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今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第24巻 川田先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、強すぎる意気込みがあだとなり、自らを見失って2連敗を喫してしまった鬼丸。
ですがその後、レイナやダチ高相撲部の面々のおかげで立ち直ることができました。
とはいえ背負ってしまった黒星は消えません。
打倒刃皇を果たすため、優勝をその手にするため、もはや一敗も許されない戦いに挑むのです!!




四日目、鬼丸の相手は大般若長光。
あの國崎の兄、兵藤です。
相撲の楽しさに目覚めた大般若は大相撲の道を選び、今や前頭四枚目と言う上位陣とも当たる位置に食い込んでいました。
よく言えば親しみやすい性格の大般若、取組前から派手に塩をまくなどのパフォーマンスを見せ、観客を沸かせておりました。
対する鬼丸は、昨日までの2連敗が嘘のように降りる居ているように見えます。
昨日まで全身にみなぎらせていた殺気が無い。
それは決して悪いことではないのですが……大般若からすると、その落ち着き払った様子、面白くないようです。
お前、俺のこと舐めてるだろ。
立ち合い、大般若は
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真っ向からかちあげてきました!!
大般若と言えば、学生時代から何をやってくるかわからない選手でした。
それは大相撲の関取になってからも変わらず、取組相手はつねに立ち合いの変化を警戒しなければいけないのです。
が、今日の立ち合いはその警戒をあざ笑うかのような、真っ向からのかち上げだったのです。
テメーみてえなチビに、変化なんかするかよバーカ!
強烈な立ち合いで鬼丸の体勢を崩し、攻勢に!!
イッキに鬼丸を土俵際に追い詰め、鬼丸に廻しを許さない手四つに組んだのです!!
そのちゃらんぽらんな性格や、変化上等のトリッキーな戦法から、誤解されやすいのですが……
186センチ、147キロと均整の取れた体に、奇抜な戦術を支えるためしっかりと築かれた土台。
奇をてらった戦いをしなくても、大般若は十分強いのです!!
早くもピンチに追い込まれた火ノ丸でしたが、なぜかその状態に陥ってなお、口元には笑みがたたえられているのです。
やべぇのに、負ける気がしねぇ。
力がわいてくる、気がする!!
鬼丸の後ろには、ダチ高の仲間たちが応援の檄を飛ばしています。
友情パワー!
そう叫びながら、土俵際でこらえる鬼丸!!
その様子をみて、大般若もまた笑うのです!!
馬鹿だねぇ、そうさ、オマエも「怪物」なんだよなぁ!
仲間の事を考えると力がわいてくる……のですが、先日レイナと約束した、場所が無事に終わったら……と言う一幕を思い出し、思わず力が抜けてしまいました。
大般若は素早くその隙をつき、自ら右手を話して手四つの形から脱却、余計なことを考える暇もないくらい俺との勝負に没頭させてやる、とエンジンをかけるのです!!
大般若は
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握ったままの左腕を軸に、ダンスのようにくるりと回転!
腕を決められた形になった鬼丸、このセオリー無視の戦法に付き合わないよう、対応腕を固めて対応しようとします。
が、今度は大般若、その腕を取って投げる引っ掛けに移行したのです!!
鬼丸はそれも土俵際でこらえ、今度は速く重い張り手、焼け炮でペースを取り戻そうとします。
ですが大般若もそれを潜り抜け、鬼丸にペースを握らせないのです。
何をしてくるかわからないこの緊張感……
國崎が大相撲に来ていたらこんな感じだったろう。
そんな考えが鬼丸の脳裏をかすめるのです。
頭で考えていては、大般若の攻めについていくのは難しいかもしれません。
頭で考えるのではなく、身体で反応する。
本能に身を委ねろ、もっと自分も馬鹿になれ!!
直後、
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蹴返しの相打ちと言う世にも珍しい状況が生み出されました!!
相撲としてはかなり変わった展開ですが……取組中の二人は実に楽しそう。
いきいきと相撲を取る鬼丸を見て、太郎太刀も安心した様子。
ようやく本当に、帰ってきたんだな、潮。
そして大般若もそんな鬼丸を見て手ごたえを感じていました。
あのインターハイ団体決勝で、久世に笑みを浮かべさせたお前と相撲を取りたかったんだよ。
気分を良くした大般若は、早速トリッキーな技の代名詞、八艘飛びで鬼丸の横に回り込もうとするのですが、取組前に撒いた塩に足を取られて足を滑らせてしまいます。
その隙をついて、鬼丸はすかさず、右下手を取りました。
それはかつての「潮火ノ丸」が得意にしていた形。
その形から繰り出されるのは……右下手投げ、鬼車です!!
ですが、その鬼車は不発に終わってしまいます。
大相撲で右腕に大きなけがを負ってしまった鬼丸。
やはりこの腕は以前のような鋭さを取り戻すことができないのでしょうか。
いや、そうではないのです。
実はその怪我はもう完治しています。
ですが怪我をした時のショックから、鬼車の打ち方がわからなくなってしまっていて……
体勢を崩した鬼丸を、すかさず相手の背中側で両手を取ってそのまま極める、五輪砕きに捕えようと狙う大般若!!
しかし鬼丸もこのままでいいと思っているわけではありません!
まだじゃあ!
ワシが帰ってきたのは、
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その先へ行くためじゃ!!
そうして鬼丸が繰り出した技は……見ていた観衆を、そして鬼丸と戦ったことのある者達を驚かせる、意外すぎる技だったのです!!



と言うわけで、一皮むけた鬼丸の仕切り直しとなる今巻。
優勝争いをするにあたり、序盤での連敗は致命的、もはや鬼丸に優勝の目は亡くなった、かに見えました。
実際かなり厳しくなってしまったことは間違いないのですが、これ以上黒星を喫しないことで可能性がゼロではなくなるわけです。
その為には、この大般若戦をまず勝つこと。
そして、今のままでは届かない刃皇に太刀打ちする力を手に入れるため、一戦一戦力をつけて行くことが重要です!!
果たして大般若との一番、どのような展開になるのでしょうか?
鬼丸の繰り出した技とは?
この戦い、見逃せませんよ!!

さらに、刃皇を越えるには、少なくとも刃皇にに配してもらわなければいけないわけで。
今場所優勝すれば引退すると豪語する刃皇、その実力はいささかも陰りを見せないわけですが……刃皇に勝ち逃げされるのをよしとしない力士は鬼丸だけではありません!!
鬼丸をはじめとした国宝たち、生き馬の目を抜く関取の座を堅守してきた猛者たち、鳴かず飛ばずの戦績を覆さんと燃える者たち。
刃皇の首を狙うそれぞれの力士たちの奮闘にも注目ですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!