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今回紹介いたしますのはこちら。

「かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~」第12巻 赤坂アカ先生 

集英社さんのヤングジャンプコミックスより刊行です。


さて、かぐやと白銀の恋愛の駆け引きを描いていく(?)本作。
その二人とともに石上とミコのお話なども同時に進行し、それぞれ気になる展開が繰り広げられているわけですが、やはり最大の肝はかぐやと白銀の関係でしょう。
今巻では今までなんだかんだくっつきそうでくっつかない感じでしたが、その関係が変わりそうな、そうでもないようなお話がいくつか収録されていまして……?



にこやかにいくつかのグッズを生徒会室に持ってきたつばめ。
秀知院のお煎餅やお饅頭、キーホルダーと言ったさながら観光地のお土産のようなランナップですが、これは購買部に置く割と本気で観光地土産なのです。
文化祭で販売されるこれらの売り上げがOB会の活動資金になるので、業者に発注して作ったのだそうですが……
その商品お改めていたかぐやが気になったのは、毎年必ずあるハートのアクセサリー。
何でもそれは秀知院に伝わる伝説を由来にしたアイテムで、要するに病に苦しむ姫を愛する男が自らの心臓を捧げて治してあげた、と言う昔ばなしを元に作ったものなんだそうです。
オカルトとかロマンティックとかいうものに興味がない、とどうでもよさそうな反応をするかぐやなのですが、その後続けられたこんな話を聞くと思わずときめいてしまいました。
この学校の文化祭、奉心祭でハートの贈り物をすると、永遠の愛が齎される。
そのときめきをさらに滾らせるようにつばめは自分の兄もこれで告白されたけど、この間その相手と結婚したからマジで効果があるっぽい!と熱弁!!
色めき立ってしまうかぐやに、ツバメはサンプルをどうぞとハートのキーホルダーをかぐやに渡して去って行くのですが……

一人になったかぐやはいろいろと考えてしまいます。
そんな伝説があるならもう少し早く知りたかった、文化祭まであと数日だから今から仕込みをして会長から自分に渡させるのは難しい。
かといって自分から渡すなんてことをしたら、まるっきり告白じゃないか、それはあり得ない!!
……でも、永遠の愛が齎されるという伝説にはあやかりたい……
そこでかぐやは、こんなことを思いつきます。
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水玉模様が無数に並んだハンカチの、その水玉の一つがさりげなくハートになっている、みたいなアイテムを渡せばいいんじゃないか!?
でももしそのさりげなく紛れ込ませたのがばれてしまえば、そこをつかれてイニシアチブを取られてしまうかもしれないし、その紛れ込ませを狙うと言う行為が本気っぽくて、そうなった時のダメージは大きい。
じゃあ物証の残らない食べ物をハート形にしてはどうだろう。
イチゴやリンゴをうまい具合にカットすればハート形になる、それをπか何かで包めば絶対にばれないじゃないか!
……でもそのハートを包丁とかでカットされてしまえば、なんだかビジュアル的にブレイクハートっぽくていや、永遠の愛が壊れそう!!
そんなことを考えに考えているうちに、自分は何でこんなに言いたいこと一つ言えないほど悩んでいるんだろう、いつの間にこんな臆病になったんだろう、とまた別の悩みで頭がいっぱいになるのですが……
そこに、白銀が現れたのです!!
ですが白銀、なんだか疲れ切った表情で書類の束を持っているではありませんか。
なんでも文化祭実行委員の仕事でできる仕事をいくつか持ってきたのだと言います。
生徒会の仕事も十分多く、会長の仕事は猛キャパオーバーだと言うのに、一体なぜそんなことをするのでしょうか。
心配するかぐやに、白銀は知れッとこんな言葉を返すのです。
キャパオーバーなのは皆も同じだ、ここで俺がしっかりしておけば当日実行委員の手も空いて、多少文化祭を見て回る余裕もできるだろ?
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一番頑張った人たちが文化祭を楽しめないなんてのは、あんまりだからな。
かぐやは、そんなしろがねのことばをきいて、しみじみと感じてしまいました。
何気ない一言がこんなにも……
気取っても、格好つけているわけでもないのに、こんなにも魅力的だと思ってしまう。
あと一歩、先のステップに進んでみたい。

で、おうちに帰った後です。
かぐやは早坂に、明日までに例の水玉にハートの混じったデザインのハンカチを探して来い!と無茶ぶりしていました。
早坂はそんな必死なかぐやを見て、これを送るってことはもう告白みたいなものなんじゃないか、まあかぐや様はなんやかんや理由をつけて別に私は会長が好きなわけじゃないとか言うんでしょう、と言いかけたのですが……
そこでかぐやは、こんなことを言うのです!
好きよ。
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私は、白銀御行が好き。
……恋愛は好きになった方の負けである。
そんな持論の元に生きている彼女にとって、好きであると言う言葉はプライドを損ねる言葉だったのですが……
かぐやは敗北感を感じるとともに、重荷を下ろしたような感覚を抱いたのでした。
……が。
恋愛が、最初に好きになった方が負けであると言うのなら。
白銀は、とっくの昔に敗北しているのです。
……それは一年前の四月。
入学式から間もない春の日、彼らが出会った、始まりの日の事……



と言うわけで、かぐやが自分の気持ちに素直になる今巻。
とはいっても白銀の前でも素直になれるかは別問題ですが……
それでもこのお話にとってこのことは大きな一歩となるでしょう!
そして今巻の最初の方で、白銀の方もある決意をいたしまして。
文化祭に向けて、いよいよ二人の関係が一挙に進んでいきそうな気配がプンプンと臭ってくるのです!!
果たして二人はとうとうくっついてくれるのでしょうか?
クライマックスは近い……のかもしれません!!

さらに気になるのが、紹介したエピソードから始まる二人の関係の始まりを描く回想シーン。
白銀はいかにしてかぐやに心を奪われることになったのか?
それが明かされていくであろう、かぐや様エピソード0とでもいうべきこちらのお話も必見と言わざるを得ません!!

そんなクライマックスに向けた仕込み系のお話が豊富な今巻ですが、通常営業のお話もあるのでご安心くださいませ。
様々なキャラの空回りなんかもたっぷり堪能できますよ!!




今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!