rj0
今回紹介いたしますのはこちら。

「煉獄女子」第2巻 室井まさね先生 

竹書房さんのバンブーコミックスより刊行です。



さて、儚げな美少女、霧恵と友人になった詩音。
ですがその霧恵には何やら恐ろしい秘密があるようで……彼女の周囲では、ラテン語のメッセージを残す連続殺人事件が巻き起こっていきます。
遂には、詩音をいじめていたグループのリーダー格であった少女、伊島が首をつった状態で発見され……!!



首吊りしたいとして発見された伊島。
連続殺人事件を担当している刑事の真壁と羽賀は、その調査に当たっていました。
今回の現場に残されていたメッセージは、「noli me tangere」。
「我に触れるな」……
そのメッセージを書いたと思しきペンからは、伊島の指紋が検出されました。
ですが、遺書かとしては変な文章です。
真壁は、指紋がついていたからと言って伊藤が描いたものとは限らない、とみています。
2か月足らずの間に二人の少女が変死し、ラテン語のメッセージがガンバに残されている。
そして、
rj1
その両方のクラスメイトが……瀬尾霧恵。
真壁は明らかに霧恵を疑っています。
ですが羽賀は、人ひとりを女の子一人が吊るすなんて無理があるんじゃないかと反論してきます。
確かにそれは難しいかもしれません。
が、どちらにしろ現状では彼女が最重要参考人であることは間違いないでしょう。
任意で引っ張ろうかと言う羽賀の提案もありましたが、真壁はとりあえず検視の結果を確認することにしたのです。
……が、その瞬間、カメラのフラッシュが浴びせられました。
カメラを持った女性記者のようです。
雁谷、通称サメハナと呼ばれる週刊誌の雑誌記者で、真壁達も彼女のことを良く知っている様子。
どこから嗅ぎ付けたのか、雁谷は霧恵の存在にも気付いているようで、そのあたりをしつこく二人に食い下がって尋ねてきました。
無視を決め込み、警備していた警察官に彼女を抑えさせている間に、二人はその場を離れるのです。

雁谷は依然もその恐るべき情報収集能力で、とある殺人事件の犯人だった未成年の少年の顔と名前をさらす記事を書いたことがありました。
彼女のその面倒臭さ、厄介さにうんざりしながら、二人は死体安置室へとj向かいます。
そこで出た検視の結果は……問題なし、自殺とみて間違いない、というものでした。
真壁は、食い込んだ縄をほどこうとして首にできるひっかき傷、吉川線の存在に気が付くのですが、そこに関しては自殺でついていてもさほど不思議ではないとのこと。
不審な点は何もないのかと念を押しますと、不振と言うほどではないが気になることはあった、と検視官。
なんでも伊島、メガネをかけたままぶら下がっていたというのです。
自殺の時には外す人が多いと言うことなのですが……

首をひねりながら安置室を出た真壁。
やはり女の子には自殺に見せかけるなんて無理だと羽賀に改めて告げられるのですが……何と言うことでしょう、そこで霧恵の姿を目撃したのです。
霧恵がここに入院している?
早速真壁は担当医に聞き込みを始めるのです。
霧恵は手首を自ら斬りつけた、全治一週間の負傷で入院中。
カウンセリングの必要性もありと判断され、事件の日は一日病院にいたというのです。
ということは、やはり彼女に犯行は無理、ということなのでしょうか。
その日はずっと病院にいた上、片手が怪我していては……
ただ、体格が同じくらいなら、相手の背後からひもをかけて背負う形で締める「地蔵背負い」と呼ばれる手段で絞殺自体は可能。
真壁はどうしても、霧恵に不信感を感じてならないのでした。

そんな二人と入れ替わりになるように、詩音が霧恵のお見舞いにやってきました。
霧恵はあんなことをした直後にもかかわらず、意外に元気そう。
ですが、伊島のことを霧恵に教えるべきかどうか、教えるとしたらどう伝えればいいのか、詩音は決めかねていました。
が、持ってきたお見舞いの品と一緒飲むお茶を入れていますと、霧恵の方からこう言ってきたのです。
伊島さん、死んだんだって?と!
何故知っているのか、驚く詩音。
ですがそれ自体は、聞いてみれば驚くほどのことではありませんでした。
あの事件によって学校は休校。
その休校の連絡が霧恵の元にもやって来たため、何故休校になったのかを聞いたら教えてくれた、ということのようです。
そこまで知っていれば、これ以上隠す必要もないでしょう。
自殺だったらしい、と教えますと……霧恵はこう呟きました。
ふうん、あの人が自殺なんて。
rj2
良かったね。
人が死んだ場面としては、あまりにもそぐわないその言葉。
思わず聞き返す詩音なのですが、霧恵は聞こえなかったかのように、お見舞いの品を見て喜び、あと2~3日で退院できるって、と笑うのです。
その霧恵の表情を見て、詩音のほうがさっきのは聞き間違いかと思ってしまいます。
ですが……それでも、本当に気のせいだとは信じ切れません。
詩音をいじめていた人が次々と災難に遭う。
何があっても信じると決めた、はずなのですが……
仮にもクラスメイトだった人物がなくなったにもかかわらず。
rj3
無邪気にも見える笑顔を浮かべる……そんな彼女の気持ちが全く理解できないのですから……



というわけで、新章の幕開けとなる今巻。
真壁と羽賀の二人が霧恵の謎を追うわけですが、まだ確実に彼女が犯人であるとは言い切れず、もちろん証拠もありません。
そんな中で、霧恵はこれからどんな行動をとるのでしょうか。
それはやはり、詩音を自らのものとするための行動なのでしょうか……?

大切な友人である霧恵を信じたい気持ちと、疑ってしまう気持ちに揺れ動く詩音ですが、そんな彼女に新たな出会いが待っています。
詩音とその人物はみるみるとその距離を縮めていくわけですが……
霧恵がそれに気がついた時、どうするのか。
新たな犠牲者となってしまうのか、それとも……?
さらに、詩音にさらなる不安がよぎるある出来事がおこります。
その出来事は、彼女のトラウマを呼び起こすとともに、この物語の謎を明かすカギともなりそうで……?

第1巻とは違い、血生臭さはぐんと薄れ、代わりにキャラクターやドラマを掘り下げていく内容となっている第2巻。
ですがこのまま惨劇の起こらないまま物語が進むはずもありません!
一体それはいつなのか、犠牲者は誰なのか、そして犯人はやはり霧恵なのか、それならばどうやったのか?
山積みの謎と恐怖が満載の本作から目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!