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今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第27巻 川田先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、一時の不調が嘘のように白星を積み重ねていく鬼丸。
同時に彼と数々の激戦を繰り返してきたライバルたちもまた、打倒刃皇を目指して激戦を続けています。
波瀾の予感漂う今場所、賜杯をつかむのは……!?



熱戦の続く九月場所も、12日目を迎えました。
連勝を続けてきた鬼丸の今日の相手は……
彼が高校時代最初に戦った「国宝」……沙田、現在は前頭二枚目に名を連ねる三日月です!
学生時代こそ鬼丸は三日月を二度にわたって撃破してきましたが、どちらも辛勝。
何かが一つ間違えば鬼丸が負けてもおかしくなかったわけで、二人の実力は拮抗していると言ってもいいでしょう。
ですが、お互い大相撲入りしてから長い時間がたっています。
二人の現在の実力はどうなのか……?
それは、この一番で証明されるでしょう!

立ち合い、二人は真っ向からぶつかり合います。
体は小さいものの、鍛えぬいた体と抜群の勝負勘を持ち合わせている鬼丸の立ち合いは流石に強烈。
立ち合い勝ったのはやはり鬼丸でした。
ですが直後、三日月の姿は忽然と消えてしまっていました。
立ち合いに当たり負けるのは織り込み済み。
ぶつかり合った直後素早く身を翻し、鬼丸の横に突こうとしていたのです!!
鬼丸の正面に立たない。
それが三日月の考え出した鬼丸封じ……
ですが、鬼丸を相手にそんな作戦が成立するのでしょうか。
普通の力士ならば、いや、普通などと言うレベルではない刃皇ですらそれはやろうとしてもできないでしょう。
しかし三日月ならば……!
片手で鬼丸の廻しをつかみ、そのまま自分が鬼丸を中心にして円を描くように高速で動き回る。
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壮絶なスピードで円の動きを実現する三日月は、やはり天賦の才を持っているのでしょう。
まるで重力のくびきを解かれたかのような動きを見せる三日月、このままでは彼に翻弄され、土俵をなめることになります。
そうはさせじと、鬼丸は強引に三日月の廻しを取る手を切り、張り手で活路を開こうとするものの……
三日月はその張り手をあっさりといなしてしまうのです!!
激しい動きの中で繰り出された相手の反撃をも見逃さない、圧倒的な集中力!
三日月の力は、今までで最高の領域に達しているでしょう!!
ですが……それは鬼丸も同じ!!
いなされてバランスを崩された、と思われた鬼丸は、右足を三日月の右足に引っ掛けて体を寄せました。
そして……そのまま右手で、三日月の前まわしを取ったのです!!
今場所の三日月は絶好調で、二杯を喫してはいるものの、一度たりとも相手に廻しを取ることを許していませんでした。
そして今日の一番にも、今まで真剣勝負で一度も買ったことのない鬼丸を倒す、と今までないほどの意気込みで挑み、精神も体力も最高に充実した状態で挑んでいます。
その三日月の廻しを、とった……!!
今日の三日月は、最高の三日月です。
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そして……今日の鬼丸もまた、最高の鬼丸なのです!!

戦いの最中だと言うのに、笑顔を見せる鬼丸。
今のワシは強いぞ、さぁ、殺し合おうぜ!
心でそう語りかける鬼丸に、三日月は……何を笑っていやがる、と鬼丸の関節を砕かんばかりのおっつけで答えました!!
鬼丸はすかさずそのおっつけを受け流し、そのまま背負い投げのような形で下手投げを放ちます。
三日月がそれを踏みこらえると、鬼丸は流れるように廻しを取っていない方の手で相手の足を内側から払う内無双を敢行。
三日月がそれを見切って足を引くと、さらにそれを見こした鬼丸が内無双に行く手をそのまま前に伸ばし、両まわしを取ったのです!!
ここから出るのは鬼丸の必殺技の一つ、百鬼薙!!
こらえてもこらえても襲い掛かって来る、鬼丸の無限の崩しが始まったのです!!
実際のその崩しを味わったことはない三日月ですが……ずっと彼は、土俵の外から鬼丸のその姿を見続けてきました。
そして……
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この時を待っていたのです!!
鬼丸の崩しを上回る圧倒的な速さで回り込み、額に投げを仕掛ける三日月!!
上手捻りとちょん掛けを同時に仕掛ける合わせ技、花天月地……!!
鬼丸に勝つために、三日月は強くなりました。
そして今もまさに、強くなっている……!!
鬼丸はそんな現在進行形で進化している三日月の攻撃を
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回避!!
ああ、強くなろうぜ!!
今、もっと強く!!!
強くなろうと言う三日月の想いに応え、鬼丸もまた今、強くなっている!!
進化し続ける二人の戦い、決着は間近です!!!



と言うわけで、ライバルとの決戦が描かれる今巻。
刃皇への挑戦権を手にするためだけでなく、ただライバルに負けられないと言う想いがぶつかり合うこの戦い、まさに手に汗握る一戦となっています。
この三日月との戦いまでに、鬼丸は様々なライバルと戦ってきました。
ですが……鬼丸は今場所で、最大のライバルにした最高の仲間とまだ戦ってはいません。
その人物とは、三日月との激戦の翌日、13日目にぶつかり合うことになります。
そう、鬼丸の大相撲への道の第一歩から共に歩み始めた、あの男と!!

様々な戦いを描いてきた本作も、とうとう次の第28巻で完結となります。
優勝の行方はどうなるのか。
刃皇の引退は阻止できるのか。
鬼丸とレイナの結婚はどうなるのか……
物語を組み上げてきたあれこれの決着をつける運命の最終巻は19年12月発売予定!!
鬼丸の今までの長い戦い、そしてこれからも続いていく戦いをしかと見届けましょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!