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今回紹介いたしますのはこちら。

「事情を知らない転校生がグイグイくる。」第3巻 川村拓先生 

スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスJOKERより刊行です。


さて、クラスの皆から死神呼ばわりされていた西村さんのもとに現れた転校生、高田くんがものすごい勢いで彼女を褒めそやす本作。
高田くんの圧倒的陽の気によって、クラスの皆も、そして何より西村さん自身が変わっていくのでした。



西村さんが教室にいると、そこに眼鏡でおさげの女子が声をかけてきました。
基本的に高田くんか日野くんくらいしかまともに声をかけられない西村さんですが……その女子、安達さんは他の生徒のようなからかいのために声をかけてきたと言うわけではなさそうです。
場所を変え、人気の少ない階段裏にやって来ますと、安達さんはこんなことを西村さんにお願いしてきます。
もうすぐ大ちゃんのお誕生日だから、それとなく大ちゃんの欲しいものを聞いてもらえないかな、と。
……そもそも大ちゃんと言うのは誰なのでしょう。
そこから尋ねてみますと、どうやら大ちゃん、と言うのは日野大地、日野くんのことのようです。
直接聞いた方がいいんじゃないか、と西村さんは言うのですが、それはちょっと、と安達さんが口ごもっていますと、そこに偶然通りがかった日野くんが現れます。
呼んだ?とそこに顔を出した日野くんに、西村さんが今の件を説明しようとするのですが、安達さんは西村さんの口を封じ、何でもないから、とその場から日野くんを追い払おうとするのです。
と、そこで日野くんはようやく安達さんの存在に気が付いたようで。
あれ、海美じゃん、珍しい組み合わせだな、となんだか親し気に呼びかけます。
そうかなと慌てふためいている安達さんですが、日野くんは顔が真っ赤だけど熱でもあるのか、と
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安達さんのおでこに自分のおでこをくっつけて……!!
安達さんは大慌てで、大丈夫だから、と全力ダッシュでその場を逃げ出してしまいます。
なんだ元気そうじゃん、と日野くんは笑ってそれを見送るのですが……
この反応、もしかしなくても……!

西村さんはその後安達さんを探し出し、今度こそ人気のない校舎裏で詳しい話を聞くことにしました。
やっぱり安達さんは、日野くんのことが好きなようで。
子供のころから一緒の幼馴染だと言う二人、昔は何も気にせず遊んでいたのですが、すこしだけ大きくなって、女子と男子がわかれて遊ぶようになっていくと、自分が日野くんのことが好きだと言う事がわかったのだと言います。
だから、西村さんのことちょっとうらやましいと思ってたんだ、と安達さん。
西村さんが、女子だの男子だのと言うグループ分けにこだわらず、高田くんや日野くんと普通に仲良しだから。
西村さんは、それは自分に他に友達がいないだけだから……と、すこし後ろ暗い気持ちになってしまうのですが……普段頼られる経験がほとんどない彼女、頼られたことが少しうれしくて、西村さんの頼みを受け入れることにしてしまいました。
クラスの皆には内緒だよ、などと言いながら後者に戻りますと、ちょうどそこにクラスの西村さんを弄り倒すグループの男子がやって来てしまいました。
安達が死神と話してる、安達は死神の仲間だ!と囃したてる男子たち。
西村さんは死神なんかじゃない、と言う安達さんですが、死神じゃないなら堂々と教室で話せばいい、こそこそしてる安達はスパイなんじゃないか、死神のスパイだ!と大笑いするのです。
安達さんが自分のせいで嫌な目に遭っている、うなだれる西村さんですが……
そこに高田くんが現れました!!
死神の下僕ってどう言う事?かっけぇ!
僕も死神の下僕になりたい!!
そう言っていつもの調子で大盛り上がりする高田くん。
一気に今日が削がれてしまった男子たちが、何か用かよと高田くんに尋ねますと…
今度の週末に日野くんにサプライズでお誕生日会をするんだけど、西村さんが来てくれたらうれしいなあ、と西村さんにお誘いを始めます。
当然その場にいた男子たちも誘う高田くんですが、死神が来ないなら行ってもいい、死神が来ると場がつまらなくなるからな、といやらしく言うのです。
確かに、と同意してしまう西村さん。
ところが、高田くんはきょとんとした顔でこう言うではありませんか。
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「死神」の西村さんがいてくれるから、毎日が楽しいんじゃないか。
西村さんがいてくれなかったら、きっと毎日が退屈だったよ!
顔を真っ赤にする西村さん、そして何を言っても高田くんには効果がないと悟った男子たちは覚えてろよ、と退散。
高田くんは、わかった、忘れないよう日記に書いておかないと、と悪気のないあざやかな返しを披露するのでした!

西村さんはそこで思い立ちます。
安達さんも来ないか、と。
それは彼女にとって願ったりかなったり。
ですが男子メインのサプライズ誕生日会に急に言ってもいいものか遠慮したのでしょう、いいの?と聞き返してくる安達さん。
ですが高田くんはいつもの笑顔で、全然いいよ、人数多い方が楽しいからね、と盛り上がります。
そこに、幼馴染の安達さんが来てくれたら日野くんも喜ぶと思う、と後押しする西村さん!
だったらおいでよ絶対に、と高田くんも喜び、そしてこう言うのです。
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西村さんの友達なんだもん、もちろん大歓迎だよ!!
日野くんのサプライズ誕生日会は大成功。
事前のリサーチも成功したようで、安達さんの送ったプレゼントの帽子も気に入ったようです。
そして西村さんにもいいことがありました。
流れで友達ってことになっちゃってごめんね、この前みたいにからかわれるかも。
そう申し訳なさそうに言う西村さんに、安達さんは答えました。
私もあの時言い返せなくてごめん。
西村さんのおかげで大ちゃんとまた話せるようになったし、二死無y羅さんが私の事友達って言ってくれてうれしかったよ。
それで、西村さんにちょっとしたお願いがあるの。
西村さんの事、
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茜ちゃんって呼んでもいい?
……西村さんは、顔を真っ赤に染めて、こう返すのです。
じゃあ私も、安達さんの事……



と言うわけで、西村さんに新しいお友達ができる今巻。
今巻でも高田くんの圧倒的陽の力が発揮され放題な本作ですが、その力のおかげか、彼女自身の成長のおかげなのか、安達さんと仲良くなることができました。
今までは高田くん主導(?)のお友達である日野くんくらいしか他のお友達がいなかったわけですが、今回は完全に西村さん自身の力で招き寄せたお友達。
安達さんもとってもいい子のようですし、西村さんの笑顔も一層増していきそうです!

この他にも見どころはたくさん。
西村さんに対抗心を燃やしている笠原さんのおかげで、西村さんにまさかの大役が任されてしまうエピソードがありまして、そのエピソードが大きく関わってる中編シリーズ遠足編も大きな見どころと言えましょう!!
西村さんと高田くんのもはや引き離せない気のする縁はここまで来たか、と言わざるを得ないこのシリーズもまさに必見!!
高田くんの陽の気が皆様の心もグイグイ癒していく本作、第3巻でも衰え知らずですよ!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!