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今回紹介いたしますのはこちら。

「くにはちぶ -国八分-」第5巻 各務浩章先生 

講談社さんのマガジンエッジコミックスより刊行です。


さて、国八分に真っ向から立ち向かう決意をしたたんぽぽ。
迎えた新学期も、親友のあざみとともに学校に通い続けることにしたのです、が……



教室に入ると、そこには思いもよらない風景が拡がっていました。
そこに入るはずのクラスメイト達が……誰一人いないではありませんか。
いや、実際には一人だけ存在していました。
華厳かざり。
彼女はにこにことしながら二人を迎え入れ、あざみにこの状況を説明し始めました。
彼女は、自分が音頭を取り、クラスの皆と「学校に来ない」ことを決めたと言うのです!
かざりは一つの動画を再生し始めました。
それは先日、よめなの母が校長室に乗り込んできて、包丁を振り回しているシーンの動画です。
そしてその動画の中に、校長がくにはちのような事情があれば、登校しなくても卒業できると言う発言をしているのも映っていました。
その発言は、もちろんたんぽぽが学校に来ることがきっかけとなって、逮捕者が出るような事態にならないよう、たんぽぽが学校に来なくても卒業や進級できるように計らう、と言う意図からくるものでした。
ですがかざりはその発言を逆手に取ったのです。
くにはちが原因で登校が困難になるなら、登校しなくてもいい。
それなら、くにはちの、無視対象者に期せずしてかかわってしまうと言う脅威から逃れるために、同じクラスの生徒たちがその制度を使ってもいいはずだ、と!
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くにはちがいる、と言う事を認めることもくにはちに引っかかってくるわけですが、そこはそこ。
そこにくにはちが居なくても、なぜか問題なく卒業できるの、不思議だね!とわらうかざり……
と、そんな時、教室にもう一人の生徒が入ってきたのです。
その生徒、れんげは教室にほとんど人がいないのを見て、今日休みだっけ?ととぼけた言葉を言うのですが、れんげはそんな彼女に
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容赦なく椅子を投げつけるではありませんか!!
かざりは彼女にもしっかりと学校に来ないように言っていたようなのですが……
それでもやってきた彼女に、アンタ裏切者?と言う言葉を、椅子の次に投げかけたのです。
れんげはそんな狂気じみた行動にさらされてなお、怖い怖いととぼけて自分の席に着くのでした。
……あざみはここで、今日学校に来ていない人は全員かざりの味方ってわけだ、と確認。
そうだよ、みんな私のお友達、と笑うかざりですが、あざみはきっぱりとこう言うのです。
方向は違えど犬走と一緒ね、結局私たちを排除するってことなら、そいつら全員私の敵だな。
そんな毅然とした態度のあざみを見て、飾りはこう返します。
何言ってんの、全然違うよ!
私たちはみんな、あざみたちの味方だよ!
私動画見て感動しちゃってさ、国八分と戦うって。
無視なんて最悪だと思わない?
だから私たちは無視なんてしないでいいようにしたの!
そう言って笑顔を見せるかざり……
その表情には、一点の曇りもありません。
かざりは……本当にこれがいいことだ、と思ってクラスメイト全員に学校を休むよう命じている……!!
彼女のその底知れない感情は、恐ろしさすら感じてしまいます。
ですが現実的に考えれば、こちらのほうがたんぽぽの負うリスクは断然少ないと言えます。
たんぽぽだけは……と、あざみが考えているところで、たんぽぽ本人が口を出してきました。
かざりちゃん、私に味方してくれてありがとう、嬉しいよ。
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でも私には迷惑だから、やめて。
……しばらくの沈黙。
それを笑い声で破ったのは、れんげでした。
ごめん、思い出し笑い、とたんぽぽに対しての言葉ではないとのアピールをしておいてから、彼女は言うのです。
昨日テレビで、「お前が言うな」ってギャグ、面白かったわけ。
……確かにれんげの言うこともわかります。
このクラスで最も迷惑を振りまいているのは、自分であることはたんぽぽ自身わかっているのですから。
それでもたんぽぽは、口を開きます。
自分が無視を怖がって引きこもっていたら何も変わらず、期限が来て次の対象者が選ばれるだけ。
そうしてこの法律は10年以上続いてきた。
どうすればこれを止められるかはわからない、でも迷惑かけないよう大人しくしていたら、私たちの負けなんだ。
私の事が、くにはちぶが迷惑だと思うなら、迷惑でもみんな普通に暮らしてほしい。
それがくにはちぶと戦うことになるから。
かわりに私はもう二度と誰も逮捕なんてさせない。
それができなければ、
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私が消えるから。
もう一度だけ普通に生活させてほしい、それが私の戦うって意味だから。

もちろんたんぽぽがそんなことを言っても、自分の態度を改めるかざりではありません。
ではどうすればみんなが普通に学校にやって来てくれるようになるのでしょうか。
入学式が終わり、その日の学校が終わった後、その為にあざみとたんぽぽがやって来たのは……なんと、犬走の自宅だったのでした!!



と言うわけで、新たなトラブルが巻き起こった今巻。
今までたんぽぽに立ち塞がってきたのは、立場や思想、行動の仕方は違えど、ほとんどが彼女に対して敵意をむき出しにしてくる人物でした。
ですが今回の敵……いや、敵と言っていいのかはわかりませんが、その相手はあざみ=たんぽぽの味方である、とはっきり言い切る人物なのです。
彼女の行動は、くにはちと真っ向から戦おうとしているたんぽぽには障害となるのは間違いありません。
それでも、善意からくる講堂ならばきっとわかってくれる……とはならないのが、このかざりの問題となる部分なのです!!
この後、かざりの単純な「善意」ではない部分が次々と顔を出し、そして牙を剥き始めます。
それはみんなに学校に来てほしいと言うたんぽぽの願いをねじ伏せようとする、もはや悪意としか取れないような恐ろしいもので……!!
さらにそこにまた別の掛け値なしの悪意が襲い掛かるのです!

硬い決意とともに、くにはちと戦う決意をしたたんぽぽ。
ですが物語は、そんな彼女の決意を折りに行くかのように責め苦を与えてきて……
果たしてたんぽぽはこの国八分と言うおぞましい法律に打ち勝つことができるのでしょうか。
その道はまだ、一寸先も見えない闇のようです……



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!