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今回紹介いたしますのはこちら。

「マグネット島通信」第3巻 伊藤正臣先生 

新潮社さんのバンチコミックスより刊行です。


さて、突如として振ってきた謎の人工物。
その人工物の取り扱いと、皆が心待ちにしている祭りを巡って、様々な出来事が巻き起こりました。
ですがその裏では、そんなことなど言ってはいられないとんでもない出来事が起こりつつあって……!



猫神像の前にある、不思議な装置。
その装置を使うと、ここではないどこかへ物質を転送できるようなのですが、それがどこなのかはわかりませんし、なぜか転送できるものとできないものがあるようです。
初姫と小豆は、その送れるものと送れないものを調べていたのですが、初姫があることを試したいと言いだしました。
本やノートは転送できない。
でも、果物ならば転送できる。
この転送が、送った先の「誰か」にわたっているのならば、果物に解読した文字でメッセージを刻んで送れば、コンタクトが取れるのではないか、と!!
思い立ったが吉日、二人はさっそくリンゴにメッセージを刻み、転送を試みます。
本当に届いて、相手にコンタクトが取れるのか。
それはやってみなくてはわかりませんが、それでもやってみる価値はあるでしょう!
ともすれば、マグネットの謎にぐっと近づける、かもしれません。
二人は成功を祈りつつ、この作戦にこんな名前を付けました。
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「マグネット通信」と!

祭の夜がやって来ました。
いつもにぎわうお祭りですが、今年にお祭りはいつにもまして大盛況となりました。
全ては祭りのためにと頑張った立花の尽力。
……とついでに祭の前にSNSで投稿した果実酒がバズった初姫のおかげでしょう。
祭は盛り上がり、今まで島に溶け込めていないと悩んでいた立花のもやもやも晴れて行くのでした。
と、そんな時でした。
突然、
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祭り会場の灯りが消え、周囲が真っ暗になってしまったのは!
慌てて状況を確認しますと、どうやら配線で何か問題が起きたようで。
これを元通り復旧するのは時間がかかる、と頭を抱えているうちに、来場者同士がぶつかってしまったり、迷子が出てしまったりとトラブルが続出してしまうのです。
祭の実行委員側も大慌てで、いまひとつ統率が取れておらず……
このままではパニック状態になってしまうことも考えられてしまう中、本山田がある解決策を閃くのです!
初姫たちに声をかけ、行ったのは……!

ポゥ、と淡く光るちょうちん。
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電気系統が復活したわけでも、火を灯したわけでもありません。
提灯の中に入っているのは、マグネットです。
特定の組み合わせのマグネットには発光するタイプのものもあって、それを提灯の中にセットした、と言うわけなのです!
とはいえその組み合わせが作れたのは4組だけ。
4組だけと言うのに、祭り会場全体が問題ない程度に照らされる光量が確保できています。
そう言えば、猫神像には「コレはあなたたちの島で役に立つでしょう」と書いてありました。
もしかしたらこの出来事のことを指していたのでしょうか……?

ところであの空から降ってきた装置ですが、そこに記されていた文章自体は読み解くことができました。
文字はあの装置そのものの設計図か何かのようなのですが、その締めくくりに気になることが書いてあったのです。
「これは滅びと救済をもたらすもの」「使うかどうかはあなた達次第です」
……何か、危険な香りのする文章が。
島の誰かが言っていた核兵器と言うのはちょっと行きすぎかもしれませんが、無事まつりも終わろうとしていることですし、きちんとした機関に調べてもらうのが無難でしょう。
折しも祭りはクライマックス。
ウミヘビ様、どうかお鎮まりください、とお祈りを捧げる老婆を見て、ふとこの島で毎年行われていたと言う儀式を思い出しました。
ウミヘビ様を鎮めるため、岩にグルグルと銅線を巻き付けて行く儀式。
それをしなかった年は、島がいつもより早く沈んだとか……?
それにしても、円柱状の岩にグルグルと銅線を巻き付けると言うのは、アレを作っているかのようです。
……コイル。
島を沈めるウミヘビ様の力と、鎮めるのを食い止める海蛇巻きの力。
引く力と背く力、引力と斥力。
コイルで生み出す、磁力……
本山田の中で、何かの結論が生まれようとしていました。
が、その時まさに、
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石柱に巻き付けられていた銅線がほころび始めていて……!!



と言うわけで、いよいよとんでもないことが巻き起こってしまう本作。
この後、銅線が切れたことが原因なのか、本山田も、読者の皆さんも恐れていた大事件が巻き起こることになります!!
島の、島の住民の運命がかかった大事件を前に、本山田や初姫たちは何ができるのでしょうか?
普通の島やその住民ならば、ここは逃げることくらいしかできないかもしれません。
ですがここは磁辺島。
マグネットの力があれば、もしかしたら……!!

そしてマグネット通信の方も大きな進展が。
今まで謎に包まれていたマグネットと、転送。
物語がクライマックスになるとともにその謎も明らかにされていくのですが、畳みかけるように描かれる怒涛の展開はまさにハラハラドキドキの目の離せない展開に!!
解き明かされる謎と、迫りくる大異変……
そして最後に待っているちょっとにやりとしてしまうオチまで、必見ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!