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今回紹介いたしますのはこちら。

「僕のヒーローアカデミア」第23巻 堀越耕平先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。


 さて、A組とB組の合同訓練の最中、出久に異変が起きてしまった前巻。
この力は一体なんなのか?
どうやら出久は自分どころか、オールマイトですらも未知である領域に踏み入った様で……



合同訓練が白熱し、雄英の面々がそれぞれ前に踏み出していた頃。
死柄木たちヴィラン連合は何をしていたのでしょうか。
それはまず、あのオールマイト不在のビルボードチャートが発表されるひと月半前にさかのぼってから話し始めなければならないようです。

オール・フォー・ワンが身柄を確保されたことをきっかけに、急激にその力と求心力を失ってしまっていたヴィラン連合。
活動資金も底をつき始め、強盗まがいのことをして何とか食いつないでいる状況に陥っていました。
その窮状はもちろんのこと、ステインの思想に感銘を受けてヴィラン連合に入ったスピナーなどは、この現状がどうしても受け入れられないようで。
とうとう耐えかねたスピナーは、死柄木の胸ぐらをつかみ、自分たちはどこに向かっているのかと問い詰めると……そのタイミングで、ようやく死柄木が待ち望んでいたモノがやって来たのです。
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大木かビルかと言うほどの巨体を持った異形のヴィラン、ギガントマキア。
彼は並ならぬ耐久力を持ち、改造なしの状態で複数の個性を持つすさまじい怪物。
オール・フォー・ワンのボディガードを務めていた経験もあり、あのオール・フォー・ワンが最も信頼する者の一人だったとの事で、彼自身もオール・フォー・ワンに心から心酔しきっているのです。
そんなギガントマキアは、ずっと合図を待っていたのだといいます。
オールマイトに戦力をそがれ、いつかは自分も敗北するかもしれないと懸念していたオール・フォー・ワンが、自分の後継者たる死柄木に自らの夢を継いでもらうために、絶大なる力を残していた……
その力であるギガントマキアですが、現れて早速死柄木たちに協力をしてくれる……かと思えば、そうではありません。
彼はオール・フォー・ワンに心酔しすぎているあまり、比べてしまうとどうしても戦力が一枚も二枚も劣る死柄木に落胆。
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自分には受け入れられない、と仲間になるどころか、ヴィラン連合に襲い掛かってくるではありませんか!!
気に入ってもらえるように頑張ろうってか?と荼毘がその火力でギガントマキアを押し返そうとするものの、ほとんどダメージが無い様子。
手の打ちようなどないのではないかと言う予感すら漂うのですが……ギガントマキアが姿を現した時に持ってきていた通信機から、ある人物が声を上げるのです。
その人物とは、オール・フォー・ワンの治療にもあたっていた、最大の側近ともいえる「ドクター」と呼ばれている男。
彼はその通信機からオール・フォー・ワンの声を流し、それによって一旦ギガントマキアを落ち着かせました。
そして、死柄木たちに「個性」を使ったのです!!
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あの決戦の時にオール・フォー・ワンが使用した、黒い液体で対象を包み込んで場所を移動させる個性。
それによって、死柄木たちヴィラン連合は、どこかの研究所のようなところへと運ばれました。
そこでまず目に飛び込んできたのは……
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無数の脳無……!?
ですが今までヴィラン連合が使っていた脳無とはどこか違うようで、ドクターは自慢げに言うのです。
今までの中位や下位とは違って、この子らは最上位(ハイエンド)じゃよ、より「マスターピース」に近づいたスーパー脳無じゃ!
そう饒舌に語ったドクターですが、だからと言って死柄木たちに気を許したわけではありません。
近づいて顔を見ようとすればすぐに身を隠し、不用意に近づいたら元の場所に戻してギガントマキアにミンチにさせる、と言うのです。
そこまで警戒している男が、なぜここに一同を招いたのでしょうか。
それは、やはりオール・フォー・ワンに免じてのことなのだとか。
ギガントマキアと同じように、ドクターもまた彼に命も技術も捧げています。
その後継である死柄木に協力するのもやぶさかではないのですが……なんといっても死柄木には入れ込むような実績が全く無いのです。
いままである程度ヴィランの恐ろしさを知らしめてきたにしても、それは脳無をはじめとしたオール・フォー・ワンの力を借りて「おこぼれ」に預かったに過ぎない。
そう告げるドクターは、何も為していない二十歳そこらの社会のゴミが、自分に何を見せてくれるんだ?と問うてきました。
……死柄木が再び世界を変えるほどの力を得るには、今のままではどうにもなりません。
やはりドクターの力は必要不可欠でしょう。
ですが……ここでの返答を誤れば、ドクターは死柄木を見切ってしまうかもしれません。
それどころか、ギガントマキアにすべてを叩き潰させてしまうかも……
……死柄木は、ゆっくりと中を見上げ、過去のことを振り返ります。
甘利につらい人生を歩んできたのか、過去のことはほとんど覚えていない死柄木。
ですが残された断片的な記憶を思い出すと、彼の心には激しい怒りといら立ちがわいてきて……
死柄木がやろうとしてきたことは、きっと最初から変わっていなかったのでしょう。
ドクターに向けてうつろな笑みを浮かべながら……死柄木は、自分が何をなそうか語りました。
それは……



と言うわけで、A組とB組の合同訓練から一転して、死柄木たちヴィラン連合の物語が描かれていく今巻。
死柄木の過去に何があったのかの全容が語られるのはまだ先になりそうですが、その心の中に秘めていた昏い思いと、彼の本当の目的が明かされました。
そしてその目的を聞いた時、ドクターはどうするのか。
最大の力であり、最大の障害でもあるギガントマキアは……?
そんないわばヴィラン連合の内輪もめのようなものが起きている中、同時にまた新たな勢力が動き出します。
その勢力は、どうもヴィラン連合が目障りなようで……
ドクターとギガントマキアに認められなければならないこの状況下で、ヴィラン連合に降りかかる厄介な火の粉。
オール・フォー・ワンの後継者になろうという死柄木に立ちはだかる関門は、相当厳しいものとなっていきそうです!!

そんなヴィラン連合の話がスタートする前、今巻の前半では合同訓練の決着と共に、出久に発言した謎の力の正体が判明するなど、こちらも見逃し厳禁!
オールマイトすら知らなかったワン・フォー・オールの真実の一部が明かされ、いよいよ出久が本当にオールマイトを継ぐ、最高のヒーローになる道が見えてきた……のでしょうか!?
ヴィラン連合の物語と共に、こちらの展開模様注目です!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!