「魔法少女サイト」第14巻 佐藤健太郎先生
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。
さて、管理人たちの魔の手が、魔法少女達の家族にまで及び始めた前巻。
彩は辛くも管理人から家族を守るのですが、その時に思いもよらない自分の出自の秘密を知ることとなってしまいます。
衝撃を受けずにはいられないその真実を知ったものの、時間は残酷に過ぎて行きます。
テンペストまで、もう残り時間はわずか……
その後も管理人の襲撃は続きましたが、何とかギリギリのところで家族を救うことができました。
と同時に、彩は管理人の「中」から、管理人の元にされてしまっている魔法少女を救いだすことができることがわかります。
これで彼女には、魔法少女サイト打倒に次ぐ重要な目的ができたわけです。
それは……露乃を、救いだすこと!!
彩は決意を固めるのですが、その目的を達するためにも、得た情報を皆で共有する必要があります。
10日後に迫ったテンペスト。
それは「新世界の創造」だと言います。
管理人たちは人類を作り替え、新たな人類の想像をしようとしている……
それを阻止するためには、10日以内に管理人たちを倒さなければならない!
一同がその情報を級友していたその時のことです。
要が、街の様子が変だと言い始めたのです。
……悪い予感ほど当たるもの。
街は、今まさに恐怖のどん底に叩き落とされようとしていたのです!
信号機が明滅し始め、やがて完全に電気が消えてしまいます。
駅のホームも真っ暗になり、電車も停車。
そして、いつもならばネオンがきらびやかに彩っている夜景も、真っ暗な闇に包まれてしまいました。
それは発電所から電気が共有されている施設だけにとどまりません。
携帯電話の電波も全くなくなり、すぐに携帯電話自体の電源が落ちてしまったのです。
次々と電気の消えている場所の範囲は広がっていき……
やがてそれは、空を飛ぶ飛行機にまで及びました。
動力を失った飛行機はそのまま落下。
暗闇に包まれた街の中へと墜落し、大きな爆発が巻き起こるのです。
コントロールを失った飛行機は次々と街の中へと落ちて行き、そして町は火に包まれていきます。
さらに停電の範囲はみるみると広がっていきます。神奈川、愛知、北海道、大阪、福岡、沖縄、
日本中が真っ暗になり、そしてそれは他の国にまで広がっていって……
一体これは何なのでしょうか。
……漆には、これが何なのかわかっているようです。
テンペストが始まったんだよ。
漆はそう言いました。
テンペストの予定日まではあと10日あるはず。
だと言うのになぜテンペストが始まってしまったのでしょうか?
漆は続けました。
与えられた命と感情を無だにするとは、本当におろかだよ人間は。
そんな人間が僕は面白かったんだけどねぇ。
でも、それも今日で終わりだよ。
闇に支配された街の中で、公然と現れたまばゆい光。
その光は、一人の少女から放たれているようです。
その少女は脚を止めたかと思うと、ふふふふ、と静かに笑いました。
すると、少女の足元がひび割れ、何かがせりあがってきたのですみるみるとせりあがった地面。
やがてそれは巨大な山のようになり、そこからは無数の手が生えてくるではありませんか!
すると……あまりにも恐ろし異変が起こり……!!!
世界は、まぎれもない終わりを迎えることとなったのです……!
と言うわけで、とうとうテンペストが巻き起こってしまった今巻。
予定よりも10日も早く始まってしまったテンペストですが、世界が終わると言うだけのことはあり、その規模はあまりに広く、その被害はあまりに甚大。
もはや彩たち魔法少女だけでどうにかできる規模であるとは思えないのですが……
それでも、彩たちもあきらめるわけにはいきません!
目の前で起きてしまった、驚くべき「終わり」。
ですがもしかすると、その状態から皆を救いだせる可能性もある、かもしれません。
泣いても笑っても、そのどちらもできなくなるかもしれない絶望を前にした彩たちの、その戦いを目に焼き付けましょう!!
そして今巻の前半では、魔法少女達と管理人の戦いが描かれていきます。
並ではない力を持っているとはいえ、無敵ではない管理人。
家族を守りながら、管理人の攻撃をかいくぐり、あわよくば撃退する……
激しい戦闘シーンと並行して本作の謎の部分を明かす謎解きも描かれ、目の離せない展開となっているのです!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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