「血まみれスケバンチェーンソー reflesh」第1巻 三家本礼先生
エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。
さて、見事なまでに「らしい」結末を迎えた「血まみれスケバンチェーンソー」。
そんな「血まスケ」が、早くも装いを新たに帰ってまいりました!!
果たしてあのエンディングから、物語はどんな展開を迎えることになるのでしょうか?
気になるその内容はと言いますと……?
くたばれギーコ!!
そう叫んでネロが投げつけたのは……ドッジボールでした。
血のドッジボール、なる謎の技名とともに放り投げられたボールは、カッと目を見開いてそのボールを凝視するギーコに向かって飛んでいき……おもいっきりその顔面に直撃。
ギーコはネロに怒りを爆発させ、襲い掛かろうとするのですが……「体育の授業中だから」と、爆谷に止められてしまうのです。
それでも怒りの収まらないギーコ、ボールの直撃によって噴出した鼻血を飛ばしてせめてもの反撃。
生徒の自主性を伸ばすために行われた体育の自習の時間は、結局ムチャクチャになってしまうのでした。
ネロとの決着を完全につける為、改造死体収容所に自ら乗り込んだギーコ。
なのですが、何があったのか……「恩赦」によってギーコやネロ、その他の改造死体たちはまとめて改造死体専用高校「ベニユリ学園」に入学することとなりました。
国のお金まで使われて作られたこの学園、改造死体をひとところに集めておきたいという思惑もあるのでしょうが……改造死体が本当に人間とともに暮らすことができるのか?という今後のための試金石でもあるようで。
出来ることならば、改造したでも心穏やかに、平和に暮らしたいもの。
その為には、ともすれば殺し合いになってしまいかねない改造死体同士の小競り合いはさけ、極力仲良く暮らしたいところ。
そしてそれが一番難しいのは……因縁深いなんてものではない、ネロとギーコの二人なわけです。
平穏な暮らしをしたいのはギーコも同じ。
アタシだってみんなの足を引っ張りたかねーぜ、喧嘩はなしだネロ、いいな。
ギーコがそうネロに語り掛ければ、ネロはこう返すのです。
お前次第じゃない?ギーコ、と。
……やはりネロとギーコ、相容れない関係のようです!
そんなことをしていますと、突如クラスに校内放送が響き渡ります。
それは、ギーコを呼び出す学園長からの連絡でした。
先ほどの体育での乱闘まがいの騒ぎのお叱りを受けるものだと思い込んだギーコは何であたしだけ!?と不満顔。
ネロは嬉しそうに、存分に叱られてらっしゃいと高笑いするのです。
ですがその放送を聞いたクラスメイトの鉈叉(ナターシャ)と麻朱(マッシュ)だけは何かに感づいたようです。
早速ギーコを呼び止め、こんなことを話し始める二人。
それは、聞き逃すことのできない意外な話でした。
この学校に一緒に入学した改造死体の里眼(リーガン)。
そしてそれ以来、連絡がつかない、と言う……!
ギーコが呼び出された園長室に入ると、そこには二人のシスターが待ち構えています。
そしてギーコに座らせますと、なんと彼女達、いきなりリーガンについての話を始めるではありませんか。
なんでも彼女、1週間前の転校はある「任務」のためだったとのこと。
彼女が向かったのは、あるイタリア人が70年前に来日して創立した「聖アルジェント学院」なる学校。
リーガンは彼女の持つ「眼」の力を買われ、ある調査に向かったのです。
自分一人で十分、仲間は不要。
そう言い切ったリーガンが、アルジェント学院に何を調査しに行ったのか?
それは……独自の進化と成長を遂げた改造死体の調査、とのこと!!
危険を伴うため、戦闘力の高いリーガンを向かわせたわけです。
が、結果は
匿名で、彼女の無惨な死体を映し出した写真が届く、と言う残酷な仕打ちで白されっることとなってしまい……リーガンの身に何が起きたのか。
どちらにしろ、このままで済ますわけにはいかない。
シスターはそう言おうとするのですが、その前にギーコが食って掛かりました。
ようやく自由になれたアイツに何をさせた?なんでアイツがこんな目に合わなくちゃならねーんだ?
