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今回紹介いたしますのはこちら。

「うわようじょつよい」第1巻 派手な看護婦先生 

日販アイ・ピー・エスさんのLINEコミックスより刊行です。


さて、「団地魔女」以来久しぶりの単行本刊行となる看護婦先生。
看護婦先生と言えばしっかりと描き込まれた絵柄で、独特な世界観のなかでキュートなキャラクターが活躍する作風が印象的です。
そんな看護婦先生の最新作となる本作は、まさかのバイオレンスアクション……?



名前を呼ぶ声が聞こえ、つばさは目を覚ましました。
むっくりと起き上がり、地面に落ちていた眼鏡を拾ってかけると、目の前に広がっているのは……
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荒廃しきった、某展示場だったのです。
つばさに声をかけてきた少女、イナバはこう続けました。
新入りなんだから慎重にやれよ、MPの使いすぎで気を失ってたんだぞ?
つばさは、もう平気だよ、治ったから、と腕をぶんぶんしてアピールするのですが、それが空元気だと言う事はイナバでなくともわかります。
いくらつばさが嘘じゃないと言ってみても、すぐに彼女は力なく倒れてしまったのですから。
パワーを調節して使わないとまたこうなるから、その前に食べる!
イナバが倒れてしまったつばさのランドセルから取り出したのはお弁当箱。
そしてふたを開けたその中に入っているのは……築地直送の大トロでした!!
マグロはもうやだ、と拒否しようとするつばさなのですが、どうやら好き嫌いを言っている場合ではない様子。
なんでもつばさたちの武器は、MP(マグロポイント)の力で動いているのだそうで。
武器が動かなければ……死んでしまう、とか。
大トロを口に押し込まれたつばさ、もぐもぐと口を動かすと……うまいよぉ、と泣きだすのでした。

もう一切れ行っとくか、とイナバがマグロをつかもうとしたその時でした。
背後に、そいつが現れたのです。
チェックのシャツを着たそいつ……
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OTAが!!
気味の悪さの中にわずかなコミカルさをはらんだそいつ、OTAはうめき声とも鳴き声とも取れない、フモフオォオという奇妙な声を上げて……!!

頭をたたき割られました!!
OTAの頭を、少女漫画雑誌の様なもので叩き潰したのは、つばさたちの仲間の一人、青。
ヘッドショット、一発で仕留めたにゃ!
青ちゃん強すぎ伝説がまた一つこうしんされてしまったにゃ。
そんな個性的な語尾でノリノリなご様子の青、得物の本におそらく倒したOTAの数と思われる正の字を記しますと、イナバの方を振り返ります。
優等生のイナバが助けられるにゃんて珍しいにゃ?と悪戯っぽく笑う青に、イナバは自分のミスではない、新人のつばさがMP切れを起こしたのが原因だ、と反論。
そこで新入りは何体ぐらいやったのか、などと青が戦績について尋ねてきた……その時、むっくりとOTAが起き上がったのです!!
今日も青が最強確定にゃ、と見得を切ったそのタイミングで!
先ほどの本攻撃では致命傷に至らなかったようです。
すぐさまイナバは、自分の武器であるリリアンを取り出します。
そして、その先端についている電極的なものをOTA目がけて投げますと、電極はその額を直撃!!
ビリビリと電流が流れ、OTAは痙攣するばかりで身動きが取れなくなっているようです。
そしてイナバは、つばさにスキャンしてみて、と指示。
するとつばさは背負っていたランドセルを下ろし、その中から、どこかで見たような携帯ゲーム機の良なものを取り出します。
そのトップに就いたポケットカメ……もとい、カメラのレンズでOTAを捕えますと、そのOTAのステータスが表示されました。
「キモOTA」
カテゴリーみどり、たかさ2.3m、おもさ183kg、キモい。くさい。
キモOTAと言うのはOTAの中でも一番の雑魚なのだそうで、死ぬとくさい汁を出すとかで、ちょっと倒すのが嫌な相手のようです。
こいつの処理は節子にやってもらおう、とイナバが指名すると、その節子が突然その場に現れます。
勝手に別行動していた節子は、やはり仲間である大柄な少女、メロンスキーに肩車された状態で参上!
そして、勝手な行動すると怒られると咎められ螺にもかかわらず、むしろそっち方がいいとばかりに、人に従うだけで満足しているようなクリエイティブ性のない人間など豚も同然だ!といいきるのです!
その上キモOTAの処理も断り、こんなことを言いだしました。
ここはひとつ、ゲームで公平に決めようではないか、と!!
提案されたゲームは、だれしもやったことのある、上から落ちてくるブロックを綺麗に敷き詰めると詰まった段が消えて行くパズルゲーム。
あのキモOTAをスキャンしたスキャナー、特殊な操作をすることでパズルゲームをプレイすることができると言う隠し機能がついています。
しかも、近くの動機首都マルチプレイ対戦もできると言うすぐれもの。
争い事はゲームが解決してくれる。
そう言い切る青に、じゃんけんやアミダじゃダメなのかと尋ねようとするつばさですが、なぜか強い口調でゲームって言ってるにゃ!と却下されてしまうのです!
つばさはもじもじと、でもこのゲームじゃ不公平じゃないか、一人でも強い人がいたら成り立たなくなる、抵抗を試みるものの……
青は、そんなに負けるのが怖いのか、とつばさのスカートを力任せにめくってわからせようとするのです!!

