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今回紹介いたしますのはこちら。

「ゲッターロボ牌」第3巻 脚本・森橋ビンゴ先生 作画・ドリル汁先生 

竹書房さんの近代麻雀コミックスより刊行です。


さて、ついに3人が揃ったゲッターチーム。
アトランティス帝國との戦いがいよいよ本格的に始まる、と思ったその時、三人の前に思いがけない人物が現れたのです。
その名は神隼人。
誰よりもゲッターのことを知る隼人の口から語られたのは……!


15年前、浅間山。
早乙女研究所……のあった場所に空いた大穴で、不眠不休の作業が続いていました。
そこでつるはしを振るっている一人の男。
その男の名は、紅丸アザナ。
紅丸バン子の、父親です。

アザナは顔見知りのおじいさんに気が付くと、その横にどっかと座り込み、具合はどうだいと尋ねました。
ヌシ程の男が負けてこんなところに落ちるとわマヌケよの、とおじいさんは小馬鹿にしたような言葉を投げかけるものの、アザナは全く気にしていないどころか、よせやい照れるぜ、と褒められたかのような反応で返すのです。
過酷極まりないここでの採掘作業ですが、アザナからすれば大した重労働ではない様子。
稼ぎも悪くないようで、労働環境に大きな不満はないのですが……
やはり「勝負師」であるアザナ、楽しみがないのが不満なところの様子。
そのあたりをおじいさんにぼやいておりますと、労働者の一人である山岸が現れ……アザナの頭に銃口を突き付けるのです!
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サボってんじゃねーよドサンピンが。テメーには一分一秒たりとも休む権利はねーんだよ。
そう言ってアザナをにらみつける山岸ですが、アザナはドサンピンを麻雀のサンピンと勘違いし、打てるの!?とうずうずしだしまして……
実はこの山岸、アザナの代打ちで大勝負をしていたのですが、その勝負でまさかの大負け。
一緒にこの強制労働に突き落とされてしまったのです。
笑っちまうよなあそこで天和なんて、ホント麻雀てなーやめられねー止まらねーってなもんよ!
豪快にそう笑うアザナですが、腕の立つ麻雀うちだからと聞いて代打ちを頼んだ山岸からすればたまったものではありません!
ふざけんなと拳銃でアザナを殴りつけ、手近にあったスコップを手にすると、怒りのままに何度も何度もアザナを殴りつけるのです!!
何十発撃ちすえたでしょう。
山岸がつかれて手を休めると……
アザナは、
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そんなに旦那が怒ってるとは、気付いてやれなくて悪かったなぁ、とけろりとした顔で笑うではありませんか!!
おまけに旦那ならここでもうまく取り入って案外早く出られるって、とにこにこしながら無神経な言葉を投げかける始末。
あげくに新しい作業場の作業員志願の募集が場内に響きますと、稼ぎ時だとさっさと消えてしまうのです。
周りで見ていた労働者たちは、アレが本当に一流の雀打ちなのか、と怪訝な顔。
ですがおじいさんはこう言うのです。
博徒の真価が問われるのは負けた時ってなあ。
地獄にあってあれだけ負け面がいい男はそうはおらん。

早乙女研究所で採掘。
これだけでここで行われていることが良からぬ企みをはらんでいることはわかるでしょう。
国内外、そして業種を問わず、金をやるから技術をよこせとここで掘り出すものの提供を強請ってくるのです。
ですがそれ等の誘いはすべて完全無視。
異種文明との戦いが終わって半世紀がたった今もなお、残された爪痕は深いものです。
機構は変動し続け、人類の生存圏は減る一方。
そんな現状を打破する希望がここで手に入るであろう……ゲッター鉱なのです!
生み出される無限のエネルギーさえあれば、日本をエネルギー大国としてよみがえらせられる!!
……そんな希望は、その裏にある絶望を見ないようにしているから見えるものなだけかもしれません。
ゲッターの歴史は戦いの歴史。
もしかすると、ゲッター戦そのものが異種文明を呼びこみ、戦いの歴史を作り上げているのではないか……?
ですが、責任者は異議を唱えるものを買い越し、断固として採掘を進めるのでした。

と、そんな時でした。
アザナのつるはしの一打ちが、エネルギーを噴出させたのは!!
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猛烈な勢いで噴出するエネルギーに、吹き飛ばされ、呑み込まれていく作業員たち。
アザナもまたそのエネルギーの本流に呑まれてしまったのですが……
エネルギーの中にいた、女性の形をした何かにあるものを手渡されるのです。
それは……

エネルギーの噴出に気付き、慌てて駆け付けた管理者たち。
そこに待っていたのは、まるで火山が噴火し、溶岩が全てを飲み込んで固まった後、かのような光景でした。
ですがその溶けた岩に火山の成分はほとんど検出されず、この事態がゲッターの力によるものであることがわかります。
その極めつけは、その岩に呑み込まれている人間が……意識こそないものの、融合していまだ生き続けていると言うことからもうかがえます。
これは声明への冒涜なのか。
物質が有限と言うくさびから解き放たれる新たな可能性なのか……?
恐る恐る歩を進めて行きますと……この行動の中の、唯一の生存者が発見されます。
その生存者の手に握られていたものは……
麻雀牌。
その牌からは恐ろしいほどのゲッター線が感知されています。
ゲッター鉱を精製して作られた麻雀牌だとでも言うのでしょうか?
一体どうやって……?
しかしそれはすぐに判明しました。
眠りこけているアザナの周りにあったのは、無数の雀卓と麻雀牌。
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アザナはゲッターに選ばれ……ゲッター鉱を想うがままに精製する力を与えられていたのです!!
ゲッターに選ばれた。
ですがそれは幸運ではありません。
アザナの、そしてその娘であるバン子の運命は、ここからさらに大きくねじ曲がっていくのです……!!



と言うわけで、バン子の父、アザナの過去が描かれる今巻。
こうしてバン子は在りし日の父の行動を知り、そしてその死にざまを知るのです!!
ここから物語は急転直下。
一気にクライマックスへとなだれ込んでいきます!
全てを知ったバン子、過去と決別して更なる力を発揮するゲッターチーム。
そこにアトランティスの帝王が現れるのです!!
激しすぎる戦いは、ロボット同士の激突と、乱れ飛ぶ和了でダイナミックに、スピーディーに描かれていきます。
壮大なスケールで描かれる戦いは、麻雀と言う卓上のみで行われる矮小ともいえる麻雀で決着をつけられようとするのです!!

今巻で完結となる本作ですが、この壮大な激闘がこの1冊で完結するのでしょうか……?
そう、もうお判りですね!
ゲッターだからこそ許されると言っていい、ゲッターらしいエンディングがそこにはまっているのです!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!