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今回紹介いたしますのはこちら。

「食糧人類 -Starving Anonymous-」第6巻 原作・藏石ユウ先生 漫画・イナベカズ先生 

講談社さんのヤンマガKCより刊行です。


さて、和泉所長が長年かけ、ひそかに練り上げてきた怪物を地下に閉じ込めて飢え死にさせるという作戦。
多大な犠牲を払ってきた甲斐あって、その作戦は見事成功、とうとう人類は怪物たちの支配から逃れることができた……はずだったのです。



突然、和泉所長を刺した花島。
花島は自分でも何をしているのか分かっていないようです。
ずっと頭の中に、殺せ殺せって声が聞こえてきた。
そう言ってうなだれる花島は……そのままフラフラと歩き始め、そっと手を伸ばして何かのスイッチを押そうとしました。
その手を払って静止する山引。
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それは地下非常口の扉を開くボタンですね?
それを押すと、地下に閉じ込めたアイツらが地上にうじゃうじゃ出てくるんじゃないですか?
……和泉所長が血を吐く思いで積み上げ、ようやく結実した作戦を、何故花島は台無しにしようとしたのでしょう。
花島は……突然錯乱したように暴れて山引を突き飛ばし、人が変わったかのような言葉を叫び始めました。
なんだお前は!!
何でお前ら邪魔をする!!
……よくよく見れば、花島の体から、触手のようなものが伸びています。
そしてその触手は……怪物たちの女王、クイーンにつながっていて……!?
花島に突き飛ばされた山引は、花島の信じられない力によって首が180度ねじれてしまっています。
ピクリとも動かない山引……どう見ても、その命はもう……
仲間の死を目の前にして戸惑う伊江達。
そんな伊江達に、花島は白目をむき、鼻や口から血をだらだらと流しながら、奇妙な声で話しかけてきました。
なぜ邪魔しますか?
もう終わりだよ、長い時間をかけてきたのに。
私たちは、
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キミたちと仲良くなりたかったのになぁ!!
手前どもはあんたたちとずっとずーっと、仲良しこよしでいたかったよね。
君たちがいて僕がいる、それすなわち共生と呼ばるる!!
君を守ろうとしたのに、こんな仕打ちさ!
増殖種まで作ってやったのに、わしゃもう知らん!!
耳を劈くような大絶叫を終えた花島は、再びあのボタンに向かって歩き出します。
それに気が付いた伊江、すぐに追いかけてその行動を阻止しようとするのですが……どうやらわずかに遅かったようです。
花島の拳は、ボタンにたたきつけられました。
絶句する伊江たち。
そして……静かに、ゆっくりと、その時はやって来てしまったのです。
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門は開き始めます。
地響きのような音を響かせながら。
ほどなくして扉は完全に開き……閉じ込められていた無数の怪物たちは、口々に開いた、助かった、と漏らしながら外へと出始めます。
地下室の外へ。
……施設の、外へ。
その様子を伊江たちはもう、モニター越しに見送ることしかできません。
おかかすいた。
唾液をしたたらせながら、外の世界へと出て行く怪物たち。
その食欲はもう、収まることはないでしょう。
……おそらく、地上の食糧……人類を、食い尽くすまで。



と言うわけで、思いもよらない展開を迎えることとなった本作。
この施設の中で人間を餌としていた怪物達ですが、とうとう鎖を解き放たれ、地上へと向かってしまいます。
怪物の生半可ではない力は皆様ご存知の通り。
さらにそこに加えて、膨大な数がいるわけで……!!
軍隊が出張ったところで処理しきれるとも限らないその数、果たして人間たちはその猛攻を防ぐことができるのでしょうか。
絶望しかないこの状況に置かれた中、クイーンは全てを目の当たりにしていた伊江たちに衝撃の真実を伝え始めます。
怪物たちの正体は何なのか。
なぜ人間たちを支配するような行動をとっていたのか。
スイッチ一つで怪物を解き放てるなら、なぜこの状況でようやくそうしたのか。
クイーンの、怪物たちの本当の目的をはじめとした数々の謎が解き明かされ、そして物語は新たなステージへ向かうのです!!

クライマックスを迎えた本作ですが、全てを知った伊江と小倉だけではこれから事態をどうにかできるとは思えませんし、実際出来ないでしょう。
ですがそこで、もしかしたらこの事態を解決できるかもしれない、起死回生の一手が披露され始めるのです。
しかしその一手と言うのが……そう、本作ならではのとんでもないもの!!
とんでもない展開で今巻も驚かせてくれる本作ですが、最後まで驚きの展開を見せつけてくれそうです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!