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今回紹介いたしますのはこちら。

「チルドレン」第2巻 三浦みう先生 

スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスUP!より刊行です。


さて、子供たちが運ばれてくる死体の処理をしていると言う、恐ろしい施設で働くことになってしまった透。
何とかこの地獄のような園から逃げ出そうとする透でしたが、その脱出を計画していたある夜……目を覚ますと、透を慕ってくれていた幼い少女、未来が生首となってそこにいたのでした……



未来の無惨な亡骸を見てから、透の様子は明らかに変わっていきました。
そんな透に……桜子が、全てを教える、と言いだしました。
本当は私の事なんか思い出さないでいてほしい、もうどこにも行かないで、お兄ちゃん。
……そんな言葉とともに、桜子が語る10年前の真実とは……

五十嵐透、あれを人間だと思わない方がいい。
父親をしてそう言わしめた透は、その時も生きた丁を捕まえ、羽を毟って遊んでいました。
この園に連れられてくる少し前は、寝ている母親の枕元に火をつけて大やけどを負わせたのだとか。
悪くないことがわからないなら、父さんの真似を知ろ、父さんならどうするか考えろ、そうすればオマエも普通に……
透にそう語りかける父親なのですが、自分をじっと見つめる透の瞳の深い闇にたじろぎ、逃げるように園を去って行くのでした。
そうして園に預けられることになった透。
園にはまだ幼い桜子と、園長……桜子の「ママ」がいました。
預けられても透の行動は変わりません。
ネズミを捕まえて、殺そうとする透。
その場面を目撃した桜子は、何故そんなことをするのかと尋ねてきました。
透は、空っぽになったらどうなるか観察したいだけ、と答え……そして、父親のある教えに疑問を感じていることを明かします。
お父さんは、自分ならそんなこと絶対にしない、小さい命は大切にするべきだって。
じゃあ何で、母さんは俺の首を絞めるの?
……そんな透の言葉をじっと聞いていた桜子は、こう答えました。
通るお兄ちゃん、私と似てる。
ママ私の首ぎゅってするし、虫さんも潰して遊んでる。
お互いが、そんなことを言う人には初めて会った、と驚いていました。
透は自分の理解者ができたと喜んだのでしょう。
じゃあ教えてやるよ。
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小さい動物は一通りできた、この前は母さんで試して失敗した下から次こそ、もっともっと大きな獲物を。
桜子はその意味も解らず、うんと頷くのですが……

その一か月後でした。
透に言われるがまま、階段の手前に縄を貼り……
その縄に躓いて、ママが転落!!
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頭部を打って亡くなってしまったのは。

ママがいなくなった園は無くなり、入れられていた子供たちは他の児童養護施設へ入れられました。
透は父親の元に戻り、桜子はママの親戚に預けられたのですが……
様々な家をたらいまわしにされたあげく、とうとう厄介払いされてしまいます。
それも……人気のない夜の山奥に、ひとりぼっちで置き去りにされる、と言うあまりにもひどい方法で!!
ここなら虫も動物もたくさんいるし、さびしくないだろう、しばらくここで遊んでなさい。
そう言う大人たちでしたが、いくら桜子が幼くとも流石にその言葉を受け入れることは出来ません。
暗いの怖い、やだやだ、と大人たちに縋りつくのですが、大人たちは鬼のような表情で突きはなします。
この悪魔の餓鬼が、気味悪い事件起こしやがって、村から消えろ!
そう言って、桜子の首を絞めて……

桜子は、何日も何日も山の中で過ごしました。
そして、襲い来る飢えと寂しさの中で……こう考えたのです。
ママのところに帰らなきゃ。
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体を這う虫を掴み取って食べ、歩き始める桜子。
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まってる。
ママも、みんなも、透くんも。
ここで、ずっと待ってるんだから……




と言うわけで、桜子が今の園にたどり着くまでの真実が明らかになった今巻。
と同時に透が10年前に桜子と出会っていて、そのころの透は今の桜子達以上に危険であったことがわかります。
この後、物語は急転直下。
本当の自分を取り戻してしまった透は、今まで抑えられていた凶器を一気に噴出させて……!!

そして本作におけるもうひとつの謎、園に仕事を回している「京条」の正体も明かされることになります。
子供たちを利用してとんでもないことをさせている京条、普通の人間であるわけがありません。
とうとうその京条が動き出すこととなるのです!
狂気をあらわにし始めた透、全てを明かしたうえでどう動くのか分からない桜子、思い思いに動く子供たち、そして京条。
一触即発のこの状況で、果たして誰が生き残るのでしょうか。
いや、誰かが生き残ることができるのでしょうか……?
惨劇の末に待っているその結末とは……!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!