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今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第18巻 川田先生 

集英社さんのジャンプコミックスより刊行です。


さて、最高の舞台で最高の敵と対峙した潮。
その戦いは激しいなどと言う生易しいものではなく、死力を尽くし、互いの限界の先を行くようなすさまじいものでした。
繰り返される攻防の末、潮はとうとう久世を投げ飛ばし……!!



潮は望んでやまないものを手に入れました。
文字通り、どう背伸びしても その基準に達することのない体格検査。
その基準を満たさずとも大相撲の門をくぐる事が許されるばかりか、普通に入門するためにはどんなに頑張っても半年以上はかかる地位からスタートを切ることができる資格……
三段目付け出しの資格を!!

このチャンスを逃すことはできません。
高校生活はまだ三分の二以上残されていますが、また来年にチャンスがあるかどうかわからないのですから。
ですがそれは潮が相撲部から、ダチ高から去ることを意味しています。
出来ればみんなとはきっちり別れたかったところですが……
そんな潮の元に、何やら古風なものが届けられます。
それは……果たし状。
それを見るなり、潮は迎えに来てくれていた柴木山親方に少し待っていてくださいとお願いし、駆け出すのでした!!

果たし状に記されていた場所にたどり着くと……そこには、
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土俵があるではありませんか!!
その土俵は、かつて五條たちが嫌がらせに破壊し、存在しなくなっていたはずの、小関がつくったもの。
学校を卒業してダチ高から去っていく五條が、その心残りを解消していこうと、一緒に破壊した仲間たちと一から作り直したのです。
五條の心残りは解消されました。
が、それですべてなのかと言えばそうではありません!
潮と共に戦ってきた一年間。
潮にその胸を借り……いや、ガチンコで、磨き上げてきたものすべてをぶつけなければ!!
このまま別れてしまうことを心残りにしていたのは、潮も、ダチ高相撲部の面々も同じ。
すでに廻し姿になっている仲間たちを前に、潮もすぐさま臨戦態勢に!!
ワシは強いぞ、覚悟しとけよ!!
そう言って戦いに挑むのです!!

最初の相手は、三ツ橋です。
大会では最軽量の小兵であった三ツ橋ですが、確かにその体は小さいものの、ダチ高相撲部の門をたたいた時と比べれば見違えるほどたくましくなり、身長も伸びています。
とはいえ、何秒もつかな、と國崎が漏らすように実力差は明白。
それでも三ツ橋は、ボクが相手だからって手は抜かないでくださいね、全力でお願いします、と潮の本気を求めるのです。
……が、そんなことは潮にとっては当たり前の事!!
言われるまでもねえ、と、度のライバルを相手にしたときとも引けを取らない殺気を漲らせるのです!!
変化するかもしれませんけどね、と口で精一杯の抵抗を試みる三ツ橋。
その指すような殺気を前に、背筋に寒いものを感じてしまうのですが……その目こそ、三ツ橋が憧れた潮の目!
いつだって全力、初心者だった三ツ橋にも全力で相撲の凄さを教えてくれた、潮の目なのです!
立ち合い、放たれる潮のぶちかまし!!
かつての三ツ橋はそれになすすべなくふっとばされてしまいましたが……今回は、体勢こそ崩れかけ、大きく後ろに下がりはしたものの、堪えることには成功しました!!
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その成長ぶりに潮も驚き、一瞬動きが止まってしまいます。
ここぞとばかりに、三ツ橋は次なる一手を打つのです!
三ツ橋のお家芸、軽業の極致、八艘飛び……を、フェイントに利用!!
すぐさま深く腰を落として前に出て、右下手を取りました!!
そしてそのまま左手で潮の頭を押さえつけながら下手投げを放つ……
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鬼車を放ったのです!
これが三ツ橋が相撲部で経験を積み、磨き抜かれてきた成長の証!!
その一撃をくらった潮は……投げられる直前にしっかと廻しを取っていた右手に力を籠め……
強くなったな、蛍!
お前なら来年はきっと勝てる。
ダチ高相撲部を頼んだぜ……!!
そんな思いを込め、潮は逆転の投げで蛍をねじ伏せるのでした。

こうして幕を開ける、潮と相撲の部の戦い。
この後、五條、國崎、そして小関と潮は4人掛けを行うことになります。
万全の状態で戦えば、どの相手でも十中八九、潮が勝利を収めるでしょう。
ですが、その十中の一や二を、このとっておきの舞台で轢かないとも限らないではありませんか!!
ましてや潮は4人と連戦。
付け入る隙はあるはず……!!
火ノ丸相撲第1部、高校相撲編。
その最後の戦いは、劇的な結果を迎えることとなるのです……!!


というわけで、高校相撲編が完結となる今巻。
ほとんどの読者がこの高校相撲編で本作自体が完結すると思っていたと思うのですが、ここでなんと第2部、大相撲編が始まってしまうことになりました!!
それどころか、まさかのアニメ化まで決定……!!
電車道とは行かないまでも、じっくりと得意の四つに組んで寄り切ったとでもいうべき成長を遂げている本作……ファンの皆様は感慨深いのではないでしょうか!!

今巻はそんな高校相撲編のエピローグでありながら、大相撲編のプロローグともいえる内容になっています。
感動的なダチ高相撲部との別れは、激しさと寂しさの織り交ざったものとなっており、詠むものに驚きと感動を与えてくれます。
そしてそのあとすぐに始まる大相撲編へのプロローグは、わくわくの止まらないものとなっておりまして。
高校のライバルたちの成長した姿、そして圧倒的な力で君臨する横綱の存在。
それらがこれからの展開をより盛り上げてくれるであろう予感を感じさせてくれるのです!!
熱さにかけては現在のジャンプ随一を誇る本作、大相撲編も一層ものすごいことになっていくことでしょう……!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!