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今回紹介いたしますのはこちら。


「宇宙人プルカ」第3巻 関崎俊三先生 

集英社さんの集英社ホームコミックスより刊行です。


さて、極度の人見知りでである風香と、子孫を作りたいインチキドラ〇もんことプルカのの日常を描いていく本作。
なんだかんだと仲のいい二人、風香の人見知りも少しずつ改善されていき、お互いの目的の達成も近いのかもしれない気もしていたのですが……



風香は暗く落ち込んでいました。
ひょんなことから友人二人と一緒に、大勢の人たちの前で歌うことになったから……と言うのも理由の一つにはあるのですが、そんなことよりも重大な出来事が起きていたのです。
以前プルカが懲らしめたバクダン星人。
あのバクダン星人はバクダン星の王位の第一後継者だったとのことで、バクダン星人たちはブチ切れ!
件のバクダン星人とプルカを引き渡さなければ、地球上のすべての生命体に帰省して根こそぎ喰い尽くす、と言いだしたのです!
もし宇宙中のバクダン星人たちが集結すれば、地球どころか銀河中が危ない……!!
MIBとバクダン星人が交渉を行い、プルカとバクダン星人の引き渡しを行い、地球が双方の緩衝地帯にすると言うことで落着したようなのですが……
勿論プルカは断固拒否!
宇宙のピンチより我が身可愛さから……なのは間違いないのですが、そこはプルカ、こんな大義名分を用意しておりました。
プルカが出て行くと言うことは、共生関係にある風香が死んでしまうと言う事。
100年ローンの道具まで壊して守った我が触手を死なせることは絶対できない!
と、大見得を切ったわけです。
が、それはMIBの思うつぼでした。
と言うことはそこをクリアすれば行くと言うことだな、とMIBはほくそ笑み……
その擬態生物を使えばいい、とプルカのペットであるクララを指さしたのです。
基本的になんにでも変身することのできるクララがプルカに擬態し、風香の中に残って生命維持の補助をすれば、風香は死なずに済む。
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そうすればプルカも安心して宇宙に行ける、と言うわけなのです……
が。
そこで異を唱えたのは、まさかの風香でした。
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全部プルカに押し付けるなんておかしい、間違っているのは向こうなのに、正しいこっちが何でこんな目に合わなきゃいけないんですか!!
あなたのしてることは絶対に変、あなたは悪者です!!
あの人見知りの彼女が、プルカとガチ喧嘩をした時でも見せなかった、本気の怒りを見せて!!
……もちろん銀河の存亡がかかる一件を、いち民間人の意見で路線変更することなどあるはずもなく。
悪で結構、これが大人の手打ちだ、君は変わらず生きて行ける、プルカが命をかけて守ろうとしたキミの人生だ、大切にしろよ、とドライに対応するのです。
……が。
風香はそれでも続けます。
プルカが一緒じゃなきゃ嫌なんです!
腹黒で意地悪で、インチキドラ〇もんだけど!
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可愛くて強くて優しい、私の大切な家族なんです!!
あの風香が、一歩も引かずにそう言ってくる。
MIBもこのままではプルカを強引に連れて行くことが難しい、と考えたのかもしれません。
大きくひとつため息を付き、今度はプルカに向かってこんな交換条件を持ちかけました。
なぁプルカ、お前ローン残ってるんだってな。
それ、俺たちが肩代わりしてやろうか?
今回の剣は組織に対しても貢献度は高い。
申告すれば支払いは経費、報酬として確実に通るだろう。
ただし、無事に帰ってこれたらの話だがな!
……それを聞いて、プルカの反応が変わりました。
つまり、借金完済なうえ、生きて帰れる可能性がある……?
実はMIBも、ただプルカを差し出すだけのつもりはなかったようで。
この機会を有効に使う、とバクダン星人をどうにかする策を持っているようです。
さらに前金として30%渡すとまで言われ……プルカは完全に意見を180度変えてしまいます!!
今まで真剣にプルカを守ろうとしていた風香の行動をすべて過去にして……
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行く!
絶対行く!
そして無事帰還する!!
ローン完済のために!!
ついでに銀河も救う!!

そうしてプルカは、笑顔で旅立っていきました。
ですがこの時、プルカも風香も、そこにいる誰もがこの後どうなるかなど知る由もなかったのです。
これがプルカとの、長い長いお別れになることを……



と言うわけで、怒涛のクライマックスを迎える本作。
今までも凶悪な宇宙人と戦うことはなくはありませんでしたが、それはあくまで己の身を守るため、と言う事でした。
それが今度は、まさかの宇宙規模の大事件!!
普段のプルカならば何の間の言って意地でも行かなかったのでしょうが、100年ローンがチャラになると言われて、プルカのゲスい本性がうずかないわけがありません!
こうしてバクダン星人のもとに行くわけですが、そこには予想外の光景が広がっていて……!!
プルカの、地球の存亡と借金返済をかけた戦いとともに、風香の人見知り克服に大きな効果をもたらしそうな、衆目を前にして歌うイベントが同時に進行していきます。
プルカは無事バクダン星人問題を落着させ、地球に戻ることができるのでしょうか?
風香はプルカなしで歌いきることができるのでしょうか?
予想だにしなかった、本格的にドラマチックな最終局面を迎える本作。
最後の最後まで本作らしい、バカバカしくも時折ハートフルな物語をしっかり貫き通してくれますよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!