「巨蟲列島」第6巻 原作・藤見泰高先生 漫画・廣瀬周先生
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。
今までRED ICE先生の作画で描かれてきた本作ですが、RED ICE先生が体調を崩されたとのことで、今巻より廣瀬周先生が作画となって再始動となりました。
廣瀬先生は07年に同名のアニメのコミカライズ「エル・カザド」でデビューされた漫画家で、チャンピオンREDを主戦場に、原作付きの作品を数多く手掛けられてきました。
廣瀬先生と言えば=エロスなサービスシーンと言ってしまいそうなほど、そっち関係に強い作品を描かれておりまして。
と同時にアクションシーンも得意とされておりまして、本作の作画にうってつけと言っていい人材でしょう!!
そんな新タッグで描かれるこの第6巻ですが、物語はクライマックス真っ只中。
一同は襲い来る2匹の巨大ムカデから逃れ、船に乗り込んで脱出しなければならない過酷極まるミッションに挑んでいます。
睦実たちはこの窮状から脱し、巨蟲蠢くこの島から脱出できるのでしょうか!?
二匹の巨大ムカデに挟まれる形になってしまった睦実たち。
ここはとにかく逃げの一手、と思われたとことでしたが、睦実が何やら閃いたようです。
ムカデをおびき寄せるためにこの場にやって来る途中に見かけた、大きな亀裂洞。
船上に残っていた甲斐たちは、二匹に増えているムカデを見て戦慄します。
とはいえムカデは睦実たちが引き付けてくれたおかげで、船からはかなり距離がある状態。
驚いている間があるなら、船に積まれている救命艇を海に下ろさなければなりません。
しかしムカデに絡みつかれた衝撃で、電気系統が死んでしまっているようで。
人力でウィンチを回し、船を下ろす必要があるのです。
おやっさんがウィンチを回そうとするものの、片腕を失った彼がその作業をしようと言うのはさあ菅に無理があるというもの。
慌てて涼子が交代し、甲斐とおやっさんには食料や燃料と言った必要な物資をかき集める作業をお願いするのでした。
睦実たちは、二匹のムカデがけん制し合っている隙に無事亀裂洞にたどり着いていました。
香住はここに隠れていればもう安全なんですよね、と睦実に尋ねるのですが、睦実の目的はまったく逆。
この中にムカデを誘い込む、と言うのです!
ムカデは闘争本能が強く、共食いすることもあるのだとか。
少しでも長い間船からムカデを引き離す必要がある以上、リスクはあってもできる限りムカデの気をそらそう、と言うわけです。
自然界ではムカデ同士の戦いは、命の危険が迫ったらどちらかが逃げて終ってしまうとのことで……
このままでは、逃げた片方が船を襲いかねない。
そう判断して睦実は、ムカデたちがおそらく死ぬまで戦いをやめないであろう状況になる、この狭い空間に誘い込もうと考えたのでした!!
とんでもない、早く逃げなければとカスミが怯えている間もなく、
猛烈な勢いで暴れまわる二匹のムカデ!!
三人は息をひそめながら、その戦いを見守ります。
洞窟が崩れ落ちるのではないかと言うほどの凄まじい戦い。
恐怖で声をあげそうになる香住の口を押え、じっと我慢していると……
やがて優勢になったムカデが、相手の体に巻き付いて抑え込み始めました!
これが睦実の待っていた脱出のチャンス!!
三人は静かに、洞窟から駆けだすのでした。
船には、別行動をしていた美鈴たちが一足先に船に戻っていました。
まだ救命艇は着水しておらず、事態はいまだ一刻を争う状況です。
交代した甲斐が必死にウィンチを回しておりますが、まだもう少し時間がかかりそう。
積み込もうとした燃料も陽気が破損していたようで、気化を始めていて……
さらに睦実たちも船に到着するまではまだ距離があります。
様々な面で危険が迫っている、そんな時だからこそなのでしょうか、悪いことは重なります。
どうやら予想よりもずっと早く、決着がついてしまったようです!!
しかもムカデは、まっすぐ船へと向かっていて……!!
救命艇はようやく甲板から外へ出て、あとは水面まで下せばいいと言う状態になったところ。
ウィンチを美鈴に任せ、残った面々は船内に食糧を積み込んでいたそこに、ムカデは迫っています!
今度こそ時間の猶予はありません。
船のエンジンを起動させ、着水したらすぐ動き出せるよう準備!
俺がウィンチを回すと出てこようとするおやっさんを美鈴が黙らせ、さらにウィンチを回し……!!
着水まで後1メートル前後!!
あと一息、と言うところで……
と言うわけで、クライマックスを迎える本作。
オオムカデと言うただでさえ厄介な虫が、巨大化した時の危険さは相当なもの。
そのムカデが二匹襲い掛かってくるわけですから、その絶望は想像を絶するでしょう。
そんなギリギリの中でも冷静な睦実ですが、やはり相手は自然。
ただ知識があるだけでは、このピンチは脱しきれないようです。
絶体絶命の危機に陥った美鈴たち船上組。
この状況をどう覆すのでしょうか……!?
そして、睦実たちは無事合流し、船に乗ることができるのでしょうか!?
本作は今巻でまさかの完結……なのですが、そのまま新シリーズ、「大巨蟲列島」がスタートします!
「大」がついて仕切り直しとなる本作、一体どうなって終わり、新シリーズはどう始まるのか!?
廣瀬先生の絵柄で装いも新たに始まった本作、虫の恐ろしさもグロテスクさもエロスも今までと負けず劣らず!!
こんごもやっぱり見逃せません!!
巻末には特別篇も収録。
睦実が虫好きとなったきっかけであるエピソードが明かされつつ、藤見先生ファンの方ならば思わず声の出るあの人が本格登場するこのエピソードも必見ですよ!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
コメント
コメント一覧 (2)
作画さんになにがあったのか詳しく知らないけれど長期休載は誰の得にもならないしね…しょうがない
普通は原作付きと言えどもなかなか連載を抱えると言うのは大変だと思いますが、廣瀬先生は一定以上のクオリティを保ちつつものすごい勢いで次々に連載されているのは凄いと思いますよ!!
本作も勿論その力を発揮してくれることでしょう!!