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今回紹介いたしますのはこちら。

「恋獄の都市」第1巻 俵京平先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


俵先生は18年にジャンプ+でデビューした漫画家さんです。
19年より本作の連載を開始されました。

本作はエロスなサービスシーンとサスペンス要素が混ざり合った作品となっております。
気になるその内容はと言いますと……?



真は毎夜のように見る夢に悩まされ、三日一時間しか眠れていませんでした。
その夢は、まるで現実そのもののような街の中を歩くのですが、実際のモノとは駅名がまるで違う、と言う不可解なもの。
日本で一番利用者が多いと言うその駅の名前は「S1駅」。
ですが、夢の中ではその駅の名前はこうなのです。
「新宿駅」。

実在しない「新宿駅」の夢を見ると、もうその日は眠れなくなってしまいます。
寝不足でしゃっきりしない頭で大学にやって来た真なのですが、そこで知人程度の知り合いでしかない、柏木と言う男に思いもよらない相談を受けることになります。
それは……自分の代わりにラブレターを渡してほしい、というもの。
どこからどう見てもさえない男である真にそんな恋愛相談めいたことをすること自体驚きですが……
そんな柏木に、ラブレターをつき返しながら言った彼のセリフもなかなか彼のキャラに合わない驚きの言葉でした。
そう言うのは直接渡すべきだと思わんか?
絶対相手も直接もらった方が嬉しいはず。
男なら正面突破しろ!!
キャラに合わないそんな言葉ですが、柏木は勇気づけられたようです。
お前に相談してよかったよ、本当にありがとう!!
拳を握りしめて力を漲らせる柏木は、結果報告するから、と言い残して去っていくのでした。

そんなことがあった後の週末、真は幼馴染の雪子、泉、愛との4人で遊びに行きました。
実は真、その幼馴染の一人、愛に10年来の片思いをしておりまして。
そんな真に恋愛相談なんて、と泉と雪子は笑うのですが、同時に早く告白をしないと愛を誰かに取られてしまうとアドバイスするのです。
ですがそれがすんなりできたら10年も片思いはしていないわけで……
愛と会いたい一心で、終末の睡眠時間を削ってみんなと集まったものの、結局その日も遊ぶだけでお別れになってしまいます。
愛の目を盗んで、雪子は真にこうささやきました。
あたしからのアドバイスだけどさ、世の中あたしたちみたいに思いやりある人だけじゃないからね。
早く決めないと奪われちゃうよ?
わかってはいるもののどうにもできず、やはりそのまま解散となるのですが……
雪子は誰にも聞こえない小さな声でこう言うのです。
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本当に、奪われちゃうから。

あくる日、いつものように眠気と頭痛に耐えながら教室にやって来た真。
そこに愛がやってきまして、今日も元気ないね、ちゃんと寝てる?疲れてんじゃない?と声をかけてきてくれました。
ですがそんなところに、柏木がやってきます。
何かと思えば……何と柏木、愛に声をかけて一緒にどこかにっ連れて行くではありませんか。
そして去り際に、誠に何かやってやるぜとばかりのサインを送ってきまして……?
最初は何が何だかわからなかった真琴ですが、彼らが去った後に気が付きました。
まさか、柏木が自分に頼んだのは、自分と愛が幼馴染だったからなのか?
最初から彼の狙いは、愛だったのか……!?
何で気が付かなかったんだ、グダグダしてる場合じゃねえ、止めなきゃ。
このままじゃ、愛を……!
気が付けば誠は走り出していました。
断られてもいい、自分の気持ちを伝えたい。
真は無我夢中で走り、二人に追いつくと……
どうなるかなんて考えず、告白をしたのです!!
俺、実は10年前からずと、愛のことが……好きだ!!
想いを伝えた後……ごめん、いきなり、と顔をあげる真。
すると愛は……なぜか顔色を真っ青にして、誠の方をつかんでこう叫び出したのです。
ようやく、ようやく思いだした!
お願い!私を……!私を連れてって!!
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新宿……
愛が何かを言いかけた瞬間に、彼女の首は切断されました。
そして見る間に愛の体はバラバラに刻まれてしまったのです!!
彼女はそのまま、ぐしゃぐしゃの肉団子と化してしまい……
救急車を呼ばなきゃ、と現実を受け入れられない真はつぶやくのですが……
へたり込んで思わず仰いだ天には、恐ろしいモノが存在していたのです。
じっとこちらを見ている、
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巨大な目……!!

気が付くと、時間が戻ったかのように真が愛に告白する直前の状況に戻っていました。
愛はまるで何もなかったかのようです。
今のは白昼夢か何かだったとでも言うのでしょうか?
真はたまらずその場から駆け出し、自宅に戻ると井の中の物をすべて吐き出してしまうのです。
一体あれは何なのか。
いくら考えても答えなどでるはずもなく、横になって休もうかと考えたその時……何者かが原研のチャイムを鳴らします。
あの奇妙な物体を見た直後ですから、何か良くないものが訪ねてきたのではないかと言う恐怖が襲い掛かるのですが……
やって来たのは雪子でした。
どうやら愛から先ほどのことを聞いて、心配して様子を見に来てくれたようですが……?
雪子は真の家に上がり込むと、対戦ゲームでひとしきり真を弄びます。
とりあえず真が落ち着いたところで、雪子は事情を詳しく聞いてきまして……
真が愛に告白しようと試みたものの失敗した、でも今度こそ告白する決意を固めた、と言うことを知った雪子。
突然こんなことを言いだします。
あたしとしてはよかった、まだチャンスが残ってるってことだから。
愛と付き合うことになったら綺麗に諦めるつもりだったのに。
あたしの気持ち、見せてあげるから。
そう言うと雪子はいきなり布団をかぶせ、あたしのこともちゃんと見てよ、と上着を脱ぎ去りました!!
まさかの積極的すぎる行動に戸惑う真でしたが……
上着を脱ぎ去り、下着を外した雪子の胸には、
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何やら奇妙なメモが貼ってあったのです。
この街は偽物。私たちは監視されている。誰も信じるな。新宿は実在する。
愛を助けたいなら私に絶対従って。
……雪子の目は、真剣そのものです。
一体これはどういうことなのでしょうか。
この日から、真の日常は大きく、大きく変わっていくこととなるのです……!



と言うわけで、監視されている街からの脱出を試みることになる本作。
鍵となるのは「新宿駅」、そして愛の存在となるようです。
この後真は、ある程度の事情を知っているらしい雪子にこの街が偽りの街であることを聞かされます。
そしてこの街から愛を連れて逃げるためにあれこれと作戦を練っていくことになるのですが……
問題は山のようにそびえています。
監視の目はどの程度厳しいものなのか?
その目をかいくぐって逃げることはできるのか?
偽りの街、S1駅、そんなものをどうやって作ったのか?
何故新宿駅の夢を見るのか?
そもそもあの「目」をはじめとした、この街の勘死者たちの目的は何なのか……?
様々な謎がどんどんと深まっていく中、真と雪子はどのような手を打つのでしょうか?
新たなキャラクターも登場し、そして怪しげな影も迫り……
息詰まる展開の連続する本作、今後の展開が楽しみでなりませんね!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!