は報われない」を同時に刊行するという注目の漫画家さんです。
そんな右腹先生の描く本作、気になる内容はと言いますと……?


1回目の告白は幼稚園のころ。
2回目は小学校の時で、3回目は中学校の時。
自分はカブトムシが好き、と言われたり、寿司やスキーと聞き間違えられたりと、まあ一度たりとも上手いこと言った試しがありませんでした。
高校2年生になったその日、太郎は幼馴染のうみへの4度目の告白を決意します。
3日間考え抜いて……意を決して、告げたのです。
俺、うみのことが、好き!
すると海は食い気味でこう返してきました。
え?知ってるよ?
知ったたよ!何を今更!私も太郎の事だいすきー!
にこにこと笑いながらそう返してくるうみ。
これはわかってない奴だ、とピンとくる太郎、頭を抱えながらかみ砕いて説明します。
そう言う好きじゃなくて、俺が言いたいのは、付き合ってほしいって意味の好きで……
説明してもわかってもらえないだろうなと言うあきらめの感情とともにそう言う太郎なのですが、またも思いもよらない返事が返ってきました。
いいよ!!
おっけー!お付き合いしよう!たのしそー!
……逆の意味で意外な返事に驚く太郎、お付き合いの意味わかってる?恋人同士って意味だよ?と念を押すのですが、そのあたりはわかってくれてはいるようです。
恋とかあんまりわかんないけど、恋人になるなら太郎しかいないよ~、とにっこり笑ううみ。
その笑顔と言葉を受けた太郎は、思いっきり涙を流してしまうのでした。


太郎には、ひとつの普通の人にはない特技がありました。
幼い時から、100日限定で生き物の余命が見えること。
それは必ず100から始まり、1日ごとにカウントダウンされていくのです。
小学校の時、公園に捨てられていた猫に表示されていた「100」の文字。
その数字を密物憂げな表情をしている太郎に、幼いうみはかわいいねえと話しかけてきました。
でもこの子はあと100日で死ぬんだ、余命が見えるから。
すごい、と感心するうみに、すごくない、見えたって何にもしてあげられないから、と浮かない表情のまま返す太郎なのですが、海はそんな太郎にこう言いました。
そんなことない、もしかしたら助けてあげてってサインかもしれない!
私たちで面倒見てあげよう、そしたら余命伸びた利するかも!
だから大丈夫!
大丈夫だよ!
そんなうみの暖かな言葉と表情に救われた太郎なのですが……
猫はやはり100日後、車に轢かれて死んでしまいました。
涙をこぼす太郎の手を、海はそっと握ってくれたのです。
……余命が見えた生物は、カウントがゼロになると病気や事故などの何らかの理由で必ず死んでしまいました。
例外は今まで、一度もないのです。

そんな余命が、
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うみにみえてしまいました。
物凄きショックを受ける太郎なのですが、うみは全然へこんでおりません。
しっかりするんだ、私より死にそう!
大丈夫、絶対死なないから安心して!
運命だって変わるよ!
一緒に考えよう、太郎頭い石なんか思いつくかも!!
物凄くポジティブな彼女に、太郎はこう尋ねずにはいられませんでした。
怖くないの?死んじゃうかもしれないのに。
うみはそんな太郎の手を、きゅっと握って答えます。
怖いよ、手も震えるし、死ぬのも嫌だけど……
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でも、私が死んだら太郎が泣いちゃうから。
怖がってる場合じゃないよ、勝たなきゃ!
……うみは昔からそうでした。
いつだって人のことばかり考えていて、強くてかっこよくて。
彼女のことを思い起こしながら……太郎は、うっすらと涙を浮かべ、頬を赤らめながら……
うん、そうだね。
死んだら泣いちゃうから、死なないで。
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そう言いました。
その表情を見てキュンとするうみ。
恋とか逢とかわからないと自称する彼女、キュンって何だ!?と内心驚くものの……とりあえずそれを表に出すことなく、照れ隠しに一緒に筋トレ使用、人間に限界はないよ、などとなんだかよくわからない言葉でごまかします。
……すると、どういうことでしょう。
最初に見えていたうみの寿命は、97でした。
それが徐々に増えて行き、
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100になったではありませんか!
……なぜかはわかりませんが……とにかく、寿命が延びることもあることがわかりました!
運命でも何でも、もしかしたら跳ねのけることができるかもしれない……!!
こうして二人の、寿命を延ばすお付き合いの日々が始まったのです!!



と言うわけで、太郎とうみのお付き合いとともに、うみの寿命を延ばすための毎日が始まる本作。
この後すぐにわかることなのですが、海の寿命を伸ばす方法は、彼女をときめかすことでした。
好きな者同士ですから、些細なことでときめきを覚えるのは難しくないのでしょうが、だからと言って「ときめかせよう!」とおもってときめかせるのはなかなか難しいもの。
二人はアレコレ試行錯誤しながら、恋人としても一歩一歩進んでいくのです。

ですがだからと言ってすぐに何もかもが解決するわけではありません。
どうやら余命が100日以上、上限を越えて増えることはないようですし、今まで見えてきた寿命とは違って、増減することからその法則性自体も変わってきてしまう様子。
このままときめきを与え続けて、100日をキープし続ける……と言うだけのお話にはならないのです。
さらにそんなところに予想外の介入を仕掛けてくる新キャラクターの登場などもあり、物語は予測不能に!
太郎とうみの初々しく微笑ましい恋愛模様や心の動き、余命を伸ばすための奮闘とともに、余命表示の謎や周囲を取り巻くキャラクターとの関係などなど、見どころ満天なのです!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!