今回紹介いたしますのはこちら。
「赫のグリモア」第2巻 A-10先生
講談社さんのマガジンKCより刊行です。
さて、亡くなった曾祖母、茜から「書の魔導士」を受け継いだ若葉。
受け継いだものは、描いたものを具現化できる魔筆と、彼女の「魔導書」である「魔獣」あかずきん。
あまり言うことを聞いてくれないあかずきんとともに戦わざるを得ない、運命のうねりに呑み込まれていくのです。
まいあとの戦いが決着したかに見えたその直後のことでした。
「機構(ゲゼルシャフト)」を名乗る組織が現れ、あかずきんに襲い掛かってきたのは!
いきなりの攻撃を思い切り浴びてしまったあかずきんですが、それでも何とか傷ついた体に鞭打って、若葉を連れて一旦その場を脱出することができました。
ですがあかずきんの体はもうボロボロ。
体中ズタズタに切り裂かれていますが、そこは「丈夫だ」と自称する魔獣だけあって、身体はゆっくりと再生を始めていました。
グロテスクと言わざるを得ないその様子を見た若葉は、思わず言葉を失ってしまい……
あかずきんも強がりなのか、恥ずかしいからあんまり見るなよと冗談半分の言葉を若葉へと駆けてきます。
茜に説教くらうな、まあいいや、さぁ、「家」に帰ろうぜ。
そう言って手を伸ばしてくるあかずきんの手を、若葉は取ることができず……
悪い、「お前の家」だったな。
そう言うと、あかずきんは何とかと言った様子でその身を起こし、立ち上がります。
どこか適当なやつに契約を解除させる、俺のことは犬にかまれたとでも思って忘れてくれ、寄り道せずまっすぐ家に帰りな。
彼女はそう言って、自らの本体である魔導書を手にし……若葉の元から去って行ってしまったのです。
「機構」はあかずきんをそのまま逃がしたりはしません。
あかずきんに酷い傷を負わせた女魔導士、竜胆雫が追いかけてきます。
このまま逃げ延びることは難しいでしょう。
それに、やられっぱなしと言うのはあかずきんの性に合いません!
幸か不幸か、俺は今虫の居所が悪いんだ!
この「あかずきん」相手に作ってけよ、武勇伝の一つもよ!!
そう言って、自分から戦いを挑んでいったのです!
先ほどは確かに致命的ともいえる一撃を受けはしました。
ですがこうして正面から一対一で戦えば……不覚を取る相手ではありません!
二刀を鮮やかに操る竜胆の攻撃を、難なく防ぐあかずきん。
人間にしちゃできるがな、太刀筋がトロいんだよ!!
そう叫んで、手近にあったスクラップの車を蹴飛ばしたのです!
拘束ですっとんでくる車を、一刀両断する竜胆。
ですがこの車は、竜胆にダメージを与える手段ではありません。
一瞬自分の姿が視界から消えた瞬間、その一瞬をついて竜胆の背後に回ったのです!!
てめぇのその、魔獣もつれず孤高な姿勢は褒めてやるよ。
戦時中でもここまでの使い手はそういねえさ。
だからよ、覚えておいてやるぜ。
昔そう言うやつを殺したっけ、てな。
そんな言葉とともに振り下ろされる手刀。
肉が裂け、血が飛び散り……大地に倒れ込みます。
気が付けばあかずきんの体は、深く切り刻まれていました!!
お褒めにあずかり光栄だ。
顔色一つ崩さずそう言う竜胆。
その背中には……もう一本の手が生え、そこから斬撃が放たれた……!
魔筆で自らの体に腕を描く。
思いもよらない奇策に、勝利を確信していたあかずきんはしてやられたと言うわけです。
さらに竜胆は言いました。
私は別に「孤独」じゃない、貴様と違ってな。
物言わぬこの刃こそ我が相棒、魔獣「輝夜」!
そのころ、若葉は「機構」にあかずきんの管理をするには能力不足だ、と言い渡されていました。
いくつか約束をしてもらえば罪は問わない、今夜はもうお帰りなさい。
そう言われてしまった若葉なのですが、そんな若葉にボロボロになったまいあが話しかけてきました。
まいあ知ってるよ、いまいかなきゃ、わかば一生こうかいするって。
さぁ、むかえにいってあげて。
まいあを叱ってくれたみたいに、まいあを助けてくれたみたいに。
まいあね、なきむしのわかばにいいもの持ってきた。
「これ」のおかげで、まいあ勇気が出せたの。
そう言って、まいあが若葉に手渡したのは……星のヘアゴムでした。
それを若葉がつけると……
まいあはにっこりと笑って言うのです。
ああそうだよ、わかばはやっぱりこうでなきゃ。
まいあのスーパーヒーロー。竜胆の一撃のダメージは深く、もはやあかずきんに逆転の目はありません。
もはや覚悟を決めたあかずきんは、人生を振り返り始めています。
生まれてから数百年、本当にロクなことがなかったな。
気に入らねえ主人ばかりだ、まぁ、極東の島国から来た茜って野郎はそこそこマシだったが……
それと、あいつ。
いや、あいつはとびきりの大馬鹿野郎。
あいつが自分で観覧車から飛び降りた時、柄にもねえがワクワクしたぜ。
なんだなんだ、最後の最後で俺の人生、結構悪くなかったんじゃねえか?
それじゃあちょっくら笑いながら消えてやるとするかよ。
そう言って、精一杯の抵抗……あかんべーをしながら、その命を絶たれる……はずでした。
が。
竜胆の振り下ろしたとどめの一撃は、
若葉によって受け止められていたのです!!何をやっているかわかっているのか、と若葉の行動をとがめる竜胆。
そんな竜胆に、若葉ははっきりと言うのです!
わかんないの?
じゃあ、あなた達がおかしいんだよ。
気に入らないこと全部、力で何でも解決するような人たちにはわかんないんだ。
無理ないよね、物凄く陳腐な答えだもの。
とてもかっこ悪くて、口にしたらきっと笑うよ。
私の友達に!!手を出すなっ!!と言うわけで、若葉がとうとう自ら戦いに向かい、あかずきんを友達だと宣言した若葉。
これから本格的に二人はバディとなっていく、のかもしれませんが……
まずは目の前にいる竜胆をどうにかしないといけません。
若葉が駆けつけたとはいえ、この状況をひっくり返すのは難しいはず。
さらに「機構」は竜胆だけでなく、もう一人、星河と言う女性もいるわけで。
あまりにも困難な状況をひっくり返すことは出来るのか?
若葉の戦いは、ここから本番を迎えます!!
そして物語は新展開へ!!
戦う決意をした若葉は、みずから更なる戦いの中へと飛び込んでいきます。
そんな若葉を待っている新たな場所とは?
新キャラクターも多数登場する新展開は、若葉の成長を促すものになる……かと思われたのですが、そこでさらにとんでもない展開が待っているのです!!
二転三転するストーリーは、まさに予想不可能!!
A-10先生の描く可愛らしい女性キャラが、ひどい目にあったりひどい目にあわせたりする、バトルアクションはさらに過熱していくのです!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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