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今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第26巻 川田先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、刃皇を止めるため、国宝たちをはじめとした多くの力士たちが燃え上がっている九月場所。
序盤で早くも二敗を喫してしまった鬼丸ですが、その後愛の力もあって復活!
六日目にして果たされた、宿命のライバルである草薙との激突は鬼丸をさらに燃え滾らせ……!



激戦が繰り広げられた六日目が終わり、戦いは七日目に突入しました。
この日も優勝の行く末を左右する取り組みが組まれています。
刃皇には、鬼丸の兄弟子、関脇の冴の山。
鬼丸の最大のライバルの一人である童子切には、学生時代天王寺に次ぐナンバー2の呼び名も高かった大包平。
そして鬼丸の相手は、合口の悪い長身の力士、御手杵。
星勘定的に最も優勝に近い戦いは、童子切対大包平。
全勝同士の大関と前頭二枚目と言う、観客必見の一戦です!
そんな好成績同士の、それもかつてのチームメイト同士の戦いとなればやはり注目を浴びないわけもなく。
そんな観客たちの下馬評は、刃皇すら認める時期横綱候補の童子切が有利、と言う声が圧倒的。
ですが童子切本人はと言うと……今日の一番が簡単なものではないことを知っているのです。
大包平が強い、と言うのはもちろん承知の上。
しかし今日の大包平は、とりわけ仕上がっている。
それがありありと出ているのが、土俵下で自分の取り組みを待っている刃皇の表情です。
怒りにも思える、いかにもと言った機嫌の悪い表情。
と言う事は……

それは稽古場でのことでした。
稽古場でも滅多なことで体に土をつけることのない圧倒的な力を持つ刃皇。
その刃皇を、稽古とはいえ
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大包平が真っ向から土俵に転がしたのです!!
感謝していますよ横綱。
角界を去りたければ去ればいい。
もらえるだけもらいましたから。
……そんな不遜な言葉を浴びせかけた大包平。
今までの大包平は、真面目な優等生とでも言うべき真面目な男でした。
ですが……彼は変わったのです。
きっかけは、先日童子切にかけられたこんな言葉でした。
「どこへ行っても二番手なんやなぁ、お前は。」
それは、童子切が大包平をライバルであると認めているからこそ出たであろう、大包平を発奮させるための発破だったのでしょう。
ですがその一言は、大包平の中にくすぶり続けていた火種を、一気に爆発させるものとなっていたのです!!
相変わらず人をあおるのが上手いな、なら遠慮なく乗らせてもらう。
獅童も刃皇も越えて、俺が一番になるために……!!
大包平にありありと浮かんでいるのは、修羅の相・無道!!
刃皇をして未来がないと言わしめた無道をその身に宿した大包平。
今まで越えられなかった、いや、越えようとしていなかったかもしれない、目の前のナンバー1……
それを超えるために、大包平は闇に足を踏み入れたのです!!

が、いざ童子切の前に立つと迷いも生まれるようで。
なれるのか、俺は……この男のライバルに……
そんなことを考えると、全身を包み込んでいた無道の相も薄れて行ってしまいました。
迷いのせいでしょうか立ち合い勝ったのは童子切でした。
左の突きで大包平の出足を止め、右の張り手で上体を起こすと、すかさず左を差す童子切!
このままでは一気に押し切られてしまう、と焦えう大包平、何とか両腕を抱えてこらえようと踏ん張ります!
が、童子切それも想定済み。
素早く右を巻き替え、逆に大包平の左腕を抱え込み、肘を決めて行くのです!!
そしてそのまま小手投げを敢行する童子切!!
下手にこらえれば腕の故障は免れない……
俺の想定は越えられんかったな、出直して来いや、アキ……
そう言って放たれたのは、必殺の変形小手投げ
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六ツ胴斬!!
刃皇をしても、この俺が稽古つけてやったのに呑まれおって、と舌打ちをするほどに、完全な決着。
そう思われた瞬間でした。
守りの硬さが売りの大包平。
ですが……
今の俺に、守るものなんてないだろうが!!
そう心の中で叫んだ大包平は、
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ギリギリのところでこらえて見せたのです!!
かつての俺が決めた限界を越えろ!!
そんな意地で残して見せた大包平!!
瞬間、大包平の目には自然と、目の前にある童子切りの顔が飛び込んできました。
その顔は……嬉しくて仕方がない、と言う表情。
大包平だけでなく、童子切も思っていたのです。
ふたりがライバルとして、同じ土俵で向き合いたい……!
こらえた大包平も、投げを打ちます。
どちらも価値を譲ることなどできません。
優勝を争う力士として、そしてなにより
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ライバルとして……!!
土俵際での投げの打ち合い、果たして先に土俵を割るのは……!?



と言うわけで、鬼丸以外の力士のドラマを描く今巻。
優勝の行方を占ううえで重要な戦いだったこの一戦ですが、二人にとってはそれ以上の意味があったのでしょう。
二人のライバルストーリーは、今まさにここからスタートしていくのですが……
ともかくこの勝負の勝敗も決して無視などできません!!
刃皇をぴったりと追いかけるのは果たしてどちらなのか!?
決着はこの後すぐ訪れるのです!!

そして注目の一番はもう一番残っています。
冴の山対刃皇。
今まで24番本割が組まれ、そして24番負け続けてきた冴の山。
今回こそはと言う期待を今まで裏切り続けてきた冴の山なのですが……
どうも今回ばかりは何かが違う様子!!
大番狂わせを起こし、鬼丸のアシストをすることができるのか?
いや、今度こそ念願の優勝を掴み取るのか……
クライマックスの近づく本作、ますます目が離せませんね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!