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今回紹介いたしますのはこちら。

「教えてブラジャー先生」第2巻 新矢歩世先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスエクストラより刊行です。


さて、型破りなどと言う言葉では収まらない、上半身ブラジャー一丁姿で教鞭を取る、ブラジャー先生。
彼女は問題児ばかりのクラスに赴任してきたのですが、次々と教師が辞めるだけあってその問題児は流石に一筋縄ではいかないものばかり。
なのですが、ブラジャー先生はそれ以上に一筋縄ではいかない女傑でして……?



ブラジャー先生の剛腕により、付き合うことになってしまったまゆそと嵐多。
付き合うだけならまだしも、カッとなって何をしでかすかわからないまゆそがクラス委員長に、クラス最大の問題寺である嵐多が副委員長に任命されたのです。
面白くないのは、それまで委員長と副委員長だった生徒でしょう。
副委員長の方はそうでもなさそうですが、委員長だった未弐井アマルは、相当気にしている様子。
その日も、まるで小姑のように重箱の隅をつつくような「指導」をまゆそにしておりました。
窓を開けて黒板を消すなら、風向きを考えて窓がわから廊下側に向かって拭くべきだ。
こんな配慮もできない君が委員長だなんて、どうかと思いますよ。
……しっかりとディスることも忘れません。
ですがまゆそのほうも、自分が役者不足であることはしっかりわかっているようで。
ごめん、私全然気が回らなくて、と平謝り、するものの……
でもブラジャー先生に託されたから、ワタシ頑張るね、と強い意志を示すのです!
その言葉に苛立ちを感じるアマル。
クラスの女子はと言いますと、アマル君意地悪、むきとかどうでもよくない?ブラジャー先生に委員長首にされてからイライラしすぎ!とそんな様子をみてからかってくる始末。
実際アマルは相当苛立っておりまして、その女子たちをギラリと睨み付け教室から足早に立ち去るのです!!

この学園にある、「超進学クラス」。
定員10名の超難関コースなのですが、なんと学費が全て無料。
実は昼食を水道の水で済ませるほど貧乏なアマルからすると、喉から手が出るほど欲しい立場です。
ですがそこにたどり着くためには、成績だけでは足りません。
生徒会活動、部活動、クラス内での評価も必要とされていまして……そう考えますと、やはり委員長の座は必須なわけです。
だと言うのに、ブラジャー先生のよくわからない一存で委員長を下ろされてしまったアマル。
苛立ちを隠せないまま昼食を終えますと、そこにいつもの格好のブラジャー先生が現れました。
アマルを呼ぶブラジャー先生ですが、よりによって「クソメガネ委員長」呼ばわりしたあげく、ごめんごめん、もう委員長じゃなかったね、などと言いだしました。
人の名前を覚えるのが苦手でアマルの名前もまだ覚えていなかったらしいブラジャー先生に、さすがのアマルも怒りを爆発させそうになるのですが……
まったく悪びれないブラジャー先生、放課後ちょっと手伝ってほしい、とアマルにお願いをしてくるのでした。

そのお願いとは、校庭の草むしりの手伝いでした。
一人で草むしりしているおじさんを不憫に思ったブラジャー先生が、草むしりを手伝おうと考えたのです。
ちなみにメンバーは、ブラジャー先生とアマル、そして前副委員長というちょっと謎の多い面子。
ブラジャー先生は、クラス委員を首にしちゃったからヒマかなと思って、とまた神経を逆なでするような理由を明かすのですが……もうアマルはいちいち突っ込む気も失せたようです。

おじさんを含め4人もいれば、すぐに終わるだろうと思われた草むしり。
ですがその範囲はあまりに広く、一日二日程度では終わらなそうです。
草刈り機を買うほどの予算が降りるメドも立たないそうで……
勉強時間を削ってまでこんなことをしていられないと反発するアマル。
ブラジャー先生はあやってみないとわからないと言うのですが、もしどうしてもやらせたいなら自分が草むしりをやるべきだと考えを変えさせる理由をくれ、とさらに反発するのです。
そこでブラジャー先生、今の時期は蚊の動きが鈍くてやりやすく、今のうちに草を無くして乾燥しやすくすればその発生も抑えられる、そうすれば蚊が媒介する感染症のリスクも減る、元クラス委員ならみんなの健康も心配だよね?とそれっぽい理由を並べながらお願いしてきました。
「元」だからもう心配じゃありません、と反発するアマルですが……
結局、内申書をいい感じにする、という裏取引(?)を条件に最後まで手伝うことを決めるのでした。