もう逃げられません。
汚いクサいキモOTAを退治する役をかけてのゲーム勝負……
つばさは言いだせないこんな思いを抱いていました。
わたしのこのゲームの強さが、小学生最強レベルなんて言えない!
みんなごめんなさい、OTA処理をするのは嫌なので、本気で行きます!
そんな気合とともに始まったゲーム対決……26秒でつばさの敗北となるのでした……

現実を受け入れがたいつばさですが、やるしかありません。
ちゃんとパワーを調整して、弱めに行けばあんまり飛び散らないはずだから。
そう聞いたつばさは、手にした魔法のステッキ的な何かにMPを集め……キモOTAに振り下ろすのです!!
が、やっぱりうまいこと行きませんでした。
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キモOTAは真っ二つにちぎれ、そしてド派手に爆発!!
みんな仲良く汚れまみれになってしまうのでした……

どこからともなく聞こえてくる、夕焼け小焼けの曲。
この曲が流れると、撤収の時間なのだそうです。
手をつないで「壁」まで歩く一同、たどり着いた先ではフックのついたベルトが投げ渡されました。
それを装着すると、一気に引き上げられて……皆は巨大ヘリの中に収容されました。
中に乗っていたのは、眼帯をした一人の男性。
今日の「下攻」は楽しかったかい?
そうたずねた男性は、無線で帰投を告げると、ヘリを出発させるのです。
つばさたちが「下攻」していた場所。
それは……
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聳え立つ高い高い壁に囲まれた……有明だったのです!



と言うわけで、少女達VSOTAを描いていく本作。
とある日から有明に現れたOTA。
彼らの目的はこの後徐々に明かされていくことになるのですが、彼らがいる限り有明が人類の手に戻ってくることはありません。
そしてその彼らが居を構える有明に入れるのは、様々な研究の結果(そのあたりも語られます!)、つばさたちのような女子だけだと言う事がわかり……!

そんなこんなで巻き起こる、つばさたちVSOTA。
OTA達は様々な種類がいるようで、その中には油断ならない力を持っている者もいるようで。
つよいようじょたちの戦いは、一筋縄ではいきません!!

そんな本作の見どころは、やはり本作独特の雰囲気と豊富な小ネタでしょう。
つばさの過去と目的を中心にして進んでいくメインストーリーとともに、OTAの三座マナ目的などが明かされるる激化していく戦い。
そこにようじょたちの使う様々な武器はまさしくネタの塊と言えますし、ようじょたちの仲間である男の大人たちの強烈な個性なども楽しめるのです!!

果たしてつばさたちはOTAを掃討し、その目的を果たすことができるのか!?
全く予想できない先の展開が楽しみでならない本作、もはや見逃すことは出来ません!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!