「ハイスコアガール」第10巻 押切蓮介先生
スクウェア・エニックスさんのビッグガンガンコミックスSUPERより刊行です。
さて、勝ったら自分の思いを伝える、と決意して全国大会に挑むハルオ。
日本を発つ前に勝負を決するために大野もまた大会に向かうのですが、その心の揺らぎを表すかのように成績が振るわず……
二人の関係は、運命の決戦はどうなってしまうのでしょうか?
初戦で敗退してしまった大野。
ですがあることをきっかけとして、一気に復調!
敗者復活戦を勝ち上がり、見事準決勝にまで上り詰めました。
そして準決勝の相手こそがハルオ。
予想以上の大舞台で、運命の決戦が行われることとなったのです。
準決勝進出を決めたあと、大野はハルオの前にやって来ました。
いつものように何も言わない大野ですが……ハルオの前に立つと、ボンと胸と胸をぶつけ、鼻息を吹きながらハルオをにらみつけてきます。
その姿は、いつも通りの大野そのものなのですが……何故でしょう、いつもより格段に大きく見えるのです。
近いようで遠い、初めて会ったあの頃のような近寄りがたさすら感じられるそのたたずまい……
一体この短い間に何があったのでしょうか。
……いや、そんなことを言っている場合ではありません。
二人のこれからを左右する決戦が始まるのですから!!
壇上に置かれた2台のアストロシティの前に並び立つ二人。
二人はお互いの顔を見つめ合い、そして拳を合わせ……席に座りました。
当然キャラクターはガイルとザンギエフ。
ザンギエフには数々の必殺技が追加されて以前よりは飛び道具に対する対処方法が増えたものの、ガイルの方もいくつかの特殊技が増えるなど、攻め手が増えています。
やはりガイルが大幅に有利な組み合わせと言えるでしょう。
初めての邂逅も、ガイルとザンギエフでした。
そのころハルオが大野に抱いた印象は、憎くて忌々しい、いけ好かない存在、という物。
ですが今は
死ぬほど愛している!!そんな思いとともに、戦いは始まるのです!!
開幕いきなり大野ザンギエフのスクリューパイルドライバーがさく裂しました。
立ち回りはガイルが圧倒的に有利と言えど、一度捕まってしまえば話は別。
4回食らえば終わり、圧倒的な間合いの広さを誇るスクリューの恐怖はガイルと言えども平等に襲い掛かるのです!
飛び道具をかき消しながら近づくバニシングフラット、ジャンプ強キックによる飛び込み、小技で固めてからの投げ。
画面端の相手にはそれらの狂暴な牙が襲い掛かり、ハルオ話すすべなく1ラウンド取られてしまうのでした!!
ハルオもそれはもちろんわかっていますから……絶望するどころか、むしろそれでこそ大野、と奮い立つのです。
ガイル:ザンギは10:0。
そんな意気込みで、ハルオは第2ラウンド開幕からソニックブームを放つのでした!!
その後はまさに基本に忠実なガイルです。
中足払いで相手を追い払い、間合いが離れればソニックブームで体力を削りつつ牽制。
飛んできた相手はサマーソルトキックでしっかり落とし、ためが間に合わないようならリフトアッパー、しゃがみ強パンチで対空する。
格ゲー黎明期には待ちガイルと言われて忌避されてきた戦法ですが、完全なハメや詰みという状況が減って来たこの頃には、ガチンコでやりこむ者達の間では立派な一つの戦術として認められている……いわばガイルの正攻法です!
待って待って待ちまくる、この鉄壁は絶対に崩さない!
ハルオは基本に忠実に、固く守りを固め、じれて飛んできたザンギエフをコマンドミスの少ないしゃがみ強パンチで落とし、じわじわと体力を削っていきました。
近づけさせない、この鉄壁、越えられるものなら越えてみろ。
崩してみろ、大野!!
何度も、何度もザンギエフのジャンプをしゃがみ強パンチで落としていき……!!
これはもうただのリフトアッパーじゃない。
第2ラウンドは、第1ラウンドとは対照的に、ハルオが大野を圧倒したのです。
正真正銘、ファイナルラウンドがやって来ました。
ハルオと大野、どっちが強いのか。
ハルオは大野に、その想いを伝えられるのか……?
今まで溜まりに溜まってきたすべての思いを解放し、お互いがお互いにすべてをぶつけます!!
俺はゲームがあればそれで十分だった。
人から馬鹿にされてもゲームが支えだった。
今では、大野自身も俺の支えだ。
好きなゲームもさらに好きになれた。
本当に楽しかったんだ。
惚れた奴とともに、夢中に、真剣になれたことが。
だから今こそ、全力でぶつける!
体力ゲージは五分。
跳んで来い大野、跳んで来い。
跳んでみろ、跳べ!
そんなハルオの執念が通じたかのように、大野は前にジャンプ!!
そしてハルオはしっかりと反応し、勝利のガッツポーズ、リフトアッパーを放つのです!!
……が……!!!
と言うわけで、とうとうフィナーレを迎える本作。
二人の戦いはスト2で幕を開け、スト2で幕を下ろすこととなるのです。
ガイルVSザンギ、ハルオVS大野。
高い技術の応酬と様々な攻防が繰り広げられた格闘ゲームでの対戦と、不器用極まりない二人の恋愛。
果たしてそれはどのような終わりを迎えることとなるのか……
衝撃の決着は間もなくです!!
二人の格ゲー最終決戦が決着した後は、当然二人の想いの決着をつけないわけにもいかないでしょう。
ハルオは自分が勝ったら思いを伝えると決意しています。
ちゃらんぽらんなところのあるハルオですが、こうと決めたら轢かない頑固さは持っていますから、そこは変わりません。
ですがハルオが勝っても負けても、ハルオが思いを伝えようと伝えまいと、大野が日本を離れる、と言う事は変えられません。
それでも思いをその口から言わないまま、その耳で聞かないまま別れるなんてことができるでしょうか?
いや、できるはずがないでしょう!!
そんな二人の関係も、怒涛のクライマックス一直線!!
この期に及んであれこれ巻き起こるハルオの心中、大野の下した決断。
こちらも最後の最後まで見逃せませんよ!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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