久手かかるギーコに、シスターは現実を突きつけてきました。
改造死体は古くから世界中にいる、討伐するものが必要なのだ。
日本政府が密かに打ち出した方針は、
改造死体には改造死体を。人間の犠牲者を出さないために。
……あまりに自分勝手な言い分に、もともと堪忍袋の緒が脆いギーコはぶち切れます。
ふざけんな、テメーがやればいいだろぉ!
そう叫んでシスターの顔を殴りつけると……
嵌めていた仮面が外れ、そこから傷だらけの顔が覗きます。
それは彼女達が今まで、ギーコやリーガンのように改造死体と戦い続けてきたあかし。
何人もの仲間を失いながら我々は戦った。
学園長は、体中のもっとひどい傷に加え、娘まで失いながら……
学園長の娘は、戦いに向かう前にこう言ったそうです。
私がやれば皆は無事なんでしょう、と。
ですが彼女はいつの間にか道を踏み外し、悪の道へ進んでしまったといます。
そして……ギーコによってその命を落としました。
学園長はギーコに感謝していると言います。
ギーコやネメシスが娘に破れていれば、自分たちが出向かなければならなかったのだか、と。
リーガンに続いての候補者は三人いたと言います。
まずは強大な力を持ち、かつてギーコを苦しめたネメシス。
ですがクラスのまとめ役である彼女をいきなり派遣するのは、失った時のリスクが大きすぎます。
そして次はネロ。
あの悪魔的な頭脳はどんな窮地に陥っても何とかできそうな期待感はあるものの……なにせネロですから、まだ「義」の心はめばえておらず、正義を託すにはまだ早いと言わざるを得ません。
……ところで、この会話を何名かが聞いていることをギーコは気付いているのでしょうか?
ネロは園長室にカメラを仕掛けているようで、映像付きで様子を見ています。
そしてナターシャとマッシュ、そして爆谷はこっそり園長室の前で聞き耳を立てているのです。
そんな状況で、ギーコは言いました。
あたしだっていやだぜ?
誰かに指図されるとか冗談じゃねーよ。
はあーあ、あたし、中卒で収容所暮らしを覚悟してたからさ、高校は入れて嬉しかったんだよな。
文化祭とか運動会とか多分さぼるけどよ。
「お化け屋敷がしたい」とか早くも言ってるやつとかいるしなあ。
まああたしはさぼるから関係ねーんだけど。
でも……
あたしが引き受けて上手くやりゃあ、みんなは文化祭とか運動会とかやれるんだな?と言うわけで、学校生活もつかの間、一人潜入調査に向かうことになる本作。
普通の漫画ならここで、自分がスパイだとばれないように学園生活を送りながら調査を進め、好きをついて一人ずつ悪の改造死体を倒していく展開になるでしょう。
ですがそこは流石としか言いようのない三家本先生!!
常識をはるかに超えるセオリー無視の、いや、三家本先生作品のセオリーを踏襲した、ハイテンションでスピーディー、そして血潮飛び散るグロテスクでダイナミックな展開が待ち受けているのです!!
今まで数々のスプラッタホラーアクションを描いてきた三家本先生ですが、今巻もまさに安心のクオリティとなっております!!
今まで通りド迫力のアクション、容赦ないストーリー展開、シュールなギャグシーンと各種取り揃え。
それでいて、今までとは違う新たな表現に挑戦してみたり、ネロが(一応)仲間と言う立場にいるという新鮮な設定を盛り込んでみたりと、新たな要素も充実!!
新章も目の離せない展開が待っていそうです!!
さらに巻末には、今回2度目となる映画化に関してのリポート漫画を収録!!
豪華10Pのリポート漫画、「ゾンビ家れい子」のVシネマ版なんかにも触れた、興味深い内容となっておりまして、こちらも見逃せない内容となっています!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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