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今回紹介いたしますのはこちら。

「ボスレノマ ~囚人リク外伝~」第1巻 瀬口忍先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。


さて、18年見事完結を迎えた「囚人リク」。
二度にわたる脱獄から、打倒鬼道院までを描き切った本作でしたが、早くも外伝が連載されました。
今回の主役は本作の人気キャラ、佐々木レノマ。
本作はそのレノマが、あの極楽島刑務所に収監され、第27木工場を統べる「ボス」になるまでを描く作品となっているのです!!




極楽島特級刑務所、第27木工場。
脱獄不可能とまで言われたその刑務所のとある木工場に、また新たな囚人が連れてこられました。
まだ幼さの残る、ぼさぼさ髪の少年。
看守は彼に自己紹介するように命じましたが、彼は看守にこんなことを言ってのけるのです。
てめえがやれ、勝手に連れてきたんだろうが。
もちろんそんな言葉を黙って見過ごす看守ではありません。
怒り心頭、青筋を立てて殴りかかろうとするのですが、少年の方が目にもとまらぬ速さで
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看守の顔面に蹴りを一閃!!
俺に命令するな、と監獄に置いてなお我を貫き通すのです。
すぐに飛び出してきたほかの看守たち数名に取り押さえられてしまう少年ですが、おかげで彼が並の囚人でないことはみんなすぐに感じ取ることができました。
そんな中には、彼のことをすでに知っている者もいたようです。
少年の名は佐々木麗乃真。
スラムNo2のギャング団、ダブルドラゴンクロスのボスだ、ということを。

監獄の外の情報をある程度知っている者なら、レノマのことを知っていてもおかしくはありません。
レノマは以前スラムNo2だったチーム、ティアーズオブゴッドをぶっ潰し、自らのチームの勢力を拡大。
今や構成員6000人を超える、超巨大チームに育て上げたのです!!
スラムで頭をはるからにはフィジカル面ももちろん強いはずですが、そのリーダーシップ、人望もさるもの。
まさしく一目も二目も置くべき存在……だった、のでしょう。
ですが、どんな隆盛を極めたチームのボスだとしても、この絶海の孤島、極楽島に収監されてしまえばすべては終わり。
外でどんな人物であっても、その権力は深すぎる闇の立ち込めるここにまでは届かず……
あくまで新入りの「囚人」にすぎないのです。

看守相手の大立ち回りの結果は、保護房という名の窓ひとつない部屋への監禁というペナルティでした。
レノマはそれでも心を折ることなく、唯一の出入り口となる扉を何度も蹴り続けます。
俺をつぶそうったって、そうはいかねえぞ。
俺の俺を決めるのはてめえらじゃねえ、俺だ!!
勢いをつけての飛び蹴りで一気に扉をけ破ろうとするレノマ。
ですがその蹴りが届く瞬間、その扉がわずかに開いたではありませんか。
隙間から覗くのは、レノマが蹴りを叩きこんだ看守のいやらしい笑顔。
直後、扉は再び閉められ、蹴りのポイントをずらされてしまったレノマは扉にぶつかり、地面にたたきつけられることとなるのです。
看守は改めて扉を開けて中に入ってきました。
そしてレノマの頭を容赦なく踏みつけながら、こう告げるのです。
いいのかなぁ、いつまでもそんな反抗的な態度でさ。
何か忘れてんじゃねえか?
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シャバの可愛い部下ども6000人、無事だといいのになあ。
皮肉よのぉ、シャバでは自慢のファミリーが、地獄島ではとんだ足かせになるとは。
……これ以上レノマが看守にたてつけば、レノマのチームのファミリーがどうなっても知らない。
看守は非道にも、監獄の中からは守ることができないファミリーを人質にとったのです……!!

レノマの刑期は28年。
このまま看守の言いなりになって。ただただ無為に過ごしていくことしかできないのでしょうか。
煮えくり返るはらわたを収める手段も見つからず、昼休憩の間レノマは一人物陰で歯を食いしばることしかできません。
と、そんなときのことです。
いきなり十数名の第27木工場、ニーナナの囚人たちがレノマを取り囲み、押さえつけてきたのは!!
その集団のリーダー格らしき男は、ニーナナのボス……ではありません。
ニーナナの囚人のNo2、草津です。
草津は他の囚人たちにがっちりとレノマを押さえつけさせると、レノマの硬めを強引に指で見開かせた状態に固定。
そして、地面から砂をかき集めながらレノマに語りかけました。
ここは弱肉強食の世界だ。
「力」が全て、「力」無きものは従うのみ、それがここのルールだ。
草津は集めた砂を片手に握り、
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見開かされたレノマの右目へと落として……!!
その痛みはおそらく想像を絶するものでしょう。
拷問まがいのそんな行為を見た看守は……囚人同士が「仲良く」してくれると助かる、などと宣って、手を出す様子はありません。
目へ砂を落とすだけでは飽き足らず、囲みこんだ十数名でこれでもかと言うほど暴力を振るい……
ボロボロになったレノマは、じっと自分の掌を見つめ、つぶやくのです。
ルール……力……
俺は、何もねえ。
俺は、こんな所でよ……生き抜く方法なんて何もねぇと思ってた……
まるで自分の無力さを嘆くかのような、そんな言葉。
ですがそこから、少し様子が変わってきます。
その右手を握り、拳を作るレノマ。
そんなルールがあんなら、早く教えろってんだよ。
そう言ったかと思うと……
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レノマはあまりにも強烈な跳び膝蹴りを草津に見舞ったのです!!
その一発で草津はあっけなくノックアウト。
凄まじいインパクトに、何もできなくなってしまう他の囚人たち、そして思いがけない光景に驚き呆然とする看守。
そんな奴らに知らしめてやらんとばかりに、レノマは大見得を切りました。
力が全て、上等よ。
見てろよ、第27木工場は俺が必ず支配してやる!!




と言うわけで、あのレノマがニーナナのボスの座を手に入れるまでを描く本作。
この後、レノマの前にニーナナを仕切っていた男、膳所が登場。
腕っぷしはもちろんの事、その性格も残虐でいやらしい、膳所との戦いが繰り広げられていくのです。
とはいえ、そこに至るまでにはクリアしなければない課題がいくつもあります。
いくらレノマが喧嘩に自信があると言っても、一対一に持ち込めなければやられてしまうだけ。
その為には、膳所を孤立させるか、あるいは膳所の方から一対一を望むようにしなければならないのです。
そしてその為に、レノマは膳所が無視できない地位を手に入れる必要が出てきます。
いくら6000人のファミリーがいるレノマと言えど、監獄の中、独力でそんな地位を手に入れることは出来ず……?
果たしてレノマはどうやって膳所に戦いを挑むのでしょうか?
そして、膳所を倒し、ニーナナのボスに収まることができるのか!?
「リク」の人気キャラ、レノマの過去が明かされるこの外伝も、本編とは一味違いながらも引けを取らない熱い展開が楽しめるのです!!

そして本作は全2巻構成でギュッとコンパクトにまとまったお話になっているのもポイントの一つ。
完結巻となる第2巻は19年3月発売!!
スピーディーに繰り広げられるレノマの奮闘をその目でご確認ください!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!