「神々の悪魔」第2巻 原作・佐伊村司先生 作画・高橋構造先生
日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。
さて、愛する女性・トリ子の行方を探るため、エクソシストの道へと足を踏み入れた蓮次。
ですが悪魔の魔の手は着々と伸びてきていて……?
悪魔による事件の容疑者として警察に連れて行かれてしまった蓮次。
幸い生き残った警察官から事情が語られ、その容疑は晴れることとなりました。
警察にして無頼漢、水嶋の疑いの目は晴れていないようで……
被害に遭った女性の子供はどうなっているのか尋ねるも、守秘義務がある、と取り付く島もありません。
幸いもう一人の警察官が、子供は捜索中で、母親は病院に入った、と知ることは出来ましたが……
エクソシストとして修業の影響もあるのでしょうか。
そんな敵対関係にあってなお、蓮次は人としての気持ちを忘れてはいませんでした。
相棒の刑事さん、ご冥福をお祈りします。
そう言い残して、蓮次は現場を去ろうとするのですが……
警察署に、母親が迎えに来ていました。
現在容疑は晴れたものの、殺人事件の容疑者だと言って警察につかまったのですから、母親は気が木ではありません。
本当にいつも心配をかけて、あんた一体何やってんのよ、私が紹介した仕事はどうなったの!?
悲しさと心配、不安や怒り。
そんな感情がないまぜになった母親は、涙ながらに蓮次を問い詰めるのです。
今度はしっかり働くって言って、何度失望させるのよ!
何度も何度も今度はって!
警察のお世話になって、何の宗教入ってんのよ!
わたしがどんな思いで育ててきたと思ってんの……
今何を言っても、その場しのぎの言葉にしか受け止められないでしょうから……
ですが今の蓮次の気持ちは、本当に本当です。
生まれ変わろうと思ったんだ、もう心配はかけたくないと思ったんだ。
今の気持ちを信じてほしい……
そう思っていても。その気持ちを口に出すことは出来ません。
何を言っても信じてはもらえない、蓮次はそんな状況になるまでのツケを溜めてしまっていたのですから……
立ち尽くし、天を仰ぐことしかできない蓮次。
そんな様子を、蓮次の決意を導いた神父、御田蔵は警察署の外から窺っていました。
これも彼に課せられた試練、悔い改めるための道であると、見守っていたのでしょう。
ですが彼にも、ゆっくりとその道を見極める時間はないようです。
菊川と言う神父とともに、戦いに赴かなくてはならないのですから。
今も魔の侵攻は止まっておらず……
魔の軍勢が侵攻の準備を整える前に。
アルバイトに精を出しながら、トリ子の捜索を続けている蓮次。
友人の亮も、今度こそその決意が本物であることがわかっているようです。
お前が変わったってことは、俺だけはわかってるぜ。
そんな両の熱い友情が伝わっているかはわかりません。
しかし蓮次の荒んだ気持ちは大分浄化され、真っ当な人間になっているのは間違いないでしょう。
と言う事はおそらく、エクソシストとしての力もつきつつある、はず。
蓮次に悪魔に対抗する力がつくのは、そう遠いことではないのかもしれません。
……が、事態はそれを待ってはくれなさそうです。
菊川が訪れた廃病院。
どうやらここが悪魔の巣窟となっている問い噂を確かめに来たようなのですが……
発見したのは、予想よりもはるかに厄介なものだったのです。
そこにあったのは、地獄の七王の一人、魔の80軍団を指揮すると言う
ベリアルの印章……!!今までの悪魔など比べ物にならない、とんでもない凶悪な悪魔の証が……!!
ここに一人でいるのは危険です。
すぐに離れようとするものの、そこで突然御田蔵と繋がっていた電話が切れてしまいました。
そして突如として、四足歩行のケダモノのような悪魔が姿を現しました!!
菊川はとっさに祈りの言葉を唱え、聖書と十字架で迎え撃ちます。
おそらくこの悪魔も、集められている間の軍団の一員でしょう!
菊川はさらに祈りの言葉を唱え、床一面に聖書のページをばら撒きました!
この悪魔にはそれを理解する知恵もないようで、あるのは菊川を殺そうとする本能だけ。
自ら聖書の道に足を踏み入れ、見る間に体は焼け焦げ……瀕死となるのです。
ベリアルの使役する地獄の番犬。
近くによって、盛衰をかけて止めを刺そうとする菊川。
すると地獄の番犬は、クゥーンと媚びるような声をあげるのです。
命乞いか、と菊川はにやりと笑うのですが……直後、番犬は巨大な脚によって踏みつぶされてしまうではありませんか!!
菊川がその足が何なのかを理解する前に、巨大な手が彼の体をつかみ上げ。
真っ二つに千切ってしまい……!!菊川は、こう呟いてその命の灯火を消しました。
神よ、どうかこの世界にご慈悲を。
手練れのエクソシストである菊川を一撃で葬り去る悪魔。
その軍団が揃った時、果たして人類は……
と言うわけで、着々と進行を始めている間の軍団の様子が描かれる今巻。
凄まじい力を持ったベリアルが人の世に姿を現したようですが……絶望はこれだけでは終わりません。
この後蓮次は得体のしれない恐怖におびえる女子高生、真帆と出会い、彼女の助けになろうとしたその最中に水嶋とも出会ってしまうことに。
厄介な人物とともに真帆の悩みの原因の元へと向かったところ、そこで悪魔との戦いに巻き込まれることになってしまうのです!
そこで蓮次は、御田蔵の力を借りずに戦うことになるのですが、その戦いはもちろん、戦いの後にとんでもない絶望を目の当たりにすることとなってしまうのです!
心霊事件解決のエクソシストものと思いきや、物凄い規模での悪魔との決戦が描かれることになる予兆が見える今巻。
あまりにも強大過ぎる敵を前に、果たして蓮次はどうするのか?
そして、悪魔の侵攻にさらされることになった人類の未来は!?
予想を超える大スケールとなった本作、今後の展開も見逃せません!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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