数日後。
あと一日くらい頑張れば終わりそう、と言う段階を迎え、元副委員長はこんなことを言いだしました。
わたしは副委員長の時何やったらいいかわからなくて、アマルに任せっきりだった。
でも今回は、今回は私頑張ったよね!
今まで見たことのなかった元副委員長の笑顔。
それを見て、アマルは言うのです。
君は自分で自分を褒めるタイプなんだな。
いや、違う、そうじゃない、「褒める」タイプじゃなくて、「褒めれる」だ。
自分で自分の努力を褒めれるのって、大事なんじゃないか?
元副委員長は、アマルらしくないともいえるその言葉を聞いて……言うのです。
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ねぇ、これって、ブラジャー先生が言ってた、やってみないとわからない事ってやつじゃない?
……ハッとするアマル。
ですが、これは試験に出ないな、といつもの調子に戻ってしまうのです。
いい感じに終わりそうなところで水を差したアマルですが、そこにもっと水を差してしまいそうな嵐多とその仲間、根茂田がやって来ました。
アマルはアマルなりにこの草むしりに異議を見出していたようで、何と二人に明日草むしりを手伝いたまえ、と持ち掛けます。
嵐多は意外にこう言うことに寛容なところがあるのですが、根茂田は違います。
何考えてんのか知らんが、俺たちに命令とかふざけんじゃねえ!!
そういって、
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せっかく毟った草のつまった袋を蹴り飛ばしてしまうのです!!
さらにアマルの胸倉をつかみ、委員長を首になったへぼが命令とかふざけんな、と更なる圧力をかけてきて……
と、そこで嵐多がこんなことを言いだします。
そういやお前貧乏だったな、いつも昼めし食わないで水だもんな。
これ貸してやるよ。
そう言って差し出したのは、「お賽銭」と書かれた袋。
この袋を持って立ってると、歩きスマホの奴がぶつかってきて、なんかしんねえけど治療費だって金入れてくんだよ。
まあたまに金じゃなくて蹴りを入れてくる奴もいるから、そんときゃ金はいらねぇけどな。
嵐多は結構なアレなので、それがカツアゲと呼ばれる行為だと言う事すら気付いていないようです。
ですがこれを受け取らなければ、どんな報復が待っているかわかりません。
そんな選択肢のない選択肢を前に、アマルはお賽銭袋を叩き落とす、と言う選択をします!!
袋を蹴ったことといい、街でのカツアゲといい、君たちはそれが正しいと思ってやってるのか?
そう言って怒りをあらわにするアマル。
彼が怒ったところで怖くはないのでしょう、根茂田は笑いながらこう答えました。
俺達は俺たちが楽しいと思うことが正しいと思ってやってる。
いつ誰が俺たちに許可を得て、ルールとかモラルとか決めたんだ?
お前は、まやかしに操られてんだよ、金にもならない草むしり溶かして良い子にでも見られるのが正しいとでも思ってんだろ!!
……その瞬間のことでした。
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アマルの拳が、根茂田の顔面にさく裂したのは!!
今まで様子を見ていたおじさんは、すぐ止めに入ろうとします。
が、それをなんとブラジャー先生が阻止!!
今めっちゃいいとこなんで、と更に静観しようとするのです!!
人を殴ることは正しくない事だろ?
まやかしに操られてないことを証明したのさ。
仲間たちと草むしりとしたこともない君に、我々の何が正しいとか正しくないとか言えるものか!
不良二人を前に全く怯まずそう言ってのけるアマル。
そんな姿を見て、嵐多は嬉しそうに笑います。
お前らの言ってることはよくわからねえけど、いいじゃん。お前おもしれえな!
そう言ってバンバンと肩をたたいてくる嵐多に……アマルは言いました。
悪いが私はまったく面白くない。
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君が最も不愉快だ!!



と言うわけで、真面目系嫌な奴枠かと思われていたアマルと掘り下げるエピソードが描かれる今巻。
彼は彼なりに背負っているモノ、譲れないものがあり、そのためならば相手が嵐多でも引かない胆力を持っているようです。
ですが相手はあの嵐多。
何かのきっかけで、ただ事では済まないような大暴れをしてしまう可能性を秘めている危険人物なのです。
果たしてこの後アマルはどうなってしまうのか?
まだまだ一波乱も二波乱もあるこのアマル編、最後の最後までサプライズが繰り広げられる、見どころ満点のエピソードとなっています!!

そして後半ではスポーツ系嫌な奴枠かと思われていた女生徒、渚サマナを主役にしたエピソードが開幕!!
問題児ぞろいのこのクラスにいるだけあって、やはり彼女もちょっとした問題を抱えています。
いい意味でも悪い意味でも型破りなブラジャー先生の無茶苦茶教育は、体育会系にも通じるのか!?
ついでに、今まで一回もまともに行われていないブラジャー先生の授業は行われるのか!?
単純な良い話、では終わらないブラジャー先生の教育から、目